Inside Farming Vol.49 (Japanese) オンライン・ショッピング・モールに出店すべきか? 最近、「オンライン・ショッピングモールに出店しませんか?」というメールをよく頂く。数えてみると5、6月の2ヶ月だけで9件のお誘いがあった。何かを勧誘するSPAM(広告)メールは、それと分かった段階で読まずに削除している私だが、ショッピング・モール関係のSPAMだけは削除せずに取ってある。「ショッピング・モールに入店すべきか?やめるべきか?This is the question .」 だ。 ショッピング・モールに入店するからには、私は少なくても3つのメリットは期待してしまう。 第一にはお店、商品へのアクセス数の増加が見込めると言うものだ。モール自体が有名で毎日かなりのヒット数があるならば、そこに出店した店と商品へのヒット数もおのずと上がる事が期待できる。「来店無くしては販売はありえない」のだから、出店によってヒット数の劇的な増加が見込めるなら、迷わず入店!ということになるであろう。 第二にはカード決算システムが利用できるというものだ。私のような個人経営の農家ではクレジット・カードによる決算などはなかなか実現できるものではない。そこでカード決算システムを持つモールに入店することで、モールにカード決算を代行してしてもらえるようになるのだ。これによって出店者はわずらわしい料金の回収から開放されるし、消費者にも利便性がもたらされる。私は友人から「カード会社のポイントを集めているから、河合果樹園でもカードが使えるようにしてくれ!」と数年前から再三リクエストされているので、もし決算システムのあるモールに出店すればその友人はかなり喜ぶことになるだろう。 第三には配送システムが利用できるというものだ。通信販売の場合、一番のネックになるものは配送費用である。受注から伝票を印刷し発送まで管理する経費と実際の輸送にかかる経費はばかにならない。通常は10kで最低1000円程の経費がかかっているだろう。1000円の品物を送料+1000円で購入するか?といえば商品に相当の魅力がある場合または希少価値がある場合などを除いて、購入をためらうのが現実だ。それが、モールに入ることでデパートやコンビニ、運送会社などの配送システムが利用でき、60%から70%の経費で抑える事ができるのならば、入店者、消費者の両方に大きなメリットとなるのは間違いない。 残念ながら以上の3メリットを全て備えたモールはかなり少ない(〜SPAMの中にはモールというよりも、ただのリンク集とモールを勘違いしているような業者さえあるのだ〜つまり3つのメリットの一つもないモールが存在している)。そして、どれか2つ以上を満たしたモールでも出店を決意するには大きなハードルが立ちはだかっている。 大きなハードル〜それはズバリ「経費」である。第一のヒット数のメリットを持つモールに出店しようとすれば、出店に際して入会金数万円、さらに維持費として毎月1万円から5万円程度の経費が必要となってくる。第ニのメリットを利用しようとすれば売上に応じた手数料(5%から8%程度)、第三のメリットを利用するにはやはり入会金が必要となっているのが一般的なようだ。残念ながら個人農家でも許容範囲にあるの経費が低いモールは総じて知名度も低いし、サービス内容も薄いのが現実だ。「勝つか負けるかはっきりしてる」「NO.1にならなければ勝ち残れない」と言われているネット上のビジネスで低経費の中小モールに出店する意味はどれだけあるのだろうか。それとも、今は知名度が低いがこの先NO.1へと成長しそうなモールをよく吟味して発見し、出店することができれば、それが理想なのだけれど・・。 そして、たとえモールに出店したとしても立ちはだかるもう一つの大きな壁(噂ですが)がある。日本で成功していると言われているあるショッピング・モールでも「出店している店舗で採算が合っているのは僅か5%」だというのだ(噂です。あくまで噂。それにしても3000件の出店で150件しか採算が合っていないとは驚きです)。 これからインターネット市場は大きくなっていくのは確実だ。だから個人の農家であってもオンライン・ショッピング・モールに出店する事は今後も考えていくべき課題には違いない。しかし現時点では、この河合果樹園のサイトの内容充実と商品(林檎)の魅力アップに力(時間と経費)を使った方が得策だ!という考え方も強くある。そしてやっぱり悩んでしまう。 「ショッピング・モールに出店すべきか?やめるべきか?This is the question .」 。 Go to Inside farming index page kawai@wmail.plala.or.jp 写真、本文とも Copyright(C) 河合果樹園 |