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小狼・ピアニスト

・・・・・誰も、何も言えない。

ただただピアニストを見つめるだけ・・・。

〜小狼・ピアニスト〜

第六章

『アンオーディナリーピープル・リトルウルフ』

そう、みんな、ア然と見つめるだけ。

だからおれは、とっさに腕の鉄くず・・・拳銃を再び腕の中に取り込んだ。

取り合えず・・・取り合えず、あの男が何かをやるとは思わないからだ・・・・。

『イッツア・ショ〜ッタ〜イム!!』

・・・実に良い発音でユウコが言った。

ただ・・・おれだけに聞こえるように・・・みたいに。

すると、ピアニストは喋りだした。

「『ローゼルマリオ・リトルウルフのマタ(人形)』第59小説目、今から始めましょうか。」

そう、おれたちが引き続けていた曲は、ピアニストが今言ったもの。

『・・・推理ショーの始まりよ・・・』

ユウコが静かに言った。

「さて・・・。取り合えず・・・正三角形の構成で話を進めましょう。このホールを支配するもの・・・それは、指揮者ですよね?」

すると、ユウコがうなずく。

「・・・指揮者がいなければ、音楽は出来ません。指揮者はとても大切です。その指揮者が二人・・・・。お名前は?」

『ユウコよ。ユウコ・イチハラ。』

[・・・飛王(フェイワン)・リードだ。]

「有難う御座います。 まず、ユウコさん・・・あなたは、ずいぶんと余裕のある指揮をしていらっしゃいました。けれど、笑顔の裏側には・・・・・・と言う感じですよね。飛王さん・・・あなたの指揮は、必死に・・・何と言うか、その・・・失礼、メチャクチャでした。」

[・・・客が居ないんだ。自然に余裕がなくなってきた・・・それだけであろう。]

「いえ、それがあなたの理由ですね。では・・・まず・・・・。」

ピアニストは、歩き出した。

そして大分くずれてきていたグランドピアノに触る。・・・そして、ピアノ線を手に取った。

「これは、ピアノ線です。ピアノはコレで音を出すんですよね。・・・話を変えます。マリオネットと言うものを、みなさんはご存知ですか?」

「・・・・しらねぇ・・・。」

「知ってるよ!」

「私は知ってます・・・。」

「モコナ、知ってる!!」

コントラバス、チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラの順で答えた。

『・・・知ってるわ。』

[・・・知っている。]

最後に、指揮者。

おれは・・・知っているも何も・・・・。

「では、少し説明を。

マリオネットと言うのは、糸であやつる人形のことです。ピエロのような人形のデザインが大半ですね。

・・・実は、あるこの世界とは異なる世界に、糸の無いマリオネットが出来上がりました。

そのマリオネットは、機械で出来ていました。けれど、触ってもやわらかいですし、人形と言うより人間のようなものでした。

おれたちは、たくさんの世界を旅しています。

ある世界にたどり着いたのですが、そこは機械化のよく進んだ世界でした。

その世界のある方が、糸の無い、機械のマリオネットを作り上げました。けれど、そのマリオネットは、ある重要な部品が抜けてしまい、失敗作となってしまいました・・・。

実はそのマリオネットは、糸の変わりにそのマリオネットの小さな模型で動かすと言うものだったのです。これなら、小さな子でも出来ますしね。

しかし、その こわれてしまったマリオネットは、どうした事かセンサーを入れ忘れてしまい、模型の通りに動かないのです。自分で勝手に動く、感情を持ったマリオネットとなりました。

けれどそれは、小さな子供が遊ぶには大変危険な人形です。 マリオネットには、不審者から守るため・・・と言う事で、人を守る・・・ぐらいの、攻撃装置が付いていたからです。もし、子供に攻撃を仕掛けたら・・・そう思うと、その人形は、廃棄処分となることになってしまいました。

それに、普通のマリオネットは、ある程度・・・の攻撃力なので、人を殺めるほどの威力はありません。 ・・・残念な事に、その人形はある豪邸のお嬢さん専用に作られたもので、絶大的な攻撃力を持っていました。腕には、拳銃の装置が。右足には打撃攻撃専用の大いなる力が。

・・・もはや人形とは思えぬ力の強さに、捨ててしまうのはもったいないと誰しもが思いました。

けれど、危険なものは危険なものです。

その人形を廃棄しようとしたとき、その人形を製造した人物が、魔女に助けを求め、人形は別世界へと転送されました。

その人形が、この世界に居るのです。」

ゆっくりと、ピアニストが言った。

〜第六章・完〜

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