・完全対称モドキとは名ばかりの+5V LOGIC 用レギュレーター

プッシュプルレギュレーターの制御トランジスターに、完全対称アンプの終段のようにゲインを持たせたらどうだろう。本家も取り上げていないようなので、まるでダメかもしれない。
特性も測らず(負荷テストのみ)、薦められるのは、プル側TRと定電流基準電圧用ダイオードとの、熱結合の配置のみ。

回路図
写真

最近になって、ちょっと不安になりシミュレーションをやってみることに。
OrCAD PSpice Demo Version 10.0 (評価版) というフリーのスグレモノである。
ただ、以前のヴァージョンではネット上に優れた解説があるのだが、現ヴァージョンは少し見た目が変わり、ライブラリの所在等よく分からないままのスタートとなる。(以前の、TORAGIライブラリは、とりあえず使えた。)
まずは、付属の専用回路図エディタ「Capture」で、回路図を作成。

regulator

当然、代替TRによるCobだけ近似シミュレーションである。(B−C 間コンデンサーでつじつまあわせ。)
負荷は、以前3端子レギュレーターが10kHz方形波で盛大なオーバーシュートをしている写真を見た事があるので、50kHz方形波(50mA−200mA)電流負荷としてみる。

reg_sim

負荷の立下り当たりで少々オーバーシュートが見られ、負荷が重いと電圧が下がっている。やっぱり負荷が重いとオープンゲインが減少する影響が出ているようだ。
シミュレーションでは何でも有りなので、出力コンデンサー2.2uFをはずしてみると、

reg_sim_1

見事に発振しているようだ。
で、実際には各ICごとにパスコンを入れるので、出力コンデンサーを100uFにしてみると、

reg_sim_3

どうやら、高速負荷に対してはパスコン、全体的なレギュレーションは本機が行うといった使用法がよろしいようで。やっぱりあまりオススメできません。

紛失していた『スーパーサーキット講座 NO.30 MJ 1998/6 』が見つかった。内容は、シリーズ・レギュレーターの出力インピーダンス特性の追求である。『インピーダンス特性から電源の音に対する影響が予想されるだろう。』と記述されている。 一般的には、整流回路のリップル抑圧効果辺りに注目したものばかりだが、負荷変動に対した動作に言及されているのが、当方の勉強材料となりそうである。

KEWの例ではシミュレーションのみだったが、『スーパーサーキット講座 NO.30 』では負荷を変動させた実測値から出力インピーダンスを推定している。しかしながら、今回もシミュレーションで済ますことに。m(__)m

reg_cir_1

前回のシミュレーションを、正弦波で行ってみる。先ずは 100Hz から。

100Hz

やはり、負荷が重いと出力電圧が下がっている。周波数を徐々に上げてシミュレーションしていったが、しばらくこの状態の値が続いた。
出力インピーダンス Zo は、ZoΔVo /ΔIo=13.6mVp-p/150mAp-p=90.7mΩ そこそこ大きい値である。

100kHz

1MHz

2MHz

変化が見える部分を幾つか上げてみたが、その度にシミュするのが面倒になったので、イッキに全体像が見える方法を考えてみた。(この辺から内容がより妖しくなる。)

reg_cir_2

AC解析

仮想電圧源を使って、前述の電流負荷と同じ状態を作ったつもりの回路である。
緑のVout を見てみると、なにやら不思議なカーブを描いている。AC解析では、DC分は無視され出力電圧の変化分だけが表示されるようだ。負荷の変化が一定値なので、出力インピーダンスの周波数特性も同じカーブを描くだろう。
1.7MHz 辺りのピークが、出力コンデンサーとの並列共振であろうか?

オープンゲイン(赤)を求める為に、Vout にDC分を加算している所がかなり妖しい。1.7MHz 辺りのディップの後、急激にゲインが大きくなるのは、シミュ故の理想コンデンサー効果であろう。 まるで、レギュレーター等つながっていない様に、出力インピーダンスは下がり続け、90°の進み位相となる。現実には有り得ない値だ。

低い周波数で、Vout が180°の進み位相である所が、一般の終段がエミッタフォロワのレギュレーターと違う部分だ。オーディオ帯域ではメリットが見つからず、やっぱりあまりオススメできません。

KEW