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Inside Farming Vol.69 (Japanese)



林檎で中性脂肪減。ダイエットは嘘じゃない!

  さて、林檎の収穫期を迎えて、林檎の食品機能性に関するかなりいい情報が飛び込んできた。この朗報が長野県の林檎の本格的な出荷の時期と重なったのも喜ばしい。
 そのニュースとは独立行政法人農業技術研究機構果樹研究所という研究機関が「林檎を食べると中性脂肪が減ることを確認した」というものだ。さらに血液中のビタミンCと腸の働きを整える菌が増加する作用も確認したという。
 具体的には、一日林檎1個から2個継続して食べることで、3週間後に、中性脂肪が平均21%減少、ビタミンCは34%増加、善玉ビフィズス菌も15%増加、悪玉菌の代表であるクロストリジウム・パーフリンジェンスは減少または無くなっていたという。
 
 実は、園主はちょうど林檎の栄養分について調べていたところだった(メールで質問も頂いていたので)。友人の管理栄養士さんから食品学の本をお借りして成分表などを1ヶ月ほど眺めていたのだ。

100gの含有量 食物繊維 糖質 ペクチン ビタミンC カリウム
林檎 1.1〜3.1 13.1 0.6 3mg 110mg
温州みかん 0.9 10 0.1 35mg 140mg
 しかし・・・成分表(四訂日本食品標準成分表より)から判ったことは、基本的な栄養分について林檎は他の果物と比べてあまりアドバンテージがない・・・ということだった。逆にビタミンC含有量が果物の中では少ない方だという事が判明してしまっていた。果物といえばビタミンC。ビタミンCの為に果物を食べる人だっているのに・・・これでは林檎の消費が減ってしまう。加えて「果糖がけっこう多い」ということも判明。とにかく「糖が多い食べ物は太る」というのは多くの人に当然の事として刷り込まれている情報だ。そのため、このページで皆さんにどのようにご報告しようか、頭を悩ませていたところだったのだ(だって、林檎の購買意欲を削ぐようなことは、なかなか書けないものね)。
 
 しかし、この新しいデータによって、林檎には果糖が多く含まれていても、太るわけではなく、逆に中性脂肪を減らす!効果があると判ったのだから、素晴らしい。ちょっと怪しそうだったあの林檎ダイエットも、満更嘘ではなかったということか。さらに、嘆いていたビタミンC不足についても、林檎自体には多くは含まれていないものの、他の食品から摂取したビタミンCを体内に効率良く取り込む成分が林檎に含まれている!という研究結果なのだ。だから被験者の血中のビタミンCの量が増えたのだという。
 私の栽培する林檎が、他の果物と比べて、味でも、食品機能性でも劣っていなくてよかった!

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