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 労働者派遣事業の基礎知識


 労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。
 労働者派遣事業には一般労働者派遣事業特定労働者派遣事業の2種類があり、一般労働者派遣事業を行うには厚生労働大臣の許可が、また 特定労働者派遣事業を行うには厚生労働大臣への届出が必要です。

特定労働者派遣事業 常用雇用労働者(*)だけを労働者派遣の対象として行う労働者派遣事業
一般労働者派遣事業 特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業
登録型や臨時・日雇の労働者の派遣する場合等


  (*)常用雇用労働者
    期間の定めなく雇用されている労働者
    過去1年を超える期間について、引き続き雇用されている労働者
    採用時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者



請負との関係

 請負とは、労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法第632条)です。
 労働者派遣との違いは、請負には、注文主と労働者との間に指揮命令関係を生じないという点にあります。

   偽装請負について




派遣禁止業務

 以下の業務での労働者派遣は禁止されています。

  1.港湾運送業務
  2.建設業務
  3.警備業務
  4.病院等における医療関係の業務(紹介予定派遣をする場合を除く。)
  5.派遣先において団体交渉等の際に使用者側の直接当事者として行う業務
  6.弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、
    社会保険労務士又は行政書士の業務
  7.建築士事務所の管理建築士の業務




遣受入期間の制限

業務の種類 受入期間
2〜7以外の業務 最長3年
政令で定める26業務 制限なし
3年以内の「有期プロジェクト」 プロジェクト期間内は制限なし
日数限定業務 制限なし
産前産後休業、育児休業等を取得する労働者の業務 制限なし
介護休業等を取得する労働者の業務 制限なし
製造業務 1年






派遣元責任者

 労働者派遣事業行う者は、事業所毎に派遣労働者100人につき1人以上の割合で、雇用する者の中から派遣元責任者を選任しなければなりません。

 派遣元責任者の要件

 以下に該当しないこと。

  禁錮以上の刑に処せられ又は労働者派遣法労働基準法職業安定法最低賃金法等に違反して
   罰金の刑に処せられその執行を受けることがなくなって5年を経過しない者

  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
  一般労働者派遣事業の許可を取り消されて5年を経過しない者
  未成年者


 一般労働者派遣事業における派遣元責任者の場合は以下の要件も満たさなければなりません。

  1.20歳になった後、以下のいずれかの経験を有すること

     雇用管理の経験が3年以上
     雇用管理の経験と派遣労働者としての業務の経験を合わせた期間が3年以上
      (雇用管理経験が1年以上必要)

     雇用管理の経験と職業経験を合わせた期間が5年以上(雇用管理経験が1年以上必要)
     職業安定行政または労働基準行政の経験が3年以上
     民営職業紹介事業の従事者経験が3年以上
     労働者供給事業の従事者経験が3年以上

    雇用管理経験  取締役、支店長、労務・人事の責任者経験等

  2.派遣元責任者講習を受講していること(過去5年以内)

    派遣元責任者講習のお申し込みは(社)日本人材派遣協会まで

    受講まで1〜2ヶ月待ちは当たり前の状態ですので、ご予約はお早めに!




労働者派遣事業許可の要件

1.専ら特定の派遣先への派遣を目的として行われるものでないこと
特定の会社への派遣を目的とすることは出来ません。
2.雇用管理を適正に行う能力を有すること
派遣元責任者が適正に配置されていること
派遣元責任者が不在の場合の臨時の職務代行者があらかじめ選任されていること
労働保険、社会保険に加入していること
派遣労働者(登録者を含む。)に対する教育訓練体制が整備されていること
派遣労働者に受講を義務付けた教育訓練について費用を徴収しないこと
3.個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
4.労働者派遣事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること
財産的基礎に関する要件(直近の決算書類で判断します)
(1) 基準資産額 ≧ 1,000万円 × 事業所数
(2) 基準資産額 ≧ 負債の総額 × 1/7
(3) 現金・預金の額 ≧ 800万円 × 事業所数
基準資産額 = 資産の総額 −(繰延資産+営業権)− 負債の総額
組織的基礎に関する要件
一般労働者派遣事業に係る指揮命令の系統が明確であること
登録者数300人に一人以上の登録業務従事者が配置されていること
事業所に関する要件
事業に使用し得る面積が概ね20u以上あること
位置・設備が一般労働者派遣事業を行うのに適切であること
適切な事業運営に関する要件
一般労働者派遣事業を当該事業以外の会員の獲得、組織の拡大、宣伝等他の目的の
 手段として利用しないこと
登録に際しいかなる名義であっても手数料に相当するものを徴収しないこと





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 労働者派遣事業の許可申請/届出


提出書類

 一般労働者派遣事業の許可申請および特定労働者派遣事業の届出には次のものが必要です。

一般労働者派遣事業 特定労働者派遣事業
一般労働者派遣事業許可申請所(様式第1号)  
特定労働者派遣事業届出書(様式第9号)  
労働者派遣事業計画書(様式第3号)
定款
  目的に「労働者派遣事業」が入っていること
登記簿謄本
取締役・監査役の住民票
   〃       履歴書
貸借対照表・損益計算書の写し
  新設法人は開始貸借対照表
 
法人税の確定申告書(別表1、別表4)の写し
  新設法人は不要
 
法人税の納税証明書(その2所得金額)  
以下、事業所毎に準備する書類
(事業所が自己所有の場合)不動産登記簿謄本
(事業所が賃貸の場合)賃貸借契約書の写し
派遣元責任者の住民票
   〃      履歴書
派遣元責任者講習の受講証明書の写し  
個人情報適正管理規定
事業所の案内図  
事業所のレイアウト図  
申請手数料  


 上記書類の他に、状況によっては残高証明等を求められる場合があります。

 一般労働者派遣事業許可申請の手数料(円)
  120,000 + 55,000 × (一般労働者派遣事業を行う事業所数 − 1)

 平成18年度の税制改正で上記申請手数料の他に登録免許税90,000円が必要になりました。


提出窓口

  一般労働者派遣事業許可申請書/特定労働者派遣事業届出書は、本店事務所を管轄する都道府県労働局を経由して、厚生労働大臣に提出します。
 東京都は、東京労働局需給調整事業部(東京労働局海岸庁舎内)です。

    〒108−0022
    東京都港区海岸3−9−45
    (JR田町駅から徒歩約10分)




提出するタイミング

 一般労働者派遣事業許可申請の審査期間は最短で2ヶ月(※)です。 なぜ「最短」かというと、2ヶ月の起算点が申請した月の次の月の1日になるからです。 4月1日に申請した場合、その翌月5月1日から2ヵ月後の7月1日付けで許可になります。 月の始めに申請すると、申請から許可まで3ヶ月かかることになりますので、余裕を持って早めに申請しましょう。

 ※申請内容に不備がない場合です。

 許可証は毎月10日前後に行われる交付式まで手元に渡りませんが、許可の連絡があればその日から労働者派遣事業を始める事が出来ます。

 特定労働者派遣事業の場合は、届け出た書類が受理された日から事業を始めることが出来ます。



事業所調査

 申請の受付が無事に終わると、1〜2週間後に係官による事業所の調査があります。調査の日時は申請時に調整されます。
 調査の内容は、事業所が申請内容と合致しているかどうかの確認です。




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 許可後の手続き


事業報告

 労働者派遣事業者(一般・特定)は、毎事業年度終了後3ヶ月以内事業報告書及び収支決算書を提出しなければなりません。



許可の更新

 一般労働者派遣事業の許可は、最初は3年、2回目からは5年毎の更新になります。
 更新申請せずに許可の有効期間を過ぎると、許可は失効します。引き続き一般労働者派遣事業を行おうとする場合には、許可の有効期間が満了する日の30日前までに更新申請を行わなければなりません。
 許可更新の手続は、新規許可の際とほぼ同じです。

  【更新手数料】
    55,000円 × 一般労働者派遣事業所数
   を収入印紙で収めます。



事業内容の変更

 以下のの変更事項が生じた場合には、変更の届出が必要です。

   商号(個人の場合は氏名)
   所在地
   役員の氏名
   役員の住所
   事業所の名称
   事業所の所在地
   派遣元責任者の氏名
   派遣元責任者の住所
   特定製造業務への労働者派遣の開始・終了
   労働者派遣事業を行う事業所の新設
   労働者派遣事業を行う事業所の廃止
   労働者派遣事業の廃止
   許可証の亡失、滅失 (一般のみ)



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