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Inside Farming Vol.146


2004年の防除暦の開示


 猛暑、局地的な豪雨、台風と、今年もたいへんな気象状況でした。大被害が予想された台風16号でしたが、被害がほとんど無かったのが幸いです。そんな中で、今年も河合果樹園ではもちろん減農薬栽培を実施しております。今年の問題点としましては、夏に晴天が続いたために害虫が多発した事でした。8月までの散布回数は8回であり、ふじの収穫までには後1回散布する予定です。通常より2〜3割少ない散布回数だと思います。また、10a当たりの散布量も300リットルであり、散布量でも減農薬になっています。なお、倍率の記載がない薬剤は規定倍率で散布しています。他の生産者に比べて、かなりの低農薬栽培になっていることと思われます。以下に本年の防除履歴を公開します。
1.4/15 ベフラン、マシン油乳剤(100倍)
2.4/29 スコア、カスケード、アプローチBI(1000倍)
3.5/1  石灰硫黄合剤(120倍)
4.5/15 ミクロデナポン(1200倍)、アントラコール
5.6/7  コロマイト、ダーズバン、ストロビードライフトアブル
6.6/27 ベフラン、アーデント
7.7/24 マイトコーネ、デミリン、キノンド
8.8/21 トモオキシラン、スプラサイド
 少し専門的な解説を致しますと、昨年から、開花期に散布するEBI剤を1回で済ませている点などに特徴があります。石灰硫黄合剤により代用させているともいえます。また、5月の中旬にミクロデナポンを散布することにより、殺虫効果と摘果作業軽減を図っています。猛暑が予想された6月の早い時期にダニ剤を散布したのは正解でした。低農薬栽培のため、害虫を完全に防ぐことはできませんでしたが、その害虫も許容の範囲だったように思います。

 ところで、本年は新たな農薬の散布マシーンを導入したところ、農薬の散布量が少なくても防除効率が良いということを発見しました。農薬の飛散(噴霧の状態や水滴の形状)が望ましい状態になっているのでしょうか。葉面などへの付着率がよくなったということなのでしょうか。今まではあまり機械の噴霧技術などを考えたことがなかったので、びっくりしました。減農薬を考える上でマシンも重要なファクタであると痛感しました。



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