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Desire

さくらはどこか緊張した面持(おもも)ちでいた。

すると車の中には誰かがいるようだった。

くすくすと笑う声が聞こえてくる。

「・・・・?」

(誰・・・?)

「初めまして」

端麗(たんれい)な顔立ちの男性はさくらに軽く挨拶(あいさつ)をする。

さくらはその男性に思わず見蕩(みと)れる。

(綺麗な人・・・)

「どうした?」

羽柴がさくらに声をかける。

「あ・・・えっと、あのっ・・・・」

しどろもどろになりながら答えようとする。

「まあ、君が見蕩れるのも無理はない。続くんほどの美人はなかなかいないからな」

「・・・・あ、えっと、あの・・・すみません!」

何故、謝ってしまったのかそれはさくら自身よくわからなかった。

「ところで、君の名前を教えてくれるかい?」

「あ、さくらです。木之本さくら」

「木之本・・・・?」

無愛想(ぶあいそう)な男性が呟(つぶや)く。

(うう・・・怖いよう・・・)

するとそれを見透(みす)かすかのように羽柴は言葉を継(つ)ぐ。

「大丈夫だ。こいつはな、こーんな怖い顔してるけどただの犬だ。警戒(けいかい)しないでいいぞ」

「・・・えっ?」

「どうして分かったのか気になりますか?」

続と呼ばれた男性がさくらに声を掛ける。

「えっ・・・あ、は、はい!」

「顔に書いてありますよ」

「ええええええ?」

さくらは思わず顔を隠してしまった。

「自己紹介が遅れたな。続くんはかの有名な妹之山財閥の御曹司(おんぞうし)だ」

「ええええええええ!?」

今日は驚く事ばかりだ、とさくらは思った。

妹之山財閥と言えば、知世の母が勤める「大道寺コーポレーション」と並ぶ程、有名である。

「ところで、家はどこだい?」

「あ・・・初芝さんのお宅まで」

さくらはそう告げると羽柴はOKとだけ言い、さくらがお世話になっている初芝家へと出発した。

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