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Inside Farming Vol.55 (Japanese)



雹被害その後・・規制緩和と弁理士試験

 受験を考えるだけで気が滅入りそうな超難関の弁理士試験。私にとっては、これから数年間を受験勉強に費やしたとしても合格できる可能性は限りなく低い。それでもトライする価値はあるのだろうか?
 そんな迷いのなかで見つけた弁理士になるための僅かな望み。それは規制緩和という世の中の流れに関係している。

 今まで多くの資格”士”業界は資格試験という高いハードルを設けてその業界に多くの人間が安易に参入する事を阻止していた。その結果、競争が無いためにカルテルのような業界統一料金が存在していたり、資格毎に独占業務の範囲が細分化されて顧客のニーズに柔軟に対応できなかったり、絶対数が不足して資格者不在地域ができてしまったり、増加する事件等に処理が追いつかないなどの弊害があらわれはじめていた(逆に言えばそれらが資格のメリットだったともいえるが・・・・。もちろん法律事務を独占的に行おうとする者は法律知識や各分野の専門知識が必須であるから、それらを問う資格試験は当然実施すべきものである。またサービスの質を高め顧客を保護するという立場から、ある程度の難易度も必要だ・・・)。
 
 そこで、それらの弊害を低減させるために、新規参入を促すための試験制度の改革や独占業務の分野を資格相互間で開放する資格”士”法の改正などの規制緩和が最近かなり行われている。例えば私が平成10年度に取得した行政書士資格も本年平成12年度から試験受験の資格要件がなくなったり、論文試験が廃止された。他資格よりも比較的人数の多い行政書士でさえ近年の試験合格率が5%〜8%前後と急速に難しくなり、新規参入が困難という事態になっていて、その現実に対処すべく試験制度の改正が打ち出されているのだ。(10月は行政書士試験の季節ですね。皆さん頑張って!)

 弁理士試験もその例外ではない。前回書いたようにあまりに難関試験であるため、弁理士法を改正し、受験者の負担を軽減し、合格者を増やしていこうという措置がとられはじめているのだ。その具体的な内容は特許庁のページに掲載されているのでそちらに譲るとして、注目すべきポイントは、従来三科目受けなければならない選択科目について「当面は、以下の者に対して、弁理士試験の選択科目の免除を行うこととし、資格証明に係る具体的な免除手続きについては引き続き検討を行う。」という部分である。そして免除される具体的な資格として、弁理士試験の選択科目と対応する区分の技術士、司法書士、行政書士、弁理士試験の選択科目に対応する分野で博士又は修士の学位を取得した者、薬剤師・・・などがあげられているのだ。
 なんと!行政書士もありました!!。つまり行政書士試験に合格している者は、平成14年の試験から選択科目が全て免除されるというのだ。なんだかちょっと他の受験生に対してアドバンテージ。これなら、トライしてみる価値があるかも・・・と思えてしまう。
 そんなこんなで、現在、特許法を勉強中。やれるだけやっていみよう!という気持ちで頑張り始めています(”だめもと”ですけどね)。勉強をやり始めると工業所有権法は、ちょっと面白いよーん。

追伸
 いやー、世の中そんなに甘くないようです。修士、博士過程を終了していない弁理士受験生の間では、行政書士試験を受けて選択科目免除をねらうというのは既にトレンドになっているようです。本年の行政書士試験の受験者数が急激に増加していたら、それは弁理士試験受験生が傾れ込んできたせいかもしれませんね。

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