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Desire

昨夜、さくらを誘拐しようとした人物を特定する為、色々調べた結果は残酷なものだった。

誘拐しようとした人物の名は「雨宮桂樹(けいじゅ)」・・・。撫子の兄であり、政治家でもある。

そして、桃矢・さくらの父親・藤隆の死とも関係している事が判明したのだ。

そしてそれを教えるのには、残酷すぎると思った。

さくらの横顔を見ながら羽柴はそう思った。

もし、教えるとしても相当なショックを受けるだろう・・・。ショックを最低限にする事は出来ないものか・・・。

それは桃矢も同じ思いを抱いていた。

昨夜の誘拐未遂事件の続きについて、色々話し合った。

『・・・だが、それが本当なら何故今になって?』

蓮が訊く。

『・・・分かりません。ただ、彼女が何らかの理由で狙われているのは間違いありません』

続が答える。

『その〝何らかの理由〟って?』

心配そうに周が訊く。

『それを調べるのが俺達の仕事だ』

どこか自信あり気に羽柴が答える。

『宜しくお願い致します』

凌・蘭・雅・周(あまね)・桃矢・蓮・あやめ・柳人・雪兎・葵・園美が一斉に一礼をする。

凌は、「何らかの理由」というものが何であるか分かっていた。

それは、雪兎や桃矢も同じだった。

もし違いがあるとすれば、彼はそれが何であるか先に知っていたという事だろう。

凌には、予知夢がある。そしてその夢は決して外れる事がない、というものである。

例えどんなに否定したくても、認めなくなくても・・・。

未来が解る――――そんな人生は幸なのか不幸なのか・・・。

それは当人が決める事だ、そう解ってはいるが・・・。

やはりどこか割り切れない想いがあるようだった。

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