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Inside Farming Vol.29 (Japanese)



「買ってはいけない」読んだ?-身の周りに在る危険な商品-

 最近はあまり本を買わなくなってしまった私だが、久々に書店で手に取り直ぐに購入した本がある。それは「週刊金曜日」別冊ブックレット「買ってはいけない」(1000円)。知っている人は知っている(当たり前だが)週刊金曜日の名物コラムを本にしたものだ。
 その内容は文字通り「買ってはいけない」製品とその理由を明記した少々ショッキングなもの。多分、この本で取り上げている商品と同様に買ってはいけない商品は沢山あるのだろうが、特に代表的なもの(よく売れているもの)を実商品名と写真を掲載した上で槍玉にあげている。少し読んだだけで思わず「うーん」と腕を組んで唸ってしまう。さすが無広告出版物!ここまでやるとは凄い。

 主だったところでは、タール系着色料やアスパルテームなどの甘味料等の添加物を含む食品、大量の界面活性剤を使った合成洗剤、危険な家庭用殺虫剤・殺菌剤、皮膚にダメージを与える化粧品、使用を間違えると危険な薬、遺伝子組替え食品、環境破壊に結びつきやすい商品、環境ホルモンの出やすい商品などが、人体への(悪)影響、環境への(悪)影響という視点から批判されている。いずれの商品もどこの家庭でも購入し、利用しているごく身近なものばかりだ。
 とにかくこの本を読むと「買ってはいけない」というよりは、「買っても良いものが見当たらない」(選択の余地がない)という殺伐とした気持ちになることを保証する。広告に踊らされるがままに商品を購入している自分を深く反省するとともに、今更いくら反省したところで、すべての現代人が既に引き返すことのできない危険な袋小路に迷い込んでしまっているということを痛感する。なぜなら見た目が良くて、安くて、便利な商品という我々消費者のニーズが作り上げたのが、この本に登場する商品たちだからだ。自業自得。

 せめて物を生産する側の人間は、生産した人間や社員が食べるのを(使うのを)ためらう商品を消費者に提供してはならないというモラルを持たなくてはならない!(当然の事だが、この本によると、それさえ守られているのかどうかわからない世の中なのだ)。私も生産する側の人間の一人として肝に銘じよう。
 せめて行政やマスコミは消費者(弱者)を保護する立場でその仕事をまっとうしていただきたい(当然の事だが、この本によると、それさえ行われているのかどうかわからない世の中なのだ)。
 せめて消費者(私もその一人だ)はもう少し勉強して「見た目が良くて、安くて、便利」に変わる、新しいニーズを確立していかなくては(当然の事だが、こんな便利な世の中に慣れてしまっている私たちに、自分の消費を抑制することができるのかな?Imagine Is it hard to do?自問)。

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