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Inside Farming Vol.32 (Japanese)



LEVEL4 核施設の事故
 
 まだ私が学生だったころチェルノブイリの事故は起こった。それは日本からは地理的にも政治的にも遠い遠い国の話に見えた。被爆してしまったと思われる子供たちが悲しそうにヨードを飲んでいるTV映像が今でも思い出される。その時はソ連という国は核施設のクオリティ・コントロールもできないなんて末期的だな・・と思ったものだった。同時にまさか日本では起こるはずはないだろうという、漠然とした安心感が当時はあった。

 でも東海村で事故は起こった(2000/9/30)。耳慣れない最悪の臨界事故。その事故で被爆者が出たというショッキングな事実。事故を起こしたJCOという会社の違法作業と臨界事故隠しと思われる行為。行政との連絡の不備からくる避難のもたつき。これが日本なのか?さらに調査が進めば進むほど出てくる悪いニュース(例えば中性子線が大量に出ていたなど)を聞くと、政府は持っている事故情報を本当に正確に把握し迅速に公開しているのかとも疑心暗鬼になってしまう。
 本当に放射能は漏れていなかったのか?(やっぱりヨウ素131という放射性物質が漏れていたそうだ。科学技術庁も知っていたそうだ。発覚は10/11)。屋内退避で安全だったのか?。結果が誰の目にも客観的にわかるようになるには10年の歳月がかかるだろうが、その間の東海村住民の精神的不安は計り知れないだろう。

 東海村だけではない。日本中どこにいたって不安は同じだ。知らない間に我が町の近くを原発燃料のプルトニウムが運ばれていたりしている可能性があるとしたら・・・。専門家はいう「輸送には万全を期す。絶対安全だ」と。自分の住む県や隣接する県に原子力発電所があるとしたら・・。阪神淡路大震災の後でも台湾地震の後でも専門家は言う「原子力発電施設は地震に対しては万全なのだ」と。

 TV報道によると既に電力の3割は原子力発電が担っているのだそうだ。人間が完全に制御できない物体にどうしてこれほど頼るようになってしまっていたのだろう。原子力政策が国策ならば首都機能移転先は東海村で決まりだ。原子力施設の隣で、日本の進むべき方向を見定め、この事故で岐路にたった原子力政策を検討してほしい。 

**関連LINKS**
YAHOO!で「放射能 事故」と検索すると「チェルノブイリ」「もんじゅ」などの原発事故関連の情報を検索できます。たくさんあって、結構怖くなります。
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