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Inside Farming Vol.51 (Japanese)



雹被害その後・・「空虚感」と「恐怖感」

 雹の被害のあった7月以来2ヶ月間も全く更新していなかった河合果樹園のホームページ。園主も殆ど訪れることはなかったのだが、ヒット数だけはかなりの伸びがあった。
 雹の被害一週間後8月の上旬に毎年恒例の「林檎予約販売のお知らせ」の発送の代わりに「雹被害による林檎販売中止のお知らせ」のおハガキをお得意様に出したので、お得意様が心配して何度かこのページを訪れてくださった結果として2000件程のヒットとなったのかもしれない。また、初秋の林檎の季節が近づき、Yahooなどで林檎を検索して訪問してくださった方が増えたせいかもしれない。

 いずれにしても、せっかく林檎を購入しようとして河合果樹園を訪れてくださる皆様方には、林檎を用意する事ができなくて、本当にすまない気持ちでいっぱいになっている。お得意様には既に「雹被害による林檎販売中止のお知らせ」のおハガキでお知らせしてあるのだが、雹によって林檎は今までに経験したことのないダメージを葉や木に受けているので来年以降の作柄も全く予想することができない。それゆえ林檎の販売もいつ再開できるのか見当もつかず、多くのお問い合わせに今後の見通しをお知らせする事もできない。そのために、さらにすまない気持ちになっている。

それにしても、半年以上手間隙かけて労働と資材を投下した作物が「ゼロ」になってしまうというのは本当に悲しい事だ。
 収穫(仕事の完了)を見ないまま継続してきた仕事がいきなり途中で終わってしまうという「仕事」に対する”やるせなさ”と”むなしさ”。丹精込めて育てた作物が簡単に回復できないほどの打撃を受けてしまった!という農業特有の「作物」に対する”すまなさ”や”悲しさ”。「作物がゼロになる」=「収入がゼロになる」=「労働と資材分の経費の赤字!+生活費ゼロ」という「経済的」な”苦しさ”と”挫折”。これを「空虚」と呼ばずして、なにを「空虚」と呼ぶのだろう。

 加えて「自然災害は今年一年だけのものか?」という「恐怖」。振り返れば2年前の台風大被害、昨年の秋の高温による果実の品質劣化、そして今年の雹。わずか数年の間に、我が河合果樹園のある地域では漫然と農業を営んでいく場所ではなくなってしまったのか。
 空っぽになった気持ちが、そんな恐怖でいっぱいになる。まるで「自然を敵に回してしまった」ようだ。そんな状況の中で私はこのまま農業を続けていく事ができるのだろうか。・・・・モチベーションは限りなく低下している。 
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写真、本文とも Copyright(C) 河合果樹園