表題『ド、ドアが・・・』


第1章 初の茨城県行きはとんでもないことに


 今回はこれまで一度も行った事が無い茨城県を訪ねるべく、我が家を出発したのは9月6日の夜でした。
 三陸自動車道を一番南の亘理ICまで行き、その後は6号線へ、雨が降っていたものの6号線は思ったほど混んでいなかったので順調に距離を稼いでいました。
 途中、最近よく見かけるゆとりの駐車帯で夕食、そこで最初のハプニング、 「もも」を散歩させようとしたら、なんと傘を忘れてきていたのです。考えてみればこれがそれから起こるとんでもない出来事のプロローグだったのです。
 多少濡れたもののとりあえず「もも」の散歩も終え軽い食事を取って一路道の駅『ならは』を目指しました。
 その後は何の問題も無く『道の駅ならは』についたのは午後8時半ごろでした。ここのお風呂は最終受付が午後9時半なのでかなりゆとりを持って温泉に浸かり、その後はアラモ君の中で宴会、11時前には夢の中でした。道の駅ならは
 翌日は雨も上がり、絶好のドライブ日和、朝食もそこそこに『ならは』を出発しました。
 6号線を南下して茨城県へ入り、向かったのは五浦海岸。五浦と書いて『いづら』と読むのを初めて知りました。
 ここで『五浦美術館』へ。これがとんでもない立派な建物で、入館料がたった、たった180円、本当かよという世界でした。建物だけ見れば以前行った事のある伊豆のMOA美術館とも遜色の無い立派な建物にただただ圧倒されました。
 その後北茨城市を抜け高萩市から国道461号線に入り、今日の目的地、大子を目指しました。途中そこそこの食べ物やさんはあったのですが、どうせなら土地の名物をと欲張ったため、入りそびれてしまい、これが悪夢の呼び水となったのです。
 とりあえず『袋田の滝』に行けば何とかなるだろうと空腹を抱え向かったのですが、その手前、ゴルフ場の入り口に小さな温泉が・・・。食事も出来るらしく駐車場も車でいっぱいなのでこれは期待できるかもしれないと思い立ち寄ることに。
 駐車場はほとんど満車で一番端のスペースがぎりぎり1台分開いているだけでしたので急いでそのスペースへ。その場所は少し坂になっており、脇には照明のポールがあるためみんな敬遠したようです。
 エンジンを切りサイドブレーキを引いて車から降り、妻が差し出すバッグを受け取ろうとしたとき、それは起こりました。
 サイドブレーキが甘かったのかバッグが触れたのか、アラモ君が突然バックしだしたのです。あわてて車を押さえようとしたのですが2トン以上あるのです、無理に決まっていました。ずるずると下がり始めやがてドアがそのポールに、『バキバキバキ』という音とともにドアはあらぬ方向へ向いてやっと止まりました。
 後で冷静になれば目の前にブレーキペダルがあったのでそれを手で押さえればよかったのですが、そのときは夢中で手で車を止めようとしたのですから大笑いです。幸い小生に怪我はありませんでしたが一歩間違えればポールと車の間に挟まれる危険もあったことを考えれば運がよかったのかも・・・。
 とにもかくにもドアは反対方向へ90度開いたまま、閉めようとしたのですが当然閉まる筈もありません。妻のあきれた視線を感じながら小生は呆然と立ち尽くしたのでありました。