【 業務内容 】
当社は、個人住宅から大型ビルまであらゆる建築物の構造設計を行う構造専業事務所です。
具体的には、概ね以下の業務を行っています。
■ 構造部門のない設計事務所の構造設計を行います。また、総合設計事務所やゼネコンの設計部の設計支援として構造実施設計を行っています。
建物用途は庁舎、病院、学校、工場、店舗、集合住宅、個人住宅等多岐にわたり、構造種別は、RC造やS造にくわえて、木造にも取り組んでいます。
規模にかかわらず『いい建築』をつくるための構造設計を目指して業務にあたり、建物ごとに設計者が追求するテーマを尊重しています。
■ 文化財または文化財に準ずる建物の構造解析を行っています。先人たちの智恵に学び、その建物の保持する構造性能の正確な把握を追求しています。
【 基本姿勢 】
■ 建築主が横暴であろうと、意匠設計者の態度が悪かろうと、果ては構造設計料が安かろうと、建物に罪はなく、一旦建設されると建物は長い期間社会に顔を出しています。構造屋の一時的な感情など微々たるものでしょう。
私たちは17年間、悪条件にもひるまず、技術の出し惜しみせず手抜きせず、ひたすら設計技術の向上に励みました。その結果、私たちなりに手応えを感じていますが、社会で下される評価は素直に受け入れたいと考えています。
■ ただし、構造設計料に関して悪条件に甘んじるばかりでは、構造設計技術の健全な発展を妨げると反省し、言うべきことを言うように努めています。
構造設計は建築設計のほんの一部ですが、その設計対象は、万一不具合が生じた時には取り返しがつかない事態につながることや、建設当初の施工は簡単でも、後の補修や追加は困難を極めることが多々あります。縁あってこの仕事に永く携わり、経済効率だけでは評価できない建築の質について考えることが多くなり、構造設計はとても大切で責任の重い仕事だとあらためて思います。
若い人達が誇りと希望を持って構造設計という職能を受け継いでくれることを願い、安心して仕事ができる環境づくりの努力をすべきと思うに到りました。
■ 文化財建造物の保存にあたる技術者の人達との会話で、「それでは補強にステンレスを使いましょうか」と言えば、必ずと言っていいほど「ステンレスは100年もちますか」と問い返されました。建築は本来100年もって当たり前のモノだと教えられて、建築に対する見方が啓け、新たな責任感を覚えるとともに、設計が楽しくなりました。
■ 構造の性能は、眼に見えず、時間が経ってはじめて分かることが多いのですが、建築主や社会に求められる真のモノおよび技術を提供できる集団でありたいと思っています。
【 木構造への取組み 】
■ 現在木造建築の設計は、構造設計の質に大きなバラツキがあります。特に法規で構造計算を要求されていない範囲では、質のバラツキが大きい傾向にあることは否定できません。構造計算を行えば必ずよい構造設計が出来るとは限りませんが、構造計算が免除されたからと言って、構造設計を免除された訳ではありません。地業や基礎の設計をはじめ、高度の専門的知識を必要とする場合が多々あります。
■ 一方、未熟な構造設計者の構造計算された構造設計よりも、経験豊かな設計者の構造設計の方が的を射たものであることも珍しいことではなく、また、木構造の分野では的確な構造設計を提供できる構造設計者が少ないことも事実です。木造はわが国の建設件数で最も多く最も身近な構造ですが、所謂構造技術者の多くは木造を避けているかも知れません。
■ 寺社に見られる伝統的な建築様式は、わが国古来の美と健全な精神文化をわれわれや次代の人達に語りかけています。また、日々の暮らしの器である住宅にも、長い歴史のなかで洗練された意匠があり、歴史に鍛えられた生産システムがあり、風土に根ざした建築スタイルがあります。視覚的なものだけではありません。私たちが安心して住めるものであり、健全な住文化を伝えるものでもなければならないと思います。
■ 建築基準法の木構造に関する規定は、所謂伝統工法の木造建築を想定して定められているとは考えられません。また、以前より選択肢が増えたとは言え、木構造のあるべき姿を追求する際に自由を阻害する要素もあると思われます。
私たちは、木構造のより合理的かつ包括的な解析技術が必要と感じて、僅かずつではありますが、日々小さな歩みを進めています。