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Inside Farming Vol.54 (Japanese)



雹被害その後・・弁理士とはなにか?

 特許事務所で働きだしたものの弁理士と弁理士試験について全く無知な私。そこでちょこっとその詳細を調べてみることにしよう。

 弁理士の資格を獲得するためには弁理士試験を受け、合格しなければならない。弁理士試験は大学の一般教養科目の学習を終えたものが(予備試験を受けることなく)挑戦できる試験であるという。試験の形式は多枝試験とよばれる択一試験、多枝に合格した者が受けることができる論文試験。さらに論文に合格した者だけが受けることができる口述試験の3段階になっている。
 試験の科目は、毎年5月下旬に行われる多枝試験では、特許法、実用新案法、意匠法、商標法という工業所有権関連の法令と関係する条約の5科目。7月下旬に行われる論文試験は上記工業所有権法の必須5科目に加えて、受験生それぞれが大学等で学んだ専門分野の41科目から3科目を選択して合計8科目の試験を受けることになっている。最先端技術などを専ら扱う分野の資格らしく選択科目の41科目の中には憲法、行政法、民法、民事訴訟法などの法律系の科目は数科目。それ以外は制御工学、原子核工学、半導体、光学、電磁気学、電子回路、計算機工学、通信工学、金属材料工学、薬化学、生物化学などなど理系の科目が列挙されている。

 試験の中核をなすのは論文試験である(かといって前段階の多枝試験もかなり難しそうなのだが)。各科目ごとに問われる内容は、条文の定義・趣旨・論点や実際の事件を例とした事例問題などである。1問について3から4ページの分量の論文を2問、2時間で書き尽くす。条文の一条一条に精通していないと合格答案は書けないと言われるレベルである。
 選択科目は、例えば私が選択できる可能性がある理科系科目で言うならば「測量学」は測量士、測量士補試験の範囲、「計算機工学」は情報処理1種、2種、「電気機器」「電磁気学」は電検2種、3種の知識レベルが要求されるようだ(そう言われてもここで例示してある他の資格の範囲や難易度を私は知らないが・・)。
 合格率は4%、5000人受験して合格者は200人前後という狭き門。30代での合格率が全体の5から6割。合格者の平均受験回数は5から6回。合格するためには血の滲むような努力を・・・・というのが、試験情報誌からの抜粋だ。

 どうですか?ここまで知っただけで既にお腹がいっぱいなったでしょう。受験情報誌の説明を読んだだけですっかり弱気になり肩を落としてしまうような試験!!。普通そんな試験の勉強を他人に軽々しく奨めませんよね。私も就職するための方便(・・というつもりだった訳ではないんですが・・・・)とはいえ「勉強します」などと安易に返事をしてしまった事を反省。自分の身の丈を考えるとあまりに無謀な挑戦だ。

 でも、人生どこにラッキーが転がっているか分からないものなのだ。実は弁理士法が改正されてこんな私にもちょっとだけ合格する可能性があるかもしれないという事がわかってきた(もちろん血の滲むような勉強の暁にだが)。
 それは・・・・・(続く)

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