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名もない花

昼休み。

木々の緑が溢れる広場から、明るい声が響いてる。

それは、桜と大道寺知世だった。

二人は違うクラスになってしまったが、今もこうして一緒にお弁当を食べている。

「そのとき私のクラスは体育で校庭にいましたが、桜ちゃんの声、よく聞こえましたわ」

「はうー、恥ずかしいよ…」

口ではそう言うが、桜はとても嬉しそうだった。

そんな桜を見て、知世は優しく微笑む。

「何か、いいことがありました?」

知世に尋ねられて、桜は真っ赤になった。

図星、だったから。

「どうして分かったの?」

「分かりますわ。桜ちゃんのことなら」

知世の優しい微笑みが、桜の心を温かくしていく。

桜も知世に微笑んで、嬉しそうに話した。

「実はね…」

桜・回想モード。

「はうー、宿題いっぱい出されたよ…」

職員室から出てきた桜の手にはプリントがあった。

その厚さ、一センチ以上ある。

一緒に来ていた小狼もそれを見て驚いた。

けれど…。

「円谷先生の授業で居眠りしたお前が悪い」

「うん。分かってる…」

円谷先生とは、さっき桜たちのクラスで授業をしていた先生だ。

担当教科は数学で、桜たちの担任でもある。

勉強や校則に厳しい先生で有名。

「でも数学苦手なのに、明日までに提出するなんて、絶対に無理だよ〜!!」

宿題を見つめて、桜は泣きたくなった。

そんな桜を見て、小狼は軽くため息をついた。

そして…。

「俺が教えようか?」

「えっ?」

桜が見上げると、小狼は少し赤くなっていた。

「俺でよければ、数学教えてやる。言っておくが、人に教えたことないからな」

小狼はますます赤くなったから、桜は笑った。

小狼の優しさがすごく嬉しかったから。

「うん!お願いします!!」

桜・回想終了

話が終わると、桜は真っ赤なっていた。

そんな桜を知世は微笑ましく思った。

「それでは、これから李君と?」

「うん。図書室で待ち合わせしてるの」

桜はとても嬉しそうに笑った。

「桜ちゃん、本当に幸せそうですね」

突然の言葉に桜は驚いたが、すぐに笑って答えた。

「すごく幸せだよ」

一ヶ月前、桜は小狼と再会した。

そして、桜の木の下で二人は約束した。

これからはずっと一緒にいよう、と。

今、幸せだと思えるのは、桜のそばにはいつも小狼がいるから。

桜が幸せそうに笑うから、知世は嬉しくなった。

「桜ちゃんの笑顔を見れて、私も幸せです」

「ありがとう。知世ちゃん」

〜第3話・完〜

…つづく

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