Fanfic

タイセツナヒト

「知世とであったのは5年前・・・『刀隠神社』で・・・・」

《回想》

小狼は「刀隠神社」と呼ばれる神社の御神木の桜の木の前にいた。

「もうずいぶん長く生きているんだな・・・」

「わかるのですね・・・・」

と後ろから声が聞こえた。その少女は黒髪で長く肌白い袴を着た少女だった。

「これはもう100年も生きているんです・・・・」

「あの・・・あなたは?」

「見ての通りこの神社の姫巫女・知世と申します。あなたは?」

「李小狼です。初めまして」

小狼は少し礼をして知世も笑顔で礼をした。

「あのさっき言ってた「姫巫女」って・・・?」

「簡単に言うならば神主と同じ役割を持つものです。家では代々男が神主をやるのではなく女が姫巫女となってこの神社をお守りするということです」

「そうなんですか・・・それにしてもこの神社結界が張られているんですね・・」

「よくわかりましたね。この神社では姫巫女の資格を持つものは代々力がある女と定められています。この結界は私の遠い先祖・丁姫様からずっと破られたことのない頑丈な結界です。たぶんこの結界が長く持つのはこの御神木のおかげだと私の母が申しておりました」

「そうだったんですか・・・あなたはどんな力を持ってるんですか?」

「いろいろとありますわ。言ったら時間がかかりますね。」

と知世は笑顔でそう語った。

「あなたも随分力をお持ちのようで・・・」

「ええ。家は李家というクロウリードという魔術師の母方の親戚なんです」

「そうなんですか・・・」

知世はなぜだかつらい顔をしていた。

「明日もまた来ます」

「そうですか・・・ではまた明日に」

「はい・・・」

と小狼は去っていった。

「あの方が・・・私を殺してしまうのですね・・・」

知世はそう心に思った。

翌日 小狼はまたあの神社に行った。

だが行く途中誰かに見張られている気がするのだ。

「ちっ、ここまでもきたか。だがここで戦うわけにもいかない。柊沢家のやつらめ・・・」

と小狼は思った。

「おい!!なんで俺につきまとうんだ!お前らの家と俺の家が仲悪いからってそこまですることもないだろ!!おとなしくしていたらどうだ!」

すると背後からつけられている気配も上から観察されている気配も消えた。

「行ったか・・・」

小狼は歩き続けやっと神社に着いた。そこに昨日会った知世が外を箒で掃除していた。

「おはようございます」

「おはようございます。小狼様」

「えっ・・・」

「あっ・・・こう呼ばないほうがよかったですか?」

「いっいえ・・・そう呼ばれるのは初めてなものですから。おっ俺も『知世』って呼んで・・・いいですか?」

「・・・・はい」

知世は笑顔で答えた。

「手伝いましょうか?」

「えっでも悪いです」

「気にしないでください。あっ箒どこですか?」

「あちらの倉庫に・・・」

「ありがとうございます」

小狼は笑顔でお礼を言った。知世も笑顔になった。

2人は掃除が終わり知世がお茶を持ってきた。

「本当にありがとうございました」

「いえ」

「今は何かお仕事でもなさっているんですか?」

「はい。今、考古学の先生の助手を今日から」

「それは素晴らしいですわね。歴史に興味を?」

「はい。中国の方でもいろいろと携わってきたんで」

「・・・夢とかあるんですか?」

「はい、俺はまだ知らないことがたくさんありますが、ここでいろいろと知ってそれを考古学の勉強に備えて、いつか立派な考古学者になりたいと思っているんです」

「そうなんですか・・・」

2人はしみじみとお茶を飲んだ。

「ご馳走様」

「これからお仕事ですか?」

「はい。いろいろと大変で」

「がんばってください・・・。後帰りには気をつけて・・・もうすぐそばにいますから・・・」

「えっ?」

「なんでもありません。いってらしゃいませ」

小狼は神社を後にした。

知世は神社の真ん中に行った。

「エリオル・・・どうしてもあの人を殺さなければならないのですか・・・?」

知世は心の中で疑問を持ち始めた。

知世と小狼は会っていくうちにお互い好きになっていた。お互い1人暮らし同士なので一緒に住んでみてはどうかという知世の提案で、同棲を始めた。もちろん家は広い知世の家で住むことになった。

「ただいま」

「おかえりなさいませ」

「いい匂いだな」

「今日はビーフシチューですわ」

「それはいいな。ちょっと待っててくれ、ちょっと調査のまとめをするから」

「調査って何の調査ですか?」

「ああ、『クロウ遺跡』といって、前にも話しただろ。クロウ・リードという人が俺の親戚だって。で、そのクロウ・リードが残していた書物に書いてあったんだ。『クロウ遺跡』の門の向こうにはあるものを入れてあると。その『ある物』を調べるために今度その遺跡に行くんだ。で、その門を開ける方法とかいろいろな資料を見てまとめる、というわけだ」

「・・・・・なんだか、嬉しそうですわね。遺跡のことを話すと幸せな顔になっていますわ」

「あ・・・よくいわれる・・・はは。」

と小狼は2階のほうに行った。

「クロウ遺跡・・・・もうすぐ開くのですね・・・」

知世はそうつぶやいた。

プルルルル プルルルルルと電話の音が響いて、知世は、はっと我に返って電話を取った。

「もしもし」

「もしもし、姉さん」

と小狼が階段を下りた。

「えっと・・・ペンはどこだったけ?」

小狼は信じられない言葉を耳にした。

「・・・・エリオル・・・もうこんなことはやめましょう。出会ってしまった以上、あの方が私を殺す運命ですから・・・」

「そんな、姉さんあの人に殺されて嬉しいと思うんですか!!」

「思いませんわ・・・ただ、あの方が不意に殺すのではなく私が望んで殺されてしまうでしょうから・・・」

と電話を置いた。と知世が前を見るとそこには小狼の姿が。

「電話誰だ?」

「えっあっ・・・知り合いですわ」

「・・・・お前の弟か・・・」

「聞いていらしたんですか・・・」

「いや、ただ予想で言ってみただけだ」

「そうですか・・・」

知世はほっとした。だが小狼の目つきはきつかった。

「どうやら・・・知世は柊沢家に関与してる・・何が目的で・・・」

と疑いの目をしたまま椅子に座った。

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