マイクロフォンのお話?

MICROPHONE マイクロフォン。学術用語的には、マイクロホンと表記するのが正しいそうだが、カタカナ表記を苦手とするKEWとしては、以下『マイク』のみで代用させて頂くこととする。m(__)m
(他のページで、英語のままになっている部分があるが、要するにカタカナ英語表現に自信がないのだ。)

最新型のマイクについて知識が乏しく、主に、古典的な話ばかりになると思われるが、根本的な部分(動作原理等)にも踏み込んでみるつもりなので、ヒョッとすると、最新型マイク選びの参考になるカモ

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はじめに ボーカルマイクとは? SHURE SM 58 AKG C414
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近接効果

カラオケでマイクを握った事のある方なら、口元に近づけた際低音ブっと増した経験があるだろう。
上の見辛い図は、マイクとの距離によって、どれぐらい低域が増強されるかを表している。 この現象を近接効果と呼ぶのだが、近接効果には中高音域減衰という現象も発生する。(−2〜4dB と低域に比べて少量。)

詳しい事は後述するとして、の周波数特性図の『不思議なカーブ』が気になる方も多いだろう。
『変なカーブ特性のマイクじゃなくて、F特フラットの方が、ベターじゃない』等の声も聞こえてきそうだが、
オンマイク(クローズドマイク)用途限定では、これで良いのである。』と言う話から始めてみる。

日本のオーディオマニアは、SR(PA)の存在を忌嫌う方が少なくない。(クラシックファンに多いようだ。)
確かに、の優れたコンサートホールに於いて、聴衆が『演奏会』自体を楽しみに来た方だけの空間では、全ての拡声装置は不必要かもしれない。しかし、場所がイベント会場等になると状況は一変する。

(会場)自体に怪しげな定在波平行した壁面が反射性の素材だと、その距離を半波長とする周波数及び、その倍音が異様に長く響く状態。鳴き龍は典型的事例。)があったり、やたら吸音状態で『響きも、余韻も一切ない。』等、劣悪な環境で演奏する事もある。 そんな状態で、しかも大きな会場の場合、SR(PA)なしでは、スピーチも演奏も成り立たない。
もちろん、GEQの調整で定在波が無くなるワケもなく、デジタルリバーブでの残響はあくまでもシミュレーションに過ぎず、ましてや『まともに鳴っていない楽器』を生き生きと拡声するといった魔法はできない。 6、700人がひしめくパーティー会場の隅っこでの『弦楽四重奏』の演奏に、オフマイク(オープンマイク)気味に拾っても、最初は良いのだが、が進むに連れ増大されていくガヤ音に掻き消され、最早『バイオリンを拾っているのか?ガヤ音を拾っているのか?』判らなくなる。などと、途中から愚痴に走ってしまったので本題に入ろう。

オーディオマニアも目を通す『無線と実験』誌に、以前『意外性オーディオ』なる連載があった。副題が、
特性フラットなマイクはなぜボーカルに使えないか?』となっている『意外性オーディオ No.5(MJ 1995/9)No.6(NJ 1995/10)太田一穂著』に、マイクの近接効果についての記述がある。
9月号222ページの今永敬嗣氏の解説から抜粋してみる。

『指向性のない(無指向性)マイクは、振動板の前面のみに音圧が加わるよう背面は密閉された構造に・・・。指向性マイクでは背面は開放され、振動板の両面に音圧が加わるようになっており、これはちょうど無指向性マイクを2個前後に並べてその出力を引き算したのと同じことに・・・。 後ろのマイクの出力には移相回路が挿入され・・・位相の遅れ具合と2個のマイクの感度差によって、・・・さまざまの指向性に調整されます(指向性マイクの場合は、振動版の背面に加わる音の量で調整する)。』
『音源がマイクから離れている場合(平面波音場)、2個のマイクに加わる音圧の大きさは同じになり、位相差だけが生じます。この位相差は波長の長い低域では小さく・・・マイク間隔と移相回路による位相差が半波長となる周波数で最大・・・通常 3〜6kHz となります。』
『指向性マイクでは、・・・、平面波音場では特性が比較的平らになるように調整して・・・。
しかし、マイクが口元に近づくと(球面波音場)前後のマイクの間に音圧差が生じ、極端に近い場合には無指向性マイクが一つと同じになるため、・・・近づけば近づくほど、特性の調整分だけ低域が上がり、中高域がやや下がることになります。』

少々難しい内容だが、近接効果の発生原理について書かれている。
前半では、近接効果が指向性マイクのみに起きる現象なので、その構造と仕組みを述べている。
中段の記述は、指向性マイクでは(補正をしない場合)、オフマイク状態では、位相差の小さい低域が(2個のマイクの出力を引き算後は)減衰し、位相差が最大になる 3〜6kHz に ピークが生じる事を示している。
後段の記述から、オフマイク状態でフラットな特性の指向性マイクは、フラットにする為の調整(補正)が行われているワケで、その調整分だけ近接効果はより顕著に現れる事になる。その為、レコーディングで多用されるフラットな特性のコンデンサーマイクでは、電気的に低域を減衰させる HPF を、スイッチングできるようになっている。SWITCH

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*SHURE SM58

SM58
F特

SR(PA)の現場では指向性マイクが多用されるが、その理由の一つがハウリング和製英語。マイク→SRシステム→スピーカー→マイク→SRシステム→スピーカー→マイク・・・・というループができること。フィードバック現象。キーン、ピーピー、ギャーギャー、ボー、フワーン等その周波数は時と場合により、複数同時に発生する場合も多い。 選挙カーでは、特性の悪いシステムが多い為、頻繁に発生する。対策である。指向性でカブリを抑え、欲しい音だけを集音するのが目的だが、オンマイク集音でもその効果があり併用される。

SHURE SM 58 (通称:ゴッパ)は、永らくボーカルマイクのスタンダードとして君臨する、近接効果を見込んだ設計の単一指向性(カーディオイド)ダイナミックマイクで、以後のボーカルマイクに大きな影響を与えている。
オフマイクでは、図の周波数特性だが、近接効果をうまく使うことによりフラットな特性に近づけることができる。
方向(0°)が、一番感度が高く、↑(90°)では、ダイアフラム(振動板)表面、背面の音圧差が無くなる為、近接効果は生じない。しかも、8dB 近く感度は落ちる。つまり、角度でも距離と同じ効果があることになる。

プロのボーカルは、マイクの距離角度を微調整し、まるで楽器の様にボーカルマイクを使いこなしている。
しかし、声量のないアマチュアは決してマネをしてはならない。本人は陶酔状態だが、只のフェードイン、フェードアウトになっている事例を良く見かける。先ずは、モーニング娘の新加入メンバー教育現場での『マイクを立てる。』(前述の0°)、『口元からマイクを離さない。』辺りを、忠実に守る方がだと思われる。
また、ウインドスクリーン下部(写真のメッシュ部分のオレンジ表示部)を手の平で塞ぐと、最早、全(無)指向性マイクになってしまい、オペレーターとしてはハウリングしないように、フェーダーを下げるしかない。
別に、5木ひろし氏の様にマイクの端っこ(有線マイク使用時では、殆んどキャノンプラグ マイクコード付属の接続コネクター部。を握っている状態。)を持つ必要はないが、ロック系のボーカルでも親指はウインドスクリーンに被せながら、オレンジ部分には必ず隙間を作っている事を知って欲しい。

ダイナミックマイク はダイアフラムに固定されたコイルが、磁場中で振動して発電される電圧を利用するもので、構造が一般的なスピーカーと似ている。事実、トランシーバーやインターホンでは、スピーカーでマイクを兼用することが多い。 同じく電磁誘導を利用するものに、リボンマイク がある。磁場中で振動するリボン状導体に誘起する電圧を利用し、非常にデリケートな構造だが、Beyerdynamic M160 等は、ボーカルマイク使用もOK
コンデンサーマイク はダイヤフラム(振動板と言うより振動膜。蒸着などにより金属を貼り付けたプラスチックフィルム、または金属薄膜。)と、狭い間隔で向いあった固定電極の間の静電容量の変化を利用するもので、ダイヤフラム自体を軽量化できるメリットがある。 (一部、オーディオDCアンプシステム[上巻] 金田明彦著 207ページより引用。)

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*AKG C414

The diaphragm is made of a plastic foil that is gold-sputtered on one side only to 近頃の"AKG C414"各スイッチがLED表示。
prevent shorting to the back electrode even at extremely high sound pressure levels.
こちらは、AKG通称:アカゲC414シリーズ。プラスティックフィルム製のダイアフラムが、
片面だけ金蒸着され、(爆音環境時の)固定電極とのショート事故を防止しているようだ。
A dual-diaphragm transducer allows you to select one of several polar patterns.
おそらく、2つの全(無)指向性マイクが背中合わせに装着され、それらを電気的にミックスして、
所定の指向性を得ると思われ、マイクAのみで全指向性、マイクA−マイクBで(両)指向性
(マイクA+(マイクA−マイクB))÷2=マイクA−(マイクB÷2)で単一指向性等と勝手に解釈。

実際は、の様に単純でないだろうが、一つ?のマイクで各指向性を得られ、指向性の話では(レコーディング御用達の周波数フラット特性コンデンサーマイク代表として)、頻繁に登場してくるマイクである。

マイクロフォンで検索してみると、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 指向性の実現法に遭遇。
同じ様に、感度を  とし、軸上(ダイアフラム面に対して垂直)を0°とする角度θで表してみる。

f特 全(無)指向性 全(無)指向性
双(両)指向性 双(両)指向性
単一指向性 単一指向性

全指向性 Omnidirectional(=無指向性 Nondirectional)は、r=1。双指向性 Bidirectional(=両指向性 Twindirectional)は、r=cosθ。 単一指向性 Unidirectional(カーディオイド Cardioid 心臓を意味する。確かにハートが逆立ちした状態だ。)は、全(無)指向性と、双(両)指向性を半分づつ足した値、r=(1+cosθ)÷2 となる。
単一指向性には、カーディオイドより指向性の鋭いスーパーカーディオイド、より鋭いハイパーカーディオイドがあり、後者程、双(両)指向性成分のバランスが大きくなる。前述のMJ9月号222ページによると、

全指向性成分双指向性成分の比率が、全(無)指向性では→1.0/0
単一指向性(カーディオイド)では→0.5/0.5、スーパーカーディオイドでは→0.33/0.67
ハイパーカーディオイドでは→0.25/0.75、双(両)指向性では→0/1.0 とのこと。

周波数特性の図に、口元 5cmにおける近接効果をブルー表示しているが、同224〜225ページを参照して、手描きした物であり、あくまでもイメージである。 同じ特性のダイアフラムを使いながら、全(無)指向性では近接効果が殆ど発生せず、双(両)指向性では効果がより顕著である事に注目して欲しい。

同じダイナミックマイクでも、カーディオイドのSM 58 より、スーパーカーディオイドBeta 58 (冒頭の周波数特性図)の方が近接効果が顕著なのは、双(両)指向性成分の比率が大きい為である。 SM 58 がSR(PA)のオールマイティーなら、Beta 58 はボーカルマイク専用といった所だろうか

念の為に記述するが、周波数特性の図で、オンマイク時は当然マイク出力が大きくなり、ブルー表示は遥か上方にシフトするのだが、周波数によって変化のない部分を基準にするのが一応の『お約束』である。
なお、ショットガンマイク等と呼ばれる『超指向性マイク』では、干渉管等を利用して指向性を得ているが、そちらは、audio−technica のサイトがイメージが掴み易い。前後の、指向性に関しての解説もお奨め。

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*CK-1

AKG C451B
f 特

前述の AKG C414 や、Neumann U87 等の、スタジオ御用達(ラージダイアフラム)コンデンサーマイクは、構造上小型化は難しく、感度を上げる設計故のデリケートな扱いを要求され、しかも高額であり、お気軽にライブで使うことは難しいのが実情であった。 マイクの扱いを知らないアマチュア相手のコンサート等、以ての外だ。
もちろん、プロの現場では、これらのマイクをライブで使用する事は多い。漫才系統の定番は SONY C-38B だが、関西TV局関連では、AKG C414 シリーズ等が多用され、 JAZZのフルバンドに、Neumann U87i が、林の如く立っている現場もある。

そういった、拘りの現場以外でも定番となっていたコンデンサーマイクが、AKG C451EB Comb である。
実は、C451 というナンバーはプリアンプの事であり、各種マイクカプセルを組み合わせて使用していたのである。その中でも CK-1 というマイクカプセルを搭載したセット販売の C451EB Comb が世界中で賞賛されたのだが、 生産終了となり、多くの要望に押されて復刻したのが上の AKG C451B である。
残念ながら、一体成型になってしまったが、CK-1 を復刻する為のプロジェクト等の記述も有り、間にアッテネーター(A50/20等)を挿入できない為、内蔵のスイッチで減衰できるなど、使い勝手は継承されている。 ちなみに B というナンバーは、バスカット内臓という意味らしい。

金田式DCマイクでは、SHOEPS MK-4 カプセルもしくは、CK-1 カプセルを使用するが、MK-4 の半額以下で入手できた CK-1 が入手難となると、益々敷居が高くなりそうだ。 ただし、『弦は、これ以外では録らない。』という、拘りのエンジニアの存在もあるので、MK-4 購入は、一つの夢でもある。なお、SHOEPS も CMC-5U というプリアンプ部(+48V PHANTOM 電源対応。)が有り、そちらに MK-4 カプセルを搭載した CMC-54U が有名である。

ここまでに登場したコンデンサーマイクは、各電極(振動膜、固定電極間)に PHANTOM 電源
電荷を蓄える為、高圧の電源が必要になる。(DCバイアス)
特殊ケースを除くと、音響卓から PHANTOM 電源と呼ばれる給電方式で
供給され、右図の様に、6.8kΩを経由して、HOT&COLD+48V
加え、マイク側で受ける方式だ。音響卓がトランス入力の場合は、トランス
中点に、3.3kΩ経由で+48Vを加える場合もある。
別途高電圧(DPA(旧 B&K)では、130Vの例も!)を加え、
バッファー(プリアンプ)とは、別電源にすることもある。

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*Electret Condenser Microphone

AT857AMLa
AT857AMa/AMLa(30-20,000 Hz)

(DCバイアス)コンデンサーマイクは、電極間に予め電荷を蓄える為、高電圧の電源が必要だ。しかし、
Electret condenser microphone の場合は、高分子材料の半永久帯電現象(エレクトレット現象)を利用する為、電極間が常にチャージされた状態であり、(成極用の)専用電源は不要となる。
固定電極側が帯電状態なので、バック・エレクトレット・コンデンサーマイクと呼ぶことも多い。こちらのマイクは、価格(性能)差が激しく、ラジカセやメーカーPC付属卓上マイク等に内蔵されたものから、レコーディングスタジオでも十分通用するものまで幅広い。

の audio-technica AT857AMLa は、米国版カタログ上で『ELEMENT(Fixed-charge back plate permanently polarized condenser)』との記述があり、バック・エレクトレット・コンデンサーマイクである。
素の特性は、非常に滑らかで優れたものだが、上空数メートルの空調にフラフラと反応してしまい、ウインドスクリーンなしでは使用できない。メタルメッシュのウインドスクリーンが一番安心だが、残念ながら高域にキャラクターが付いてしまう。 しかし、息を吹きかける様に喋る人や、異様に鼻息の荒い人、必要もないのに超オンマイク状態にカブリついてくる人等の存在があるので、メタルメッシュのウインドスクリーン(AT8104a)は外せない。

AT857_Head Windscreen

コンデンサーマイクは、音圧による静電容量変化を電圧として取り出す為、高インピーダンスで受け、低インピーダンスで送り出すアンプが必要になる。 真空管によるカソードフォロワ(近年国産も含め見直されている)、FETによるソースフォロワ等だが、Electret condenser microphone の場合、成極用の電源が不要な為、バッテリー動作(低電圧)も考慮して、FETによるソースフォロワが主に使われる。 米国版カタログの『Wiring Diagram』と、の写真を見比べてみると、FETはマイクカプセル側ではなく本体側に入っているようだ。 専用パワーモジュール(AT8531)には、パワーSW連動の HPF 、出力トランス(PHANTOM 対応)との間に、もう一段バッファーが入っている。

残念ながら、既に生産終了であるが、同社 GOOSENECK シリーズは現在も健在なので、同じ(Cardioid(Unidirectional))特性のマイクカプセルのみを入手できれば、『超小型ステレオDCマイク』の製作、等の妄想も広がる。

メーカーPC付属卓上エレクトレット・コンデンサーマイク対応かどうかは知らないが、PCの MIC IN には直流電圧(DC2.6V〜6.0V)が、CHIP 及び RING と、Gnd 間に付加されている。 一応ステレオ・ミニプラグ仕様となっているが、実際はモノラル入力が主流のようだ。こちらは PHANTOM 電源と違って低電圧であり、FET(ソースフォロワ、ソース・コモン)専用の電源供給用らしい。 『プラグ・イン・パワー』方式と呼ばれているようだが、規格としては各社各様らしく、メーカーとしては『何を接続されても、取りあえず音が出る。』方式を模索しているに過ぎない。同メーカーの組み合わせ以外では、どんな特性になっているか想像すらできない。

PCで使われる『ヘッドセットマイク』は、双指向性 Bidirectional(=両指向性 Twindirectional)が結構使用されている。こちらは、口元の音声はクリアに収音し、距離の離れたガヤ音は、双指向性マイクそれぞれに逆相で集音される為、打消されてしまう事を狙ったものだ。
遥か昔、SR(PA)がメチャ貧弱であった頃、拡声(SR(PA))されていたのはボーカルのみであった。広い会場ではギター・アンプ、ベース・アンプ等限界までの爆音状態が必然となる。当然ボーカルマイクには、その爆音がカブってくる。当時のオペレーターはボーカル立ち位置近くに、同種のボーカルマイクをスタンドに立て、そのマイクのチャンネルは逆相にして『バンド関係のカブリを打ち消す』という技を使っていたらしい。

近頃はPCによるプレゼンテーションの際、LINE(Head Phone)OUT をSR(PA)に接続するケースが増えている。 昨今、ミュージシャンと呼ばれる人種は、例えアマチュアでも LINE 系の抜き差しに関しては、一応オペレーターに『御伺いを立てる』という最低限の礼儀を持ち合わせているが、PCプレゼンする本人はともかく、その準備を担当する人種のスキルが極めて低く、イキナリ、プラグを引き抜き、平気で MIC IN に接続し、果ては『ナンカ〜、デカい音して〜、アト〜、音〜出ないんだよネ〜?』等とのたまう。
その際の『爆音』については御想像にお任せするが、SR(PA)関係者は注意されたし。

Boundary

PZMPressure Zone MicrophoneAmcron PZM-30D に貼られたシールには、『これは、マイクです。触らないで下さい。』とある。 確かにマイクとは思えない形状だが、板状中央の突起部分には隙間があり、一度板に反射した音声を、突起部内下向きに設置したマイクが集音する仕組で、指向性は半球型となっている。
右の audio-technica AT871R は、バウンダリーマイク(Boundary Microphone)と呼ばれ、名前通り、PZM と同じ構造である。この型番は、半球前方指向性となっている。

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*Electronic News Gathering (System)

SHURE SM63L
f特

TV放送を媒体として毎日のように目撃するのがの SHURE SM 63L である。街頭でのインタビュー(レポート)等にはハンドマイクとして使用するが、記者会見の机上に、ニョキニョキと多数乱立する場合は簡易卓上スタンドにセットする。 謝罪会見等未経験の方は、『いったい、どのマイクに向って喋ればいいんだ?』と心配になる状況だが、こちらは拡声用ではなく報道各局お持ち込み収録専用であり、それぞれのマイクが各局のENG機材(一般的にはVTR一体型カメラ)に接続されているだけなので、別途用意された拡声用マイクに近づけば良い。

SM 63 は無指向性ダイナミックマイクである。前述の『指向性のない(無指向性)マイクは、振動板の前面のみに音圧が加わるよう背面は密閉された構造に・・・』より、振動板背面からの音圧が不要となる為グリル部分が前面しかない点が、SM 58 と外見上大きく違う所だ。
ハンドリングノイズを拾い難い構造で、また、無指向性故に近接効果が起こり難く、音源との距離さえ気をつければ『新人アナ』でも音質的には(内容はともかく)そこそこのインタビューができるようだ。混乱した現場でクリアな音声を拾うには、少しでも音源に近づける必要があるので、L 付のエキストラ・ロング・モデルが多用される。

取材用無指向性ダイナミックマイクとしては、同じく定番だった sanken MS-5C (黒色。廃品種らしい)、台風取材やシャンパンファイト/ビールかけ付祝勝会御用達の防滴・防塵型 SONY F-115 等がある。

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*Stereo Microphon

X-Y & M-S
photo by http://rttalithahinnis.wordpress.com/2013/05/09/xy-and-ms-stereo-techniques/

の写真では、スタジオ御用達(ラージダイアフラム)コンデンサーマイク二つを上下向い合わせ、各ダイアフラムは直角に配置されている。上下向い合わせたのは取り合えずワンポイントに近づける為で、こちらを題材にステレオ収録代表二例の方式を簡単に紹介してみる。

二つの方式とも各マイクのダイアフラムは 90°傾いているが、音源に対して二つのマイクセットの設置方向が各方式で異なってくる。

X-Y?方式 M-S?方式指向性

X-Y 方式では、90°傾いている二つのダイアフラムの中央から音源を狙う。音源側から見れば各マイクは、45°外れた方向を向いている事になる。
一方、M-S 方式では、Mid-mic(単一指向性(カーディオイド))の方は音源真正面に位置し、Side-mic(双指向性(=両指向性))の方は、90°あさってを向いている。

ちなみに、右図は、前述の AKG C414 の単一指向性 Unidirectional(カーディオイド Cardioid)指向性図を元に、双指向性 Bidirectional(=両指向性 Twindirectional)指向性図を 90°左回転させたものを重ね合わせている。

X-Y 方式は、各マイクの出力をそれぞれ増幅後、左右のトラックに収録すれば良い訳だが、M-S 方式では、M-S 専用機器がない場合一工夫必要になる。

YAMAHA_M7  図はデジタルミキサーのディスプレイを撮影したもの。
Mid-mic(単一指向性 Unidirectional(カーディオイド Cardioid))
は、真正面を向いているので左右両方の音声を拾っている。
その収録音を仮に『L+R』としよう。
 
Side-mic(双指向性 Bidirectional(=両指向性 Twindirectional))
は、90°あさってを向いている為、その収録音は『L−R』となる。
双指向性(=両指向性)マイクでは、反対側が逆相になる為だ。
 
とりあえず両者を合計(Mix)すると、(L+R)+(L−R)=2となる。
従って、それぞれを左側トラックに送り込む(PAN を左にする)事で、
左側トラックは完成だ。
 
で、右側の為に、Side-mic 出力を分配し別チャンネルに入力。
ミキサー側で位相反転(Phase SW ON ) し、Mid-mic と合計(Mix)。
こちらは、右側トラックに送り込む(PAN を右にする)事に。
結果(L+R)+(−L+R)=2となり、メデタシメデタシとなる。
 
なお画像で、Mid-micは単独で入力され、センター定位で出力されて
いるが、この場合(PAN センター位置)では、左右への出力が−6dB
となる為、Mid-mic 出力も分配し左右に PAN する場合がある。

なお、この項冒頭の写真ではSide-mic(双指向性 Bidirectional)の正相が右側になっている。この場合は、左トラックに送り込む(PAN を左にする)側チャンネルだけを位相反転(Phase ON ) すれば良い。

両方式の違いを音で表現できたら良いのだが、音声ファイルの持ち合わせがないので別ページに『YouTube』へのリンクを貼っておいた。 KEW/MUSIC/Stereo.html

 

の各マイクは、一本で両方式に切替ができる優れものだ。当然2つのマイクユニットが入っているのだが、その角度も 90°以上に可変できる。Neumann SM 69 の例では、同社 U87i 相当のマイクユニットが上下に2つ収まっているそうで、当然超高額となっている。
ただ、一流のコンサートホールでは、この手のマイクが当然の様に天吊されている。その設定については知る由もないが、ホールの音響特性を熟知した人間以外の設定変更はタブーと思われる。

ここまでは一般論的記述ばかりだが、あえて個人的見解を述べると『X-Y 方式は定位が安定、オフマイクに対応、大編成の音源が苦手。』、『M-S 方式は比較的至近距離でも自然なステレオ感が達成可能、センター定位に少し難が有り、極端なオフマイクでは音像が不鮮明。』と、言った所になる。

TASCAM DR-07mkii

は、近頃国内各メーカーから続々と発売されている『ステレオ・レコーダー』の一つだ。
記録媒体がテープやディスクだった頃は、マイク一体型のレコーダーなどメカ振動を拾うばかりで全く使い物にならなかったが、今や大容量メモリデバイスの普及により安価高性能なものが次々に登場している。この機種は『24bit/96kHz対応のリニアPCMレコーダー』となっており、記録スペック上は申し分ない。近頃のトレンド『マイクユニット角度可変』も採用されているが、外側に開いた状態をカタログでは何故か『A-B 方式』としている。本来この方式は、50cm〜100cm位距離をとった二つのマイクによる収録を指すもので、こちらはどちらかと言うと、ORTF(French Broadcasting Organization)方式に近いと思われる。
ま、この方が『A-B 方式』の欠点(二つのマイクに到達する時間差による打消合いから周波数特性が乱れる。)が発生しにくい為、実用的ではあるから良いかも。別メーカー(SONY)では、この状態のマイク角度を120°と明記しているが、こちらの方は不明。(ORTF は110°)

こんな優れものを一万弱で提供できるのであれば、多少お値段が上がってもマイクユニット性能をレベルアップ頂けると最高なのだが。ただ、『スタンガン』の様な形状のブツを携帯するのは少々勇気がいる。

ZOOM iQ7

近頃は、スマホのカメラ、ビデオ機能も画像に関しては専用機並に向上している。だが、内蔵マイクが動画撮影中に音源からあさってを向いてしまう為か、音声に関しては不満が残る。
こちらは iPhon 等の Lightning コネクタに接続して使用する。マイクユニットが縦横方向それぞれに 90°回転するので録音、動画撮影双方に対応する。自画撮りモードではコネクタを逆に接続すれば良い。
16bit/48kHz までのスペックだが、一万弱の価格でステレオ動画撮影できるのは有難い。

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