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ATLASという特殊部隊がある。所属の有無を問わず、此処(ここ)に集められた人間には一つの共通点があった。それは、精神能力―念動や予知・心話というのが一般的に知られている―を持っている点である。空軍から派遣(はけん)された木之本桃矢の能力は、オールマィティで、なおかつズバ抜けていて優れたものだった。空軍の頃からコンビを組んでいた月城雪兎にも同等の資質と能力は備わっていたのだが、桃矢ほど広い分野の能力は持っていなかった。二人の間には波長が合う、というだけではない何かがあるようで、別々に行動するより、二人で組んで行動した方が、ずっと能率も結果も良かったのである。

キット、と呼ばれる桃矢の行動の迅速(じんそく)さには雪兎しかまともについていける者はいなかったし、雪兎の巧智(こうち)(というと聞こえはいいが)に即座(そくざ)に対応できるのもまた、桃矢しかいなかった。そんな二人が部隊内での地位を確立するのに、時間は掛からなかった。

――――そして五年前の事件。――――内容はよくある話だった。重要機密を知る男女の逃亡。行方の補足、逮捕というのが御定(おさだ)まりのパターン。ごく当然のように二人にその命(めい)が下った。

事件それ自体は、ごくあっけなく解決した。それ自体は。問題だったのは、その女の方が桃矢の母親だったという事でである。

<2に続く>

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