ファントム・キングダムネタ─名前をつけて妄想しました

デストロイヤー(戦士系)となり、現在敵を粉砕しまくって
レベルトップを独走中なダイはしょんぼりしていた。
「ダイさま…どうされました?」
ダイの忠実な配下でゲームでもしっかり登場中なラーハルト(ヴァンパイア系)は槍をもったまま訊ねる。
「うん…ポップが転生しちゃったんだ…」
「それは…戦力アップで良いことなのでは?」
言葉を選びながら問うラーハルトに、ダイはことさら多きな溜息をこぼす。
「そうなんだけど…ポップ、衛生兵になっちゃったんだ。女魔法使いがすごく似合って──」
ダイの言葉は途中でとぎれる。パーン、という銃声の響きでもって。
「てめー、それ以上ぬかしやがったら、マジに撃ち殺すぞ!」
背後にはライフル装備なポップがたっている。
頭部からどくどくと血をながしながらも、ダイは起きあがる。
さすがデストロイヤー。HPと防御指数は無駄に高い。
「撃ってから言わないでよ!しかも、それ対戦車ライフルじゃないかっ!」
「生きてるんだから文句をゆーな。あんまり文句ばっかゆーと治療してやんねーからな」
「う…ごめんなさい…」
「わかればよろしい」
小さくなるダイにくらべて、ポップの態度は限りなくでかい。
生暖かく二人を見守るラーハルトの背後から、剣豪なヒュンケルが呟いていた。
「──相変わらず、尻にしかれているな」
「だが対戦車ライフルは、やりすぎじゃないか?」
苦々しくこぼすラーハルトに、ヒュンケルは告げる。
「では注射器でも装備させるか?」
「それはそれで…ダイさまが大喜びしそうな気がする…」
まずまちがいなくお医者さんごっこに突入するだろう主の姿が、ラーハルトには見えるようだった。