「 ・・・たぶんはじまりの途中・・・ 」


「 君のどこが好きかなんて、わからないよ 」
( 無責任な話だ )
「 気がついたら、君のことばかり考えてた 」
( 気がついたら、考えなくなってた って聞こえるし )
「 君がどう思おうと、僕の気持ちはどうしようもない 」
( はい、はい、 )
もはや、
彼の言葉が、私を動かすこともない。
そういう私の気持ちを読み取ったのか・・・
突然、彼は、激しく体を震わせると、
身をひるがえし、土手を駆け上っていった。
それから数分後のことだ、
彼が川に飛び込んだのは。
騒ぎに気がついて、私が駆けつけた時、
彼は対岸に引き上げられているところだった。
私は、彼の、遠目でもわかる赤い顔を確認すると、
ため息一つついて、
増え始めた人垣をぬい、家に帰った。
えっ、冷たいって?
とんでもない。
彼は、学生時代、
飛び込みの県大会で、優勝しているのだ。