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Inside Farming Vol.184


大人買い


自分が靴フェチだと思ったことはなかったが、妻に指摘されて、そうかなとも思う。振り返れば、靴を一度に2足、或いは短い間に2足購入することが多かった。靴に関しては所謂「大人買い」を実践してきた。

農業をしていた頃はワークブーツを2足買いしていた。私は足のサイズが大きな方なので、冬場などに靴下を2枚履いて仕事をする際に履くワークブーツのサイズは27cmとなる。ラッキーな事に、このような大きなサイズの靴は売れ残ることが多いので、年に数回は激安で販売される。また、田舎では気に入った靴に出会うことが少ないので、激安の販売時に気に入った靴があった場合には迷わず2足購入していたのである。2足を同時に購入すると、それらを交互に履き回せるので、長持ちする。結局、お買い得である。

兼業農家になって事務所に勤めるようになったときにはビジネスシューズを持っていなかった。そこで、とりあえずビジネスシューズを2足購入した。確か、リーズナブルな価格設定のホーキンスのエアライトを、さらに特価で購入したように記憶している。それから一年後くらいにもう一度エアライトを3足買い増した。たぶん、この5足で5年は履き回すことができたのではないか。恐ろしい程、丈夫である(笑)。いや、すばらしい!。

 ここで、ビジネスシューズには流行がある。7、8年ほど前に購入したこれら5足のビジネスシューズはコッペパンみたいな先端が丸いデザインである。これに対して、昨今は、ノーズが細長く尖がっているモード系のデザインが主流である。このため、ここ数年は、年に1足づつ単発的に購入し、お世話になったホーキンスを1足、また1足と捨てていた。

 しかし、一度「流行」に乗ってしまうと、もう戻れないのが人の性である(流行に乗るとは浪費の始まりですね。)。このため、新しい靴ばかりを履いて、ホーキンスは靴箱の中。新しい靴だけが、どんどんと痛んでいく(ホーキンスさんに落ち度はないんです)。

 そこで、決心。大人買いである。今回は、清水の舞台から飛び降りたつもりでREGALである。20年以上も前の学生の頃には、私にとってローファーの代名詞であったREGAL。当時はトラッドのイメージが強すぎて(いや、学生にはハイプライスすぎて)購入できなかった高嶺の花。今のようにイタリア靴が一般的でなかった頃に、日本の高級靴といえばREGAL。とにかくREGALであった。
REGALには、現在では、少しモード系のラインが登場している。そこで、これらから2足を購入。学生の頃の想いを実現した、これこそまさに「大人買い」である。


いや、本当に、私も大人になったものだ。
と、ほくそ笑む私。何年かしたら今度はジョンロブを・・などと思う。

そんな私の横でブーツとハイヒールを手にして平然とレジに向かう妻(オイ、オイ)。そう妻の別名はイメルダ。私は清水の舞台から飛び降る程の決心の末の「大人買い」なのに・・・・アア・・・・負けた。(2008/1/18)





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