老師の話

目が覚めたら、千年たっていたと聞かされてしまった。ワシももう年じゃと思っていたが、まさか千年+αも生きることになるとは、思ってもいなかった。
大魔王との戦いの最中、瞳という物体に封じられてしまった。戦うに値しないと認定されたのは、悔しいことだった。
そのときは無事だったアバンやラーハルト、ヒムちゃんも戦いの最中力尽き、次々に封じられていった。
最後に残ったのは、ダイくんとポップくんの二人だけだった。
二人は死力を尽くして戦ったが……まさか大魔王があんな手段を地上にしかけていたとは。ピラァ・オブ・バーン。ワシらの力はおよばず、地上は破壊されてしまった。その絶望のまま意識は遠くなった。
死んだと思っていたのだが、生きておった。
目が覚めた場所は岩山のてっぺんで、周りには最後の戦いに赴いた仲間たちが呆然として顔であった。…瞳に封じられていなかった、二人を除いて。
どうやらワシらを解放したのは、目の前にいる二人の魔族の娘たちのようだった。サーラとダーナと名乗った彼女たちの外見的特徴は、大魔王バーンと共通していた。二つの角と額の第三の目と。同族なのかもしれないが、何のためにワシらを解放したのか、目的はわからなかった。
この世界は、人間界と魔界が破壊された後の世界だと言い残して、彼女たちは去ってしまった。
さて残されたワシらは、何をするべきなのやら。