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Inside Farming Vol.25 (Japanese)



河合果樹園ブランド・ふじ林檎100%ジュースはいりませんか?

 三月から四月には春特有の強風が吹く。いつもならなんでもないこの風だが、今年は違う。真夜中に家を揺らしながら吹き抜けていく風音でビクッとして目がさめる。心臓の鼓動も早くなる。昨年の台風のP.T.S.D(トラウマのようなストレス)かも?ナサケナイ事だ。

 しかし、いつまでもそんな台風被害を嘆いていてもしかたがない。そこで、台風被害を逆手に取った商品を考えた。それは「ふじ林檎100%ジュース」。(今更だけどね・・)。
 昨年の台風で「落ちた林檎」や「傷ついた林檎」の販売が大きな問題になったのは「台風7号の記録」でレポートしたとおり。河合果樹園でもそれらの林檎販売は大変な苦戦を強いられた。もちろん小売や卸業の方も協力して販売してくださり、その多くは売り尽くすことが出来たのだけれど、期待通りの価格で販売する事は不可能だった(厳しい見方をすれば結局落ち林檎の低価格販売は小売店の集客に役立てられただけだったのかもしれない)。
 そこで、他に有利販売の販路を見つけるとするなら加工しかない!と思うのは当然の成り行きだ。昨年末には「河合果樹園ブランド・ジュース」を作ろうと決断。「枝が刺さった程度」の良い状態の完熟林檎試しに300kgほどを今年になって隣村にあるジュース工場に持ち込んだ。

 それが出来てきた。300kg持ちこんで、1リットルガラスビン入りで210本。持ち込み林檎の70%強がジュースになった換算だ(なんて贅沢な絞り方なんだ!!)。
 早速飲んでみる。「美味い!」当然だ。「濃い!」当然だ。「完熟林檎だから甘すぎる!」当然だ。そのため妻はジュースを水で2〜3倍に薄めて飲んでいる。さらに「低農薬で作った林檎だけで出来た林檎ジュースは安全!」当然だ。と自己満足は頂点に達した。

 しかし、しかしである。加工前から分かっていたことではあるのだが「価格競争力がゼロ!」と言う大問題が待っていた。まだ、ラベルも作っていないし、張っていない段階で、原価がスーバーで売っている1リットル紙パック入り100%アップルジュースのなんと二倍。スーパーやお土産店で時々見かける河合果樹園ジュースと同じビンに入った地元産林檎100%ジュースの店頭価格である550円から650円という価格設定も至極当然な原価なのだ。私がダイレクトに販売しても価格設定は600円前後になるだろう。さらにパッケージがビンのため重量がかさんでしまうのも直売の場合送料がネックになりそうだ(リサイクルには向いているのだが)。

 パック・ジュースに対する価格競争力は無い、断言する。でも「美味さと安全性」と「原料の良さ」をトータルに考えるとこの価格で納得して購入してくださる方もいるのだろう(スーパーで販売されているものを目にする事があるのだし、毎年かなり販売する先輩農家の話も聞いた)。

 どうです河合果樹園ブランドのふじ林檎100%ジュースはいかがですか?この不景気な時にこの商品企画は無謀ですか?無謀といわれても、ラベルを作って、本格的に販売を開始したら、ホームページで告知します!。お楽しみに!。(と、言ってもいつになることやら。現在は家族で飲んだり、親戚やお世話になった方々へのお使い物としてとっても喜ばれていて、それで全部終わってしまうかも。)



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