Fanfic

雪よりも…氷よりも…

「さて、みんなそろったことだし、派手に踊ろうか。とはいっても、こんな大人数だと、さすがにちょっと踊りづらいかな」

そう言いながら、クスィーは胸元から一本の細長い管を取り出した。そして、管をかたむけ、中に入っているものを取り出す。

それは、棘(とげ)だらけの小さな球体だった。

「インターセプション!!」

クスィーが叫ぶ。と、次の瞬間、球体はみるみるうちに大きくなり、あっという間に部屋全体を覆(おお)ってしまった。

「な、なんだぁ? さっきの鎧の奴らはどうした?」

と、黒鋼。

確かに、ついさっきまで一行と対峙(たいじ)していた混合部隊は、球体が部屋を覆ったのと同時に、姿を消してしまっている。

「これは『インターセプション』と言ってね、ジャバウォックの一種だ。この中では完全な別次元となり、作り出した者の意中にない人間は全て排除≪はいじょ≫される。どうしても外の世界に出たいのなら、作り出した人間に重傷を負わせるか、もしくは殺すだけだ!!」

そう言いながら、クスィーは着ていた魔導衣をおもむろに脱ぎ、その場に放り投げた。魔導衣のフードに覆われていた顔が、はっきりと見えるようになる。

「えっ…? ファイさんが…2人?」

小狼が驚愕(きょうがく)の声を上げる。

たしかに、髪と肌の色は違えど、そこにあったのはファイの顔そのものだった。

「やめろ! 小狼君たちには手を出すな! 用があるのはオレの方だろ! クスィー!! いや、姉ちゃん!!」

思わず声を荒げるファイ。

その声を聞き、小狼たちをさらなる驚愕が襲(おそ)う。

「フン! 大切なものを守れぬままセレス国を去っていった君に姉と呼ばれる筋合いはない!」

「………」

そう言われて、ファイは絶句する。

「ファイさんの…お姉さん…?」

と、サクラ。

「ああ。そうだ。生まれた時こそは双子の姉弟だった。だが、今は姉弟でもなんでもない! 村を、そしてこのセレス国を見捨てて逃げていったこの裏切り者と、女であることを捨て、今もなお大切なものを守るために戦い続けているこの私、クスィーことフィーネ・F・フローライトとは、まったくの赤の他人だ!!」

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