Inside Farming Vol.189 モンブランのボールペン〜タイムスリップしてやってきた〜 ![]() システム手帳と一緒にモンブランのボールペンとペンケースも出てきた。こちらは、諸事情で記者を辞めることになった時に、先輩記者が贈ってくれたものである。あの時、先輩記者は、「今ここでペンを折る君にモンブランを贈るのもなんだが、いつかペンを取るときに使ってくれ」と言いながら、これを私に手渡した。先輩記者の言葉に特別な意図はなかったと思うのだけれども、この言葉は私に重く圧し掛かってきた。「記者を辞めた私がペンを取るとき」とはどのような時なのか?と。いったい、どのような状態になったらこのモンブランを使うことを許されるのか?と。これらの疑問に納得いく答えが出るまでは使う気になれず、結局、モンブランは、20年もの間、ずっと保管状態となっていた。 ![]() 使いたい。そろそろ使ってもいいのでは・・と素直に思う。こんな気持ちになったはのは、初めてだ。あれから記者として執筆することはなかったけれど、今では、代理人として責任の重い文章を書くようになった。今こそが、あの時の「いつか」なのだろう。モンブランは、その「ペンを取るとき」を見透かしたように、時空を飛び越えて突然に出現してきたに違いない。 そう解釈すれば、先輩記者の言葉の呪縛からも開放される。気負うことなくこの名品を使用できる。そう思うことにして、早速、インクリフィルを充填しよう。(2009/2/1) ![]() ![]() ![]() Go to Inside farming index page ![]() kawai@wmail.plala.or.jp 写真、本文とも Copyright(C) 河合果樹園 |