Fanfic

壊れゆく未来

始まりと終わりの時

夜、時刻は真夜中の12時頃だった。

ある一軒家でランプの光が部屋を照らしていた。

窓からは4つの影が見えた。それぞれの一族の者と青年がいた。

その部屋でどうやら深刻な話をしているようだ。

「では、とうとうこの時が来てしまったのですね」

一人の青年が聞いた。

「ああ。どうやらそのようだ。」

とその青年と同じ一族の者が答えた。

「で、俺達を呼んだのはなぜだ?」

もう一人の青年が聞き返した。

「この任務はおまえ達ではならないからだ。」

ともう一人の青年の一族の者が答えた。

「では、明日には出発しなければならないのですね?」

一人の青年はそう聞き返した。

「ああ。もう行く手だてはできている。」

そう一族の者は答えた。

「じゃ俺達はもう寝る。どうせ明日は早いんだろ?任務の内容は大体わかっている。」

そう言い残し、二人の青年はその部屋から出ていった。

二人が出ていった後、二人の一族の者はつぶやいた。

「これからが大変なことになりそうだな...」

そう言い一族の者二人も部屋を出ていった。

日本・壱原侑子宅

「どうやら、はじまってしまったようね。」

侑子は一人ぽつりと言葉を落とした。

「多くの人が気づいてるんでしょうけど。色々と面倒なことになる前に気づかないと。でも結局私にはほとんど何もできないわね。大変だけれど。信じましょう、未来をー・・・」

ある日曜日のことだった。

季節はもう春だ。

この日は珍しく暖かい一日だった。

桜の花が満開のこの日、木之本家ではさくらが春休みの宿題を終わらせようと、必死になって一日中やっていた。どうやら明日から新学期のようだ。

「はう〜やっと日記が終わったよ〜」

とさくらは疲れた様子で言った。

「はよやっとけばこんな苦労せんでも良かったんやで〜」

とケロはあきれた調子で言った。どうやらケロも手伝わされているらしい。

「宿題が多すぎるんだよ〜」

「その割にほとんど遊んどったのはさくらやろ!!」

「うっ...!」

はっきりといわれ言い返せないようだ。

「だって〜」

「だっても何もないで。悪いのはさくらなんやから。で、あとどんくらい宿題残っとるんや?」

「えっと、たしか数学と英語」

とさくらは問題集とノートを出した。

開くと結構やってはあるがやっていないページがいくら何でも多すぎだ。

「なんでまだやっとらんのや〜?!」

「大丈夫!!大体できてるから!!」

と言った。

「でも、まだまだたくさんあるで。今日中に終わるんか?」

とケロが聞いた。

「大丈夫!だと思う...」

ケロはガクッとした。どうやら徹夜決定のようだ。

そしてその夜はケロも寝ずに手伝わされるはめになったのだった。

朝、木之本家では、昨日さくらは宿題が終わらず、夜遅くまでやっていたせいか、新学期早々慌ただしい朝を迎えていた。

「ほえぇぇ〜!遅刻だよ〜!!」

とばたばたと起きだし学校へと向かった。

学校に着き教室に行く途中だった。

ドンッ

と誰かにぶつかったようだ。

「いった〜」

「ごめんなさい。大丈夫ですか?」

見ると知らない女の子だった。

「大丈夫よ。あなたの方こそ大丈夫?」

「はい大丈夫です。すみません、よく見ていなかったので。」

とさくらは答えた。

「あなた...あっこんなことしてる場合じゃなかった!じゃあ。」

と女の子は走っていった。

キーンコーンカーンコーン...

とチャイムが鳴り出した。

「あっ!遅刻ー!!」

とさくらも慌てて走り出した。

教室に着くとクラスの人はもう全員来ていた。

「おはよー!」

とさくらが言った。

「おはよー」

と千春と利佳と奈緒子がさくらに挨拶した。

「おはようございます。」

と知世が挨拶した。

「おはよう、知世ちゃん」

とさくらも知世に挨拶した。

「あっ小狼君もおはよう。」

「おはよう」

と小狼も挨拶した。

ガラッ

とドアが開き担任の先生が入ってきた。

「朝のホームルームはじめるぞ。」

と言うとみんな一斉に自分の席に戻った。

「全員出席だな。さて今日は転校生がこのクラスに来た。さ、入って。」

と先生は廊下の方に声をかけた。

ガラッ

とドアが開き、女の子が入ってきた。

髪の色は美しい青だった。

「あっ、あの子さっきぶつかった時の...」

見るとさくらが教室に来る前に廊下でぶつかった子だった。

「嘉見那フェリア、イギリスからの転校生だ。じゃ、自己紹介を」

「はじめまして、嘉見那フェリアです。長い間イギリスに住んでいましたが、日本語も喋れます。よろしく。」

と笑顔で言った。

「じゃ、嘉見那の席は木之本の後ろだ。」

と先生はさくらの後ろの席を指さした。

「わかりました。」

とフェリアは答えた。

「それじゃ、朝のホームルームはここまで」

と先生は教室に出ていった。

「あなたはさっきぶつかった子。同じクラスだったのね。よろしく」

「はい、さっきはすみません。私、木之本桜です。よろしく」

とさくらは答えた。

「さくらね。あっそちらの方達もよろしく。」

とフェリアは笑顔で知世と小狼にも言った。

「大道寺知世ですわ。よろしくお願いいたします」

「李小狼です。よろしく」

と二人も挨拶した。

「知世と小狼ね。よろしく」

とフェリアも笑顔で答えた。

フェリアがクラスに溶け込むのはあっという間だった。

綺麗で頭も良く運動神経も抜群なのでクラスからも注目されていた。

とそんなこんなの一日も終わり、放課後になった。

小狼が帰る支度をしているとさくらと知世が小狼に声をかけた。

「小狼君、一緒に帰ろ!」

とさくらが言った。

そこへフェリアが帰りの支度し終わり帰ろうしていた。

「よろしければ、フェリアさんもご一緒しませんか?」

と知世が声をかけた。

「ありがと、でも今日は早めに帰らないと。また今度ご一緒していいですか?」

「ええ。ぜひ」

「それじゃ、また明日」

とフェリアは教室から出ていった。

「うん、また明日ね!」

とさくらは言った。

フェリアは少し向き返った。

「あの子が、木之本桜かー。これから楽しみね。さて、あの方にもはやく知らせないと。」

と不敵な笑みを浮かべ走り去っていった。

さて、少し時間をさかのぼり、昼の1時頃。

あの青年達の向かった場所はもう一人の青年の本家だった。

本家があるところは日本、もう到着したようだ。

そして本家の家の前まで来ていた。

「お〜相変わらずこの家は大きいね〜」

ともう一人の青年は感心していた。

「おまえの家も十分でけぇだろうが。」

ともう一人の青年は答えた。

彼らの名は稀世羅黒鋼とファイ・D・フローライトだ。

黒鋼の一族は日本一流の忍として代々受け継がれて来た。

そして黒鋼も幼い頃から厳しい修行を積んできた。

ファイの一族は魔術師(ウィザード)として代々受け継がれて来た。

そしてファイも幼い頃からそれなりの魔力を持っていた。

「ねぇ〜黒るん。たしかここで今回の任務の本当の理由(わけ)が聞けるんだよね。」

とファイが黒鋼に聞いた。

「ああ。そう言ってたな。」

と黒鋼が答えた。

「まぁ、いいや。とりあえず、チャイム押して中にいれてもらお〜」

ピンポーン

とファイはチャイムを鳴らした。

「はい、どちら様でしょうか?」

「あの〜フローライト家のファイです。であと...」

「黒鋼だ。」

「はい。お話は聞いております。お入りください。」

と言った。

黒鋼とファイは門を開け玄関に入ると、すでに使いの蘇摩が待っていた。

「お久しぶりです。黒鋼。」

と蘇摩が挨拶をした。

「ああ。久しぶり蘇摩。」

と黒鋼は答えた。

「あっそちらの方もようこそ。稀世羅家へ」

とファイに言った。

「はじめまして〜フローライト家のファイです。え〜っと...」

「蘇摩です。はじめまして、ファイさん。この屋敷で守護・忍として住んでいます。」

と蘇摩が挨拶した。

「おい、それより早く今回の任務の本当の理由(わけ)を話せ。」

「もう黒みゅうはせっかちなんだからぁ〜」

とファイがからかった。

「その呼び方やめろ!!」

と黒鋼が怒鳴った。

その様子をくすくすと蘇摩は笑って見ていた。

「今、部屋に案内します。そこで阿修羅王が話してくださいますよ。」

と蘇摩が言った。

「龍王」

と蘇摩が側にいた、青年に声をかけた。

「おう。分かった」

と龍王は答えた。

「久しぶりだな、龍王。少しは剣の腕は上がったか?」

と黒鋼が龍王に言った。

「おう。もちろんだ。あとで相手しくれよな!!」

と龍王も答えた。

「そっちの奴ははじめてだな。俺は龍王。この屋敷の剣士。よろしくな。」

と龍王はファイに挨拶をした。

「フローライト家のファイです。よろしく〜、龍王。」

とファイも挨拶をした。

「ファイだな。よろしくな」

と龍王が言った。

「じゃ、阿修羅王のとこに案内するぜ。」

と龍王はこの屋敷で一番広いと言ってもいいぐらいの部屋の前で止まった。

「この部屋の中に阿修羅王がいる。俺はこれで任務に戻る。じゃあな」

と任務に戻っていった。

「黒鋼、フローライト家のファイ。話は聞いてるぞ。さっ入れ。」

と部屋の中から阿修羅の声がした。

黒鋼とファイは部屋に入ると、そこで阿修羅が待っていた。

「とりあえず座れ。二人とも疲れただろう」

と阿修羅が二人に言った。

「久しぶりだな、黒鋼、フローライト家のファイ」

「阿修羅王、久しぶりだな。」

阿修羅はこの一族の中で一番偉い存在だ。そして王に近い存在。

なので皆、阿修羅王と呼ぶのだった。

「お久しぶりです〜、阿修羅王」

と黒鋼とファイがそれぞれ挨拶した。

「おい、早速だが今回の任務の本当の理由(わけ)を話せ。」

と黒鋼が言った。

「相変わらず、せっかちなのだな。黒鋼は」

と阿修羅は言った。

「では、理由(わけ)を話そう。」

と阿修羅は話し始めた。

話を聞き終えた黒鋼とファイは驚いた。

「では、今回の任務は前々から予測されていた事だと?」

とファイが聞いた。

「ああ。はじめはこんな事になるとは思っていなかったのだが、最近あやつらが動き出してな。で今回おまえ達にこの任務を任せることにしたのだ。」

と阿修羅は答えた。

「だが、なんで俺達なんだ?」

と黒鋼が聞いた。

確かにそうだ。なにも黒鋼やファイでなくてもいいはずだ。

それに少なくとも他にもこの任務をこなせる奴はいるはず、なのになぜ...

「おまえ達が一番戦闘力があり、魔力(ちから)も強い。まだあるが今はまだ教えるべき時ではない。今のところそういう理由(わけ)だ。」

と阿修羅は答えた。

「それから、これから起こることはけして安易なことではない。むしろ困難だろう。それにこれ以上あちらの思いのままにさせておくわけにもいかないのだ。それから、任務は明日の夜からだ。忙しくなるが頼むぞ。」

と阿修羅は言った。

「分かりました。では、俺達は失礼しますね〜」

とファイは言い、二人は出ていった。

部屋は静かになり、阿修羅は一人ぽつりと言葉を落とした。

「これはあの二人にとってもつらい戦いになるようだな。だが仕方ないな。私にはどうすることもできないからな。」

と阿修羅も部屋から出ていった。

そしてこの戦いの幕が開けられることはそう遠くないだろう。

〜第二章・完〜

…第三章につづく

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