KEW的解説

・アッテネーター(ボリューム)

ATT K_ATT A_ATT M_ATT
一般方式 金田式  例はこちら NEC A−10X NEC M−1000

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ミキサーのフェーダーでは、−10dB減衰位置(七分目)を音量の基準とするが(目盛上は 0dB)、オーディオの世界では三分目あたりが音が良いなどといわれている。
ミキサーの基準で送り出すと、出力は+4dBu(約 1.23Vrms)となり、実際には若干のマージンを取るが、そのレベル周辺で操作することは変わらない。全体の音量はパワーアンプの入力アッテネーターで減衰させて決定する。ということは、
オーディオのボリュームというものは、フェーダーではなくて必要以上のゲインを持ったパワーアンプのアッテネーターに近いことになる。大きな違いは、SR,レコーディングのモニター共一度レベルを決めると、まず動かさないのに対して、家庭のオーディオでは昼間と深夜では全然違うポイントで使うことにある。

上図、中央二つのシャント型が音の為には最良だが、接触不良を起こすと最大音量で鳴ってしまい、生半可なパーツではとても使えない。金田式では、小音量時のポイントが不足し、それを補おうとすると高額の出費が必要。近年は、フラットアンプのNFB回路でゲイン調整する方式になっているが、小音量問題はより深刻になっている。常にある程度のレベルで再生できる、専用オーディオルームでもあれば何の問題もないけれど。

シャント型の利点と、一般方式の使い良さをミックスしたのが、NEC M−1000方式。小音量も設定し易く、何より、一般方式のように小音量時に音がボケない。KEWでは、少し定数を変えて使用している。

MJ ’06 9月号で、反転増幅アンプを使いゲインを絞りきれるNO.189が発表された。卓のミキサー回路にトリムをつける際に良く使われる方式だが、反転後のツジツマ合わせをどうするかの記述はなかった。
NO.192のプリメインアンプでは、パワー部及びHPアンプ部まで反転アンプにしているのでツジツマはあっている。ただし、NFB方式(非反転アンプも含む)を使う場合は、ゲインコントロールボリュームの3番ピンはオープンにしないで、2番ピンと接続する方が賢明である。 (保険会社が『完全大焼プラン』でも発表しない限り・・・・・m(__)m

mix

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・AC電源(NECリザーブ電源方式?)

概念図
NEC A−10X リザーブ電源方式        KEW リザーブ電源に戻る

商用電源化にあたって、色々と迷った。既存のトランス二つを使って、左右別電源にするか?±別電源にするか?もう一つの選択肢として当時話題になったのが上のNEC方式である。

前二つに関しては、当時MJ誌で安井氏が色々考察されている。(究極は8電源トランス[左右別] [電圧増幅段別] [それぞれの±別] 2×2×2=8)しかし、
バッテリー電源で経験済のKEWとしては、(オイオイ、商用電源とは違うだろ...)即、もう一つの選択肢を試してみることに。

一般に平滑コンデンサーは、1/100秒(50Hz地域),もしくは 1/120秒(60Hz地域)毎に充電される。(上図のリザーブ側でも同じ) その際パルス状の大電流が流れ、そこで発生する高周波ノイズは、平滑コンデンサーに抱かせたフィルムコン程度では、まず取れない。
そこで、トランス側からの充電のタイミング以外ではリザーブ側から緩やかに充電し、常にある程度の電位を確保し、トランス側からの充電時のピーク電流を抑えるというのがリザーブ電源方式である。
当然リザーブ側には高周波ノイズが発生するが、インダクタンスを含めたLPFで本線への影響を抑えている。

NECでは、ブリッジ整流のファーストリカバリーダイオード、スイッチングのショットキーバリアダイオード、電源トランス、平滑コンデンサー等、全てリザーブ側と共通である。
しかし、KEWでは立ち上がりの良さを期待して、本線には半分の容量の平滑コンデンサーを使用、ショットキーバリアダイオードを本線側では省略、インダクタンスにはサイリスタ(20A)用のものを使用。照明卓設計者のT社T氏に、とりあえずの回路図を見せると、(元はオーディオ関係の設計者。T社オーディオ事業一時撤退の際、移動とのこと)超高周波のみしか効かないとの事。KEWとしては全然OKである。こちとら高周波ノイズが相対的に減れば良い訳で、可聴帯域までデシャバッテクレルと困る。かくして、インダクタンスも測らず採用。

電源に関しては、各自思いいれも有りどれが良いとか言えない。ただ、電源の引き回しに限らず、金田式は不親切な記事が多い気がする。(そのまま作ると発振する様な?)
基本を熟知しているベテランなら、取りあえずこうしておこうなんてできるが、初心者はハムに悩まされ、アイドル電流がいつまでも決まらず、DC分をいつまでも調整できないような羽目に陥っているのでは?基本的にパーツの限界の設定が多いようである。(個体差で悲惨な目に)

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・完全対称アンプとは?         NO.139 パクリ回路図に戻る

ここでは、出力段のみの考察とする。下図の回路の解釈が、重大な意味を持つ。

A_1 B_1 C_! D_!
この回路は何? これは、エミッタ接地 で、エミッタフォロワ やっぱり、E.F.

交流的には、電源は接地とみなせるのでバッテリーをショートしてみると、こんな風になる。

A_2 B_2 C_2 D_2
どれもこれも同じに見えるが、AがBと同じエミッタ接地である事は、明白。

同じように見えるのも当然で、ABCDの違いは、入力ポイントの違いだけであり、CDでは負荷自体によって局部帰還が働いており(Vi=Vo + VBE)、VBE の変化量に対して、Vi が十分大きい場合はフォロワとして動作する。このように表記するとエミッタフォロワ=コレクタ接地というのが良く分かる。

世の中には、『の回路をエミッタフォロワ』と言い張る大バカ者がいるが、ここでは完全に無視する。
それでは、入力の違いが分かるように最初の図の表現を変えてみる。

A_3 B_3 C_3 D_3

ここまでは、バイアス等を含むDC分を無視してきたが、ABCD それぞれを合体する事により、負荷に純粋の信号分だけを出力する事ができる。

AB CD
完全対称アンプ出力段 GOAアンプ出力段プッシュプルE.F.

パワーアンプとして使用する場合は、両方ともダーリントン接続したドライバートランジスタが必要になる。当然、負荷/2がスピーカーにあたる。重要なのは、入力を単純に電圧ドライブすると、歪が出やすい為、どのようにドライブするかということである。

GOA (Ground Output Amplifier) では、二段目差動アンプ + カスコードアンプ、カレントミラー(最終形はNFCM)共十分ハイインピーダンス出力で(電流源)、出力段のhieに較べて小さな値のによって電圧ドライブされる。
昔のメーカー製アンプは、に当たる部分が無く、本来歪が少ない筈のE.F.から多大の歪を出していた。当時、終段無帰還のアンプがMJ誌で流行ったが、電圧増幅段につながったNFB素子がRの役目をしていたのでは?(ちなみに、K氏はパワーアンプの黄金値を5.6kΩとしているが、この状態とオープンでは雲泥の差がある。)

極限までエミッタフォロワの歪を下げるGOA方式ではあるが、通称コンプリメンタリとされている筈のPNP/NPNトランジスタの特性差(FETのNチャネルPチャネルも同じく)だけはいかんともし難く、出力段の進歩はしばらく停滞していた。

そこに現れたのが、完全対称アンプである。
終段にゲインがあるのも特異であるが、同特性の素子でプッシュプル動作できる点は、特筆できる。しかも、二段目差動アンプから直接をドライブし、シンプルそのものである。
PhonoEQのINFの様に、出力をハイインピーダンスにしたければ、エミッタにを封入し、とのバランスでゲインも調整可能、まさに万能アンプである。
(厳密に言うと、上下TRの動作は増幅率を含め対称ではない。しかし、上下が同特性の素子であることから、その差異(上下の動作誤差)が動作電流、周波数等の影響を受けにくいことの方が重要である。)

唯一の問題は、パワーアンプでの熱暴走である。
KEWではオリジナルのNO.139同様、初段定電流用のFET 2N5465を終段2N3055に熱結合しているだけだが、前述のKonton氏によると、このFET、ニセモノはあるは(ピン配置が違うものまであるらしい)、バラツキは多いは、失敗した人は数多いらしい。まったくもって、KEWはただの運の良い人間らしい。完全対称シリーズでは、昔懐かしいサーミスタなるものが熱検出に復活しているが、今後この辺の研究も必要になりそうだ。

Darlington?

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・完全対称PRE?      I/VC 回路図に戻る      KEW DAC に戻る

こちらは、PHONO EQ のフラットアンプと、DAC のI/VCを共用するというケチくさい発想である。
回路は、当時『無線と実験』誌に掲載された『スーパーサーキット講座NO.21 1997/9』の131ページのフラットアンプ部分をKEWなりに定数変更したものである。

IVC

I/VC として使う為、NF抵抗が2.2kΩと小さい値になるので、十分なオープンゲインを確保できるように、初段をK117に変更。オリジナルの電源電圧では、ゲート漏れが発生するので、シリーズレギュレーター経由で±15V程度に下げることに。

電源部では、各平滑コンデンサーの充電側ラインまで本体に引っ張り込んで一点アースとしているのに、レギュレーターの基準電圧となるツェナーダイオードにパラったコンデンサーの充電電流でアースラインを汚すのは耐えられない。というわけで採用されたのが、上の回路。プラス側では、充電電流はA872経由でマイナス側電源に流れ、マイナス側ではC1775経由でプラス側電源へ。アースラインに流れるのは、微小なベース電流のみである。 オリジナルは、Nakamichi のDAコンバーターの回路だと記憶している。なお、一つの基準電圧で複数の制御TRをドライブする方法は、MJで安井氏が発表したもの。

レギュレーターを使用せず、初段にカスコードを挿入する手もあるが、2Vrms弱程度の出力なので取りあえずよしとした。問題は、出力段の安定度向上の為RBを小さくしたのだが、結局2段目の電流を増やす事になり、完全対称アンプの対称でない部分(-。-)y-゜゜゜(出力段上下の動作電流のアンバランス、つまり下側出力TRの動作電流が、2段目電流分多くなる。)が、より強調された事である。当然、初段と2段目のバランスも僅かに悪くなる。シンプルな回路は、この辺が難しい。

当時の、『スーパーサーキット講座』 簡略オープンゲイン計算を試してみたのがこちら。

計算式

と、ここまでの、紙と鉛筆と電卓があれば実行できる範囲でイキナリ作ってしまったのが、 97年式DAコンバーターであるが、I/VC にK式を使った前例を知らないので、不安に思い、全く使いこなせていないシミュレーションに挑戦する事に。先ずは、Capture を使った回路図。[OrCAD PSpice Demo 10.0 (評価版) を使用。]

flat_circuit

取りあえずフラットアンプ時の回路図である。代替パーツばかり(お約束のCobのみツジツマあわせ他。)の回路図だが、少しでも特性の傾向が読めれば御の字。一部動作電流をそろえる為に定数を変えている所まである。

フラットアンプのシミュレーションと言いながら、I/VCとして使用時の積分コンデンサー620pFがブラ下がりっぱなし故に、LPFアンプが正しいところだが、この値が0.1pFの場合も合わせてシミュレートする。

位相余裕 (発振しない条件) を探るためには、ループゲイン&位相を確認しなければいけないので、ケフィスさんのサイトを参考に、ループゲインを中心に以下の6個×2のシミュレーションを一度に表示してみる。

CLOSED LOOP GAIN OPEN LOOP GAIN (A) LOOP GAIN (Aβ)
DB(V(OUT)/V(IN)) DB(V(OUT)/(V(IN)-V(NEGIN))) DB((V(OUT)/(V(IN)-V(NEGIN)))*(V(NEGIN)/V(OUT)))
CLOSED LOOP RHASE OPEN LOOP PHASE LOOP PHASE
P(V(OUT))-P(V(IN)) P(V(OUT))-P(V(IN)-V(NEGIN)) P((V(OUT)/(V(IN)-V(NEGIN)))*(V(NEGIN)/V(OUT)))

ケフィスさんのコロンブスの卵的発想は、こちらのPDFファイルから。

flatsim

実は、OPEN LOOP GAIN と OPEN LOOP PHASE のみをシミュレートした時点では、『軽くヤバイ?』ぐらいにしか思っていなかった。 しかし、LOOP GAIN を見て『エェーッ』と、青ざめた。

先ずは、OPEN LOOP GAIN 。予定の 54dB にはまるで足らない。だが、初段には K117 の代替 K30
初段のゲインは、1.84(mS)/5.52(mS)=0.33....=−9.5dB、取りあえず問題はない。

CLOSED LOOP GAIN を見てみてると、積分コンデンサーを 0.1pF とした GREEN 四角印の1.25MHz 付近で、6dB のピークが出ている。
実際の回路(積分コンデンサーを 620pF )は、RED の菱形印であるが、予定は fc =70(kHz) でLPF特性を示し、0dB付近でしばらく停滞、(非反転アンプでは0dB以下のゲイン設定はできない。)やがて、OPEN LOOP GAIN の減衰に合わせてゲインダウンのつもりだったが、やっぱり 3MHz 付近でピークが発生。 初段に封入した、ステップ型位相補正の設定ミスと思われるが、本当のところは、まだ分からない。

位相余裕は、LOOP GAIN が、0dBになった時点で、LOOP PHASE (PURPLE の菱形印)が、逆相(−180°)まで、どれ位あるかということだが、矢印の 3MHz では、既に 140°近く回っている。 かなりヤバイ状況で、発振していないのは、タマタマの実装状態がウマク言っているだけに過ぎない。

I/VC に関しては、もっとシビアに調べる必要が・・・・・・(-。-)y-゜゜゜。

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・完全対称PRE?その弐

I/VC Circuit

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上の図が、I/VC 回路である。段々回路が煩雑になってきたので、オペアンプ表記しているが、中身は一緒である。75Ω + 0.015uF が外付け電流型 1次LPF1kΩは、PCM1702 の出力インピーダンス。
980Ω(510Ω+470Ω)は、リレーによる切り替え時、一瞬負荷であるべきNF抵抗がオープンになり、しかも100%の負帰還が生じる為、悩んだ挙句の対策である。 ちなみに、PHONO EQ 時には510Ω は、ミュートされる。2種類の動作を近似させるモクロミも含めている。

I/VC のシミュレートを、一体どうやればいいか思いつかなかったので、仮想電圧源を入力信号とした。

IVC_cir

LPF付反転アンプになってしまったが、動作傾向が解かればよしとしよう。後で分かったことだが、全く無意味なプローブ(青と水色)を立ててしまっている。

IVC_sim

LOOP GAIN を調べようと、DB((V(OUT)/(V(IN)-V(POSIN)))*(V(IN)/V(OUT))) 等と、おバカな事をやってしまった。 非反転入力は 電位なので、逆数同士の積=1=0dB となり、その位相差も 0°
従って、青と水色のラインは無視して欲しい。

CLOSED LOOP ? GAIN と書いているのが、仮想電圧源に対しての1次LPFも含めたゲイン。値自体には直接の意味はないが、PCM1702 の出力インピーダンス1kΩが一定であれば、特性は近似するはず。
残念ながら、20kHz で 0.2dB 減衰している。−3dB ポイントは 82kHz で、矢印の 330kHz=7.5fs (fs=44.1kHz) 辺りからオーバーサンプリング(8倍)による折り返しノイズが発生する。
幸い、前回のシミュレーションのようなピークはないが、位相余裕に関しては、やはりヤバそうである。

やっぱり気になってしょうがないのて、ケフィスさんのサイトで再勉強。別のやり方を試してみる。

I_VCcir

I_VCsim

電圧源を反転入力に挿入して、センサーとする方式である。
OPEN LOOP GAIN
 が、上のシミュレーションと少々違うのが気になるが、LOOP GAIN を調べる他の方法が解らないので、取りあえずOKとする。 矢印の、LOOP GAIN が0dBになる周波数で、LOOP PHASE を見てみると、位相余裕は100°位あり、これが本当なら一安心である。

次に、電圧源を AC=0V とし(多分スルーと同じ)、電流源 I1 を AC=0.1mA とし、負荷82KΩを加えてシミュレーションしてみる。 おそらく、こちらが実際の動作に近い筈である。

I_VC_2sim

入力が、出力インピーダンス 1kΩの電流源なので、TRANS IMPEDANCE AMP と呼べるかどうかは、取りあえず置いといて、負荷82KΩも加えたので、本来の特性に近似すると思われる。
TRANS IMPEDANCE は、V/I なので単位はΩ。フラット部分と20kHzでの値の比率を計算してみると、以前の結果、−0.2dB とほぼ一致。位相のカーブも一致しているようだ。とにかく、怪しいシミュレーションだが、KEWの気休めにはなったようである。<m(__)m>

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・完全対称PRE?その参      I/VC 回路図に戻る      KEW DAC に戻る

その壱で、『やっぱり 3MHz 付近でピークが発生。初段に封入した、ステップ型位相補正の設定ミスと思われるが、本当のところは、まだ分からない。』と書いたが、気になるのでもう少し、シミュレートしてみた。
積分コンデンサー620pFがブラ下がりっぱなしのフラットアンプ?(正相アンプ)時の例。

stepup

実は、62Ω+220pFという定数は、オリジナル『スーパーサーキット講座NO.21 1997/9 の131ページのフラットアンプ部分』の初段ドレイン抵抗を680Ω ⇒ 620Ωに換えたので、その比率から計算して、68Ω+200pF ⇒ 62Ω+220pF としただけのものである。 当時は何も考えずに製作していたのである。

先ず、220pFの方を増やしてシミュレーションすると、ピークが低い周波数側に移動するだけであった。
で今度は 62Ωの方を大雑把に、62Ω、270Ω、910Ωと、パラメトリック解析したものが上図である。
少々見ずらいので、拡大してみると、

stepup_2

やっぱり 62Ωじゃマズイ事が分かる。定数が少し違うだけなので、オリジナルを製作しても、やっぱりヤバそうである。ヒョッとしてミスプリントかも?と思って、『スーパーサーキット講座 NO.17 1997/5 116ページ』を読んでみると、
『ステップ型位相補正では、高域でゲインが減衰するが、位相変化は 0°に戻るという特徴がある。 ステップの高さは、20dB くらいが最も効果がある。従って Rp はドレイン負荷抵抗の 1/10 の値に選ぶと良い。』
と、シッカリ書かれている。

この項は、オール FET プリに関しての記述で、同じように Tr プリでも試してみたようだが、FET に較べて、高周波特性の劣る Tr では少々無理があるように思える。
上図から、270Ω〜910Ω の間に最適値が有りそうだが、I/VC 共用の為、即答は禁物。

stepup_3

こちらは、その弐でのI/VC (電圧源を反転入力に挿入して、センサーとする方式)をパラメトリック解析したものである。やはり、フラットアンプ?とは、最適値は違うようである。取りあえず拡大する。

stepup_4

62Ωじゃマズイ事は相変わらずだが、270Ω程度でもマズそうだ。どうやら Cp も含めての考察が必要なようである。一応、トランスインピーダンスもパラメトリックシミュレートして置く。

stepup_5

こちらを見ると270Ω程度でも良さそうに見えるが、所詮OPEN LOOP GAIN が10dBも低いシミュレートであり、大改造にはなかなか踏み出せそうにない。

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・完全対称超シンプル?パワーアンプ         NO.139 パクリ回路図に戻る

こちらはNO.139パクリアンプ。カスコードを追加しているのでシンプルアンプとは呼べないかもしれないが、机上の計算のみでアレンジした、KEW的初完全対称?アンプである。

カスコードアンプは発振し易いと言う話も聞くので、真っ先にシミュレーションしたかったのだが、OrCAD PSpice Demo 10.0 (評価版)にヘソを曲げられて保留状態であった。今年(’06)になって、ワザワザ発注していた『トランジスタ技術2005年10月号』が届いたので、再挑戦。今まで何が悪かったのか理解できないまま、何とかシミュレーションに成功した(というほどのものか?)。

NO_139_cir

終段のアイドル電流が実機の250mAになるように、2段目エミッタ共通抵抗R7を調整した。ん〜、ドライバ段との合計250mAだった気もするが、ま、いいか(-。-)y-゜゜゜。プリと違って未調整でもDC分は少ない。
PIONEER S-LH5 に合わせて 6Ω負荷とし、MFB回路は省略した。

NO_139_sim

CLOSED LOOP GAIN は、低域では31.75dB−3dBポイントは1.26MHzで、変なピークもなく、矢印のLOOP GAIN 0ポイントでの位相も102°と、問題はなさそうだ。

スピーカーは、インピーダンスが一定ではないので、負荷が16Ω8Ω6Ω4Ωの場合をパラメトリック解析してみる。見ずらいので拡大表示してある。(図にない600Hzより低域は、フラット状態。)

NO_139_sim2

2段目カスコードの効果かどうかは定かでないが、電流出力アンプの特徴通り、負荷が4Ω8Ω16Ωと倍々となる毎に、OPEN LOOP GAIN が6dBづつ増えている。楕円で囲った各LOOP GAIN ポイントも、ほとんど同じ位相であり、とりあえずOKである。
CLOSED LOOP GAIN は、ほとんど32dB付近で重なって見えるが、良く見ると、やはり負荷が軽いほどゲインが高い。省略したMFB回路を搭載した場合には、CNF(電流帰還)側にセットする事によって、負荷によりゲインに差が出る筈である。
この件では賛否両論あるが、真空管アンプで定評のあるスピーカーでは、MFB回路を調整する事により、おそらく良い結果が得られると思われる。(KEW的には、ほとんどVNF(電圧帰還)側でOKのスピーカーしか使ったことがないが (T_T)。)

以上から(オイオイ、いきなり結論かョ。)、我がNO.139パクリアンプは、明日イキナリ壊れる事はなさそうである(そりゃ、そうだ。)。メンテに向けてイロイロ考察中だが、そのままでも近頃定番のCLOSED LOOP GAIN 22dBは、無理かもしれないが、26dB程度だと安定に動作しそうである。その分性能は向上しそうだが、まだまだ思案中である。

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・完全対称PRE?その四      I/VC 回路図に戻る      KEW DAC に戻る

その壱で、『・・・・・問題は、出力段の安定度向上の為RBを小さくしたのだが、結局2段目の電流を増やす事になり、完全対称アンプの対称でない部分(-。-)y-゜゜゜(出力段上下の動作電流のアンバランス、つまり下側出力TRの動作電流が、2段目電流分多くなる。)が、より強調された事である。・・・・』 の対策を考察する。

キッカケは、前述の konton 氏によるコロンブスの卵的発想の影響である。
 ⇒ http://www7b.biglobe.ne.jp/~konton/No-128ka-4.htm  その後の6〜2005年11月12日参照
アイデアだけではなくて、既に改造稼動中のようで、どう音が変わるのか興味津々。

KANTAI

こちらは、完全対称アンプとは?の出力段回路図にREを封入したものである。
初段差動アンプ入力がコモンアース電位で、2段目差動アンプが十分にハイインピーダンス出力(電流出力)であり、2SC959の特性が上下等しい場合、上図のように上下2SC959には、等しい Ic が流れる。
しかし、上側  は逃げ場が無く、そのままでは負荷(RL/2)に流れ込んでしまうので、実際には、初段差動アンプのソース抵抗(半固定)で差動バランスを若干崩し(当然2段目のバランスも崩れる。)、負荷に  が流れないように、下側2SC959の動作電流を2段目電流分多くして出力DC分をキャンセルする。

『出力〜負電源間に、J−FETによる定電流回路を封入して  の逃げ場を設ける方法』を試されている方もいるようであるが、確かに各ステージの動作電流は揃うようである。だが、なんとなく回路図的に馴染めず食指は動かなかった。(J−FETの負の温度係数も気になるし?)

そこに登場したのが、konton 氏によるコロンブスの卵的発想である。
『スーパーサーキット講座』 簡略オープンゲイン計算によると、終段の電流ゲインは IO=RB/RE 。
とすると、終段電流は i×(RB/RE)ということになる。ところが、上側では2段目電流も出力電流の一部となるので、i + i×(RB/RE)となり、  で割った 1 +(RB/RE)が上側電流ゲインとなってしまう。
つまり、上下でゲインが違う事になる。じゃあどうすれば良いか?下側のゲインを増やせば良いのである。
具体的にKEWの定数を当てはめてみると、1+(390Ω/47Ω)=437Ω/47Ω が上側のゲインであり、下側も同じにするには下側RB437Ωにすれば良いのである。(今後、この konton drive が主流になるかも?)

ただ、進の抵抗がない。一箇所だけ違うモノを使うのも感覚的に受け付けない。
が、よく思い出してみるとNO.139パクリアンプの2段目差動アンプ共通エミッタ抵抗に、設定ミスの430Ωがあるではないか!!こちらの代替になる値のなら有りそうだ。で、早速シミュレートしてみる。

オープンゲイン特性を見たいので、負荷(RL/2)をフラットアンプ時の2.67kΩに近い2.5kΩとし、470Ω経由で反転入力を接地、初段ソース抵抗を調整して終段電流をなるべく揃えその値をメモる。
その後、終段上下を分離し、メモった終段電流値の定電流源を接続。で直流分をカットして負荷(RL)5kΩを上下それぞれに与える。正弦波を入力し上下の出力電圧を比較してみる。(緑が上側、赤が下側。)

circuit

20Hz_sim

1kHz_sim

20kHz_sim

20kHzで位相遅れ、上下の位相のズレがあるが、上側のトータルゲインが大きいのは間違いない。
初段のゲインバランスを崩しているので、2段目までの電流ゲインは下側が大きいハズだし、終段も動作電流の大きい下側のGmが大きいハズ。やはり、終段の電流ゲイン設定の差が原因と思われる。
こうなると、終段下側RBの調整に期待が高まる。

kd20Hz

というわけで、NO.139パクリアンプから430Ωを移植した仮定でのシミュレーションである。
初段のソース抵抗の値から、2段目までのバランスが良くなった事が分かる。また、ゲインが増えたので、終段の動作電流が大きくなったがそのままにしておく。

kd20Hz_sim

kd1kHz_sim

kd20kHz_sim

NFBなし、しかも、プッシュプル合成前の特性としては、かなり優秀といえるだろう。
ここまでは、結局の所 konton 氏の追試をしただけになってしまった。

期待どうりの結果がでたので、プッシュプル合成後(&CLOSED LOOP GAIN)の周波数特性も見てみる。

KD

フラットアンプ時の、積分コンデンサーなし(0.001pF)の場合と、あり(620pF)の場合を見てみるが、
ステップ型位相補正の Rp を、移植後摘出した390Ωに交換するセコいモクロミも含めてみる。

kd_dB-1_sim

kd_dB-2_sim

予想はしていたが世の中そう甘くはなく、『CLOSED LOOP GAIN 積分コンデンサーなし』でピーク発生。
だが、 あり(620pF)だと結構イケるかも。(2段ステップ型とでもいうか...(^^ゞ )
ただ、この は切り替えるメンドウさの回避だけではなく、MM型カートリッジ使用の際の、ハイインピーダンス入力故の高周波外来ノイズカットの必要性及び、GOA INF EQ共通の、負帰還安定化の為の高域減衰不足のツジツマ合わせも兼ねている。(おそらく、イイワケにしか聞こえないが...(-。-)y-゜゜゜。)

本題の『終段対称性の改善』の確認に、50kHz及び、500kHz正弦波でのシミュレーション。
(入力は、1Vrms。)

kd50kHz_sim

kd500kHz_sim

プッシュプル合成後(&CLOSED LOOP GAIN)の周波数特性』から推察されるままの特性である。

今回は、konton drive の優位性をアピールするだけに終わったが、早く時間を作って総メンテナンスに掛かり、KEW自身も『スッキリ』したいものである。

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