Fanfic

タイセツナヒト

そこは暗いところだった。

「真っ暗で何も見えない・・・ここはどこだ」

小狼はそう思っていた。

歩くたびに波紋が広がっていた。歩いていくと遠くの方で光がさしていた。小狼はそこに向かって走っていた。そこには少女がいた。黒髪でウェーブがかかった白い服を着た少女だった。

「あのあなたは誰ですか?」

「・・・・・・・かないでください・・・・」

「えっ?」

「けん・・・・が・・・・」

肝心なことが聞き取りづらかった。そして目を覚ました。夢だった。

「夢か・・・・・なんだったんだろう・・・・」

べッドからおりて、机の方に行った。机の上には音符のペンダントがあった。

「知世・・・・・」

そのころ桜は寝ていた。こちらもまた夢を見ている様子だった。桜の前には小狼と誰かが戦っていた。

「小狼君と・・・・・誰?」

桜はそう疑問に思った。

「知ってる・・・・あの人・・・見たことある・・・」

桜はふと気がついた。戦っている2人の真ん中に誰かがいた。悲しそうな目で見ていた。

「知世ちゃん!!!」

桜はそう叫ぶとともに目が覚めた。

「夢・・・・」

桜はほっとした。

だがなぜ夢の中で小狼は戦っていたのか?なぜ知世があそこにいたのか?と疑問でいっぱいだった。

小狼は朝早くから研究所に来ていた。『クロウ遺跡』についての情報をまとめていた。だが朝に見た夢のことが気がかりであった。そこへ桜がやってきた。

「おはよう!小狼君」

「お・・・おはよう・・・」

「早いね。こんな時間に」

「ああ。情報とかをまとめているんだ。クロウ遺跡のことで。門に描かれてる魔法陣と同じものを書いてそれが合わされば開くことができるんだ」

「へぇー」

「だがこの魔方陣はとても複雑だから書くのに時間がかかってしまうんだ」

「前開けた時は小狼君描いてないの?」

「・・・・・ああ。」

小狼がとても深刻な顔をした。

「何があるんだろう・・・?あの門の向こうに」

「今日、研究のために千歳教授たちが『クロウ遺跡』に行くらしい。ひょっとしたら何か分かるかも」

「うん、そうだね!」

桜は暖かい笑顔になった。小狼はドキッとした。そこへ千歳がやってきた。

「おはよう。早いのね」

「おはようございます」

と2人で息ぴったりと挨拶をした。そのことに気づき2人は赤くなってしまった。

「あ・・・千歳教授。今日行かれるんでしたらこの資料持ってってくれませんか?」

「(資料に目を通す)ええ。いいわよ」

「ありがとうございます」

その後千歳とほか数名の研究員と一緒にクロウ遺跡行ってしまった。残った数名の研究員と小狼と桜はその後も調査を続けた。そしてお昼になり小狼と桜は研究所の庭でお昼を食べることになった。

「小狼君その卵ちょうだい」

「ああ。俺もそのコロッケくれ」

「うん。いいよ」

2人は楽しそうにお昼を食べていた。

「そういえば、今日ね不思議な夢を見たの」

「どんな夢だ?」

「なんか真っ暗いところでね、小狼君と誰かが戦ってたの。その誰かって言うのは分からないんだけど知っている気がするの。それでね、真ん中で誰かが見ているの。でねその子は私の幼馴染みなの。これって予知夢かなにかなのかな・・・・」

「幼馴染みがいるのか?」

「うん。いい子だよ。刀隠神社の方に住んでいて・・・」

「刀隠神社!?」

「えっ小狼君知ってるの・・・?」

小狼はまた深刻な顔をした。

小狼は暗くなった。頭の中でいろいろな記憶が流れている。

「ねぇ・・・・どうしたの?小狼君」

「1つ聞いてもいいか・・・・その幼馴染みの名前ってもしかして大道寺知世か?」

「知世ちゃんを知ってるの?」

「ああ・・・・俺の昔の恋人だ・・・」

「昔・・・・?」

「3年前に死んだ・・・」

「えっ・・・」

桜はショックを隠しきれなかった。

「知世ちゃん・・・」

「すまない・・・・知世が死んだのは俺せいなんだ・・・殴ってくれたっていい」

桜は首を横に振った。

「できない・・・・。そんなことはできないよ・・・・そんなことやったって知世ちゃん悲しむだけだもん」

桜は無理に笑顔を作った。

小狼は桜の肩に手を乗せ、体が小狼にあたり少し斜めになった。

「無理に笑うな・・・・気持ちは分かったから・・・・泣いてもいいから・・・」

桜は涙が溢れた。

「ぐすっ・・・ぐすっ・・・知世ちゃん・・・」

小狼は泣きそうな顔だが泣けなかった。

その頃『クロウ遺跡』の扉の前には黒いマントを着た男が立っていた。

「姉さん・・・・器ができました。ですからあとはこの門を開けて『あれ』を手に入れれば・・・」

すると声が聞こえた。黒マントの男は洞窟の上に隠れた。声の主は千歳教授と研究員だった。

「よかったわ。李君がこの門を開けてくれるから・・・。」

「そうですね」

黒マントの男はそれを聞いてくすっと笑った。

「あの人か・・・・。ちょうどいい。門を開けてもらうと同時に姉さんの仇をうつ」

小狼と桜は研究が順調に進み10日後には門を開ける予定だと千歳から言われた今日この頃。桜は衝撃すぎることを聞いたにもかかわらずいつもどおりの笑顔でいた。

「ねぇ・・・小狼君・・・明日、小狼君の家に行ってもいい?」

「えっ・・・どうして」

「いろいろと話して欲しいの・・・知世ちゃんのこととか・・・。」

「・・・・もう言ったほうがいいのかもしれないな。わかった。」

「あっそうだ!!住所教えてくれる?」

「住所だけで分かるのか?」

「うん。分かるよ。小狼君もそうだったじゃん」

「あっ・・・・」

小狼は記憶をたどった。傘を貸してもらい桜が急ぎで書いた住所を見て桜の家に行ったことを思い出したのだ。

「そうだな・・・」

「今日一緒に帰らない?」

「ああ・・・いいけど・・・」

小狼はどうも桜の言いなりっぽくなってきた。桜の笑顔を見てしまうとどうしても許してしまうのだ。

そして帰り道。2人はよく人気のない並木道を研究所に行く際に通るので帰りもここを通って帰った。

「ねぇ・・・小狼君・・・」

「何だ?」

「今も知世ちゃんのこと好きなの?」

「・・・・今は・・・・」

小狼が言いかけた瞬間サングラスをかけ、黒スーツを来た男達が突然襲ってきたのだ。

「なんだこいつら・・・?」

と小狼は手を三角にして、見てみた。

「こいつら・・・式神・・・」

小狼はかばんの中から何かを取り出した。それは小刀だった。小刀を一振りした。すると男達は紙になり破れたのだ。さくらの後ろからも式神が来たので倒そうとしたが桜の手に鏡があった。

「火をつかさどる守護精霊 ファイアリー!!」

と叫んだ。すると鏡から精霊が現れた。その精霊が火を出した。そして式神は灰となった。

「それがお前の魔法か?」

「うん。この鏡はね私の宝物なんだ・・・小狼君こそすごかったね。」

「ああ。これは式神しか切れない小刀なんだ。李家では代々これを受け継いでるんだ」

「でも・・・・さっきのはなんだったんだろう・・・」

「よっぽどの力の持ち主だな・・・」

小狼と桜は疑問を持ちそのまま帰っていった。

翌日桜は住所を頼りに小狼の家に行った。

ピンポーン

「はい」

「こんにちは。約束どおり来たよ」

「まあ入れ」

「お邪魔します」

くつを脱ぎ廊下の奥にリビングがあった。綺麗に整理をされていた。

「適当なところに座っとけ」

「うん。」

小狼はお茶を用意して2人で向かい合って座った。

しばらく沈黙のままだったがそれを破ったのは桜だった。

「ねぇ話して」

「わかった・・・」

小狼はとてもつらそうな顔をして話した・・・。

▲Page Top(T)

←Back(B)

© 2003-2006 sarasa