(1)クラブの創設
 
 体操クラブをつくりたいなと思っていても長い間出来なかった一番の原因は市内に体操の練習が出来る適当な場所がなかった事です。いわき市に体操器具の備わった市立総合体育館が竣工したのは昭和五十八年です。待望の体育館が建ち一般市民が体操に親しめる場所を確保出来るようになりました。
 市体操協会は早速小・中学生対象の短期体操教室を3回開講しました。すると募集定員を遙かに越える参加申込みがありました。体操の出来る場・機会を待ち望んでいたこども達が多くいたことを嬉しく思いつつ指導を行いました。
 教室を終わる時になり、こどもと親に「もっと体操を続けたくないかい?」と尋ねたところ大多数が「続けたい!」との返事でした。体操の出来る場と機会を渇望していたこども達は多くいました。体操に興味関心を持ちながらやれる場所がない為、続けていけないこども達に活動の場を設けなければならないと強く感じました。
 十七年間胸の奥に閉じこめてきた「体操クラブをつくりたい」の決意を実行に移す絶好の機会がやってきました。昭和五十九年七月毎週1回土曜日の3時から5時まで市立体育館で練習を行うことにして「いわきラビット体操クラブ」を創設しました。
 全く小規模な体操クラブの始まりでしたが高校勤務の傍らに行うクラブの運営と指導には次々と難題が待ち受けていました。