035 再会




イスカンダルから帰ってきて忙しい毎日・・・・

せっかく想いが通じた彼女も忙しい毎日を過ごしているようだ。

時間を見つけては連絡を取り合っているが、なかなか会うことは出来ない。




そんなある日、ひとり緑地公園になる予定の場所にたたずんでいると

「進君?君、古代 進君でしょう?」

振り向いた先にはにこやかに笑う人がひとり・・・

僕のことを知っているようだけれど・・・

またマスコミ関係なのかと少し構えてみる。

「どちら様ですか?」

少し抑えた口調で聞き返してみる。

「やだな・・僕のこと忘れてしまっているの?

進君って結構忘れっぽかったんだっけ?」

話してくる口調がどこか懐かしく思っていたとき

「小学生のころよく遊んだの覚えていないのかなぁ・・・

ほら、小さな女の子たちと・・・」

ニコニコ笑いながら僕が思い出すのを待っている。

「え?小学生のころ?

一緒に遊んだ?・・・」

子供のころの記憶を引っ張り出そうとがんばってみるが・・・

「小さな子と遊んでいたんだよね」

と聞き返す僕に

「そうだよ、守兄さんなんか僕のこと女の子だと思っていたくらいだから・・・」

「あ、マコ。まこと君か・・・」

「あたり、やっと思い出してくれたんだね。

進君の活躍は聞いているよ」

「活躍だなんて・・・

みんなでがんばったから・・・」

照れる僕に

「きっと帰ってくるって信じていたから・・・

そうだ、進君、今時間あるの?」

突然聞かれた僕は

「うん、あるけど・・」

「じゃぁ、ちょっと付き合ってよ」

「どこへ行くんだい?」

マコの後を追いながら聞く

「僕の仕事部屋。

進君に見せたくて・・・」

「マコの仕事部屋か・・・

子供のころの夢がかなったんだ・・・」

「そう、だから進君に見せたいんだって・・・」






案内されたのは、ビルの一室。

デザイン工房MAKOとかかれてドアを開けてはいる。

「へぇ〜、ここがマコの仕事場かぁ・・・」

「うん、まだ、こういった装飾品を注文してくれる人はいないけどね。

デザイン画だけは描くことが出来るだろう?

もう少しして、材料が入るようになったら本格的に始めるんだ」

「そっかぁ・・まだ材料ないんだね。

マコ、材料入ったら作ってもらいたいものあるんだけど・・・」

「なにを作るの?」

「彼女にね・・・何かプレゼントをと思ったんだけど・・・」

「進くんの彼女かぁ・・・

今からだとクリスマスのころになってしまうかもしれないよ。

それでもよければ何か考えておくよ」

「頼むよ・・・出来るだけ簡単なものでね」

「んー、シルバークレイが見つかるといいんだけど・・・

あまり期待しないで待っててよ」

「わかった。連絡先、ここに書いておくよ」

机の上においてあるメモ帳に自宅と、携帯の番号とメールアドレスを書いておく。

「材料が見つかったら連絡するね」

「携帯つながらない時はメールで連絡くれれば帰ってきてからでも確認できるから・・・」

「うん、わかった。進君も忙しそうだもの・・・

この次ぎ合うときには進君の彼女の話し聞かせてくれる?」

「ん・・・・」

「相変わらず照れ屋なんだね」

「そんなこと・・・」

「ないていえる?

この次とわ言わないから・・・

いつかちゃんと紹介してくれるよね?」

「ああ、約束する」

思いがけない幼馴染との再会がユキの誤解を招くことになるなんて、このとき思いもよらなかった。



END

幼馴染との再会、うれしい反面恥ずかしさが出てしまった古代君。
この後ユキちゃんが・・・

2004.10.28

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