Fanfic

コードIF 忠節のトウカ

偽りの仲間

障子の隙間からもれる光を身体に受けながら、亮二は指を折った。

「新宿に現れた白いナイトメア、ランスロット。枢木スザクの犯人報道。ゼロと名乗る仮面の男の犯人宣言。コーネリア・リ・ブリタニアの新総督就任。あれからこれだけの事が起こりました。今後はさらに事態が大きく動くことが予想されます」

亮二は今、志藤家の客用の間にいる。そして、そこには門弟の飯田、毬尾、高津の三人もいた。「坂田さん」と飯田が口を開く。

「今後は、どう動かれるおつもりですか」

「具体的な計画は未定です。臨機応変に動くつもりですが、とりあえずゼロ、コーネリアの両名にコンタクトを取っていきます。コーネリアの方は問題ないでしょう。ブリタニアは以前から天津と契約していましたし。ゼロの方は・・・」

坂田は言葉を止め、視線で暗に答えを求めた。

「志藤流としてはゼロを利用しようと考えています。あの宣言を腹立たしく思う者もいますが、何よりも優先すべきは命令を遂行すること。ゼロには我々の隠れみのになってもらうのが有益と判断しました」

「なるほど。いや、飯田さん。賢明な選択ですよ」

その時、奥からうめき声が聞こえてきた。獣のようだが、人の意思がはっきりと感じられる。

「刀治郎先生、最近おかげんはどうなんですか?」

「安定はしていますが・・・」

毬尾は立ちあがり、声のした奥へと消えていった。

「鈴ちゃーん。これもやっといて」

「わかりました。ミレイ会長」

鈴火はミレイの持つ書類を手にすると、内容を確認した。

「もう、会長ったら。そうやってなんでも鈴火に任せるんだから」

シャーリーは口を尖らせたが、鈴火は笑って返した。

「いいんですよ。役に立てるというのは、光栄なことです」

鈴火に目線を向けていたニーナは再び、パソコンに向き直った。

「二人とも真面目で助かるわ。最近、顔を見せないのもいるし」

「それは俺のことですか、会長」

ルルーシュが生徒会室に入ってきた。後ろにはリヴァルもいる。

「なになに、なんの話?」

「刀花も鈴火も真面目で素晴らしい、って話よ。それより、この書類やっといて」

リヴァルはミレイに手渡された書類を見て、ちぇ、と不服そうにぼやいた。カレンは太陽の光を背に、そんな様子を見て微笑んでいた。

隣の椅子にルルーシュが座ったとき、刀花は「ねえ」と話しかけた。

「ちょっと用事があるんだけど、屋上まで一緒に来てもらえない?」

「なんだ刀花、デートのお誘いか?」

ルルーシュの言葉に、ミレイとリヴァルははやしたて、カレンは作業の手を止め、鈴火は「え!」と声を上げ、ニーナは小さく口を開き、シャーリーは「ちょっとちょっと」と慌てたように目を見開いた。

「先に行ってる」

刀花はそれらの反応を意に介さないように部屋から出た。

ルルーシュが屋上の扉を開くと、刀花はフェンスにもたれて立っていた。その姿は、まるで背後を取られまいとするかのようだ。

「いったいなんのようだ。まさか、本当にデートのお誘いか?」

「聞きたいことがある」

質問を無視し、刀花は胸ポケットから一枚の写真を取り出した。

「この方を知っているか?」

写真には男が写っている。ルルーシュは、はっきりと覚えていた。あの時、クロヴィスを殺した男だ。

「さ、さあ。誰なんだ。この人・・」

はっきりと動揺が出てしまった。なぜ刀花がこの男を知っている、仲間か。ギアスを使う、それはほぼ反射だった。だが、

「ぐっ!」

それより早くに刀花の右手がルルーシュの顔面を鷲づかみにした。同時に左目が異物感に襲われた。刀花の指が押し込まれている。

「答えろ、ルルーシュ。お前は何者だ。どうやってあの場に入り込んだ。真実を話せ。さもなくばこのまま左目を抉り出す」

背筋が凍りついた。刀花に興奮した様子はない。多分、彼女にとってコーヒーをいれるのと、同じ程度の動作なのだろう。

ルルーシュは歯をかんだ。それしか道はなさそうだ。

一時間後、刀花とルルーシュは再び屋上に戻ってきた。

「ギアス・・・。それが貴方の手に入れた力なのね」

ルルーシュが新宿で得たという能力。最初は信じられなかったが、いくつか実験をしてみて、それが真実であると認めざるえなくなった。

「俺のことを話したんだ。お前のことも聞かせてもらおうか」

ルルーシュの言葉には強気さが戻っている。ギアスを使う様に圧倒され、すっかり立場が逆転されてしまった。刀花は、ひとつ間を置いてから話し始めた。

「私は、志藤流の門弟。志藤刀花よ」

「志藤流?それがお前の組織の名前か」

そうだ、と刀花は首を縦にふった。

「目的は・・・、やはり日本の解放か?」

刀花は、今度は首を横に振った。

「日本なんてどうでもいい。ただ、先生の命令を遂行するだけだ」

〜第2景・完〜

▲Page Top(T)

←Back(B)

© 2003-2007 sarasa