Inside Farming Vol.83 農産物の不正表示 雪印の子会社の牛肉の産地詐称が発覚して以来、国産、外国産、国内ブランド産地等を偽って精肉を販売している業者の行為がいくつか発覚した。全農系という、農家も消費者も最も信頼を置いている団体の関連会社において、抗生物質入り飼料を与えたか否かの鶏肉の不正な表示が行われていたという事件もあった。この事件で感じたいくつかの疑問を箇条書き(内容が散漫という意味です)で挙げてみる。 ・国産は安全だという消費行為が、揺れている。産地表示が無意味なら、消費者の信じるべき指標がなくなってしまう。今後は信頼できる生産過程・流通過程の履歴書が消費者の指標になっていくのだろうか。その際、履歴書作成と添付という生産農家のコストに見合う価格で国産農産物は販売されるだろうか?生産者だけでなく、消費者も安全に対するコストを積極的に負担してくれるのだろうか。初めは、高くても安全な食品を求めても、いずれ安全でも安い食品が求められるのは市場の原理だから。 ・農家は自分が栽培したものに誇りを持っている。だから、ブランドを偽って売られた農産物の生産農家のプライドは相当に傷つけられたと思う。一般的に、生産者の農産物に対する"思い入れ"は、流通の過程で農産物が商品となると、無くなってしまうのではないか?。生産と販売は乖離してしまっている?。 ・狂牛病の発生以降、政府や農水省の対策は生産者寄りだ!と一般の消費者から批判されているが、「生産者寄り」とは、誰よりなのか?生産農家寄りとは思えない。政府は誰を見て政策を決めているのか? ・これは、肉の問題だけではない。最近は野菜の産地表示問題が報道されている。遺伝子組み替え作物を利用したスナックや加工品の問題も忘れた頃に、問題が出る。これらは、個々の農家の解決できる問題なのか? Go to Inside farming index page kawai@wmail.plala.or.jp 写真、本文とも Copyright(C) 河合果樹園 |