Fanfic

雪よりも…氷よりも…

「ファイさんの・・?」

彼の口から出た言葉。その事実に4人(正確には3人と一匹)は驚愕した。

「そう。オレの故郷〜。んで、アレがセレス国のお城。」

ファイの指さす先には、凍てた城らしきものが見えた。雪でかすんだ城は、なぜだか寒々しかった。

「モコナ。羽根の波動は?」

「・・あのお城から出てるの。」

モコナの言葉に頷いたシャオランは、一歩。また一歩と城へと道を進む。その後に、サクラ。黒銅とファイが続く。

「良いのか?」

「ん?」

ふいに、黒銅がファイに話しかけた。

「おまえ散々この国には帰りたくないと言ってただろう。『逃げないといけない』、と。」

「んー・・。でも、サクラちゃんの羽根をちゃっちゃと探して。次の国に行けば良いことだし。オレは別に構わないよぉ。」

「・・じゃあなんで口が震えてんだ?」

「!?」

ま、俺のしったこっちゃねえけど。という素振りで黒銅はシャオランたちのペースに合わせて歩き出す。

一歩遅れて歩くファイ。

「なんでそうやって見ちゃうのかなぁ?」

凍てつく城を眺めながら、彼もまたシャオランたちのペースに合わせて歩きだした。

「広いですね・・。」

城の中を歩きながら、シャオランがつぶやく。

「まぁ、この国の偉い人…ぶっちゃけ王様の居るところだからねぇ。」

「王様?」

サクラが不思議そうにたずねる。

「そう〜。ちょっと厄介な王様なんだよねぇ。」

「?」

意味深気な彼の言葉に、サクラはただただ首をひねるばかりだった。

その時・・・

「ファイ」

ファイの表情が張りつめる。

「どこから声が・・?」

シャオランが辺りを見渡すも、誰も居ない。

「急ごう。この辺りにいると危ない。」

「ファイ・・さん?」

いつになく真剣な表情のファイ。ひとまず彼の後に続いて城を走る。

氷のようなすべる床は、走りにくい。しかしファイは手馴れたもの。足を軽く滑らすように走るのだ。

「ファイさん。すごいですね。」

いまにもこけてしまいそうなサクラが、ぱちぱちと目を瞬かせてファイを見つめる。

「うん。昔から良く『走ってた』からねぇ。」

すっと、ファイが走るのをやめる。もう大丈夫ということだろう。

すると、今度はサクラの様子が一変した・・。

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