kawai fruits banner

Inside Farming Vol.134


四半世紀アフター (お盆は同窓会)


 それにしても四半世紀とは、長い年月だ。その間に人は変わる。顔つきも性格も、職業も住む場所も、周りを取り巻く環境も変る・・・・・。

 「お盆にこれだけ雨が続いた記憶がないなあ」などとボヤキながら、中学校時代の同窓会に向かう。久々の・・というには少々久々過ぎる20数年ぶりの同窓会である。その間、音信は途切れたままだった。今回、熱意ある発起人の努力によって開催されることになったようだ(素晴らしい)。中学時代から四半世紀が経った今、中学時代の友人達に会う。懐かしくもあり、楽しみでもある。でも、なぜか不安。

 不安?。実は、園主は、時々病気か?と心配するくらい過去の記憶が欠落しがちな人間である(笑)。学生時代の出来事や、誰が同級生であったかなど、思い出せないことが多い。授業中の風景など、2、3シーンしか思い出せない。学生時代が暗かったかといえば、そうではなく、人一倍楽しんで生活していた記憶だけはあるのに・・である。だから、同窓性と昔話で盛り上がることができるのか?などと、妙な不安を抱いていた。いや、本当の不安はそんな事ではない。現在の園主の「在り様」が14、5歳を同じ空間で過ごした同窓生の目にどのように映るのか?。この事こそが最大の不安であった。

 会場の居酒屋を通り過ぎてしまうという軽いミスを犯しながらも、定時には会場に到着。すると既に30名以上が集まっていた。凄い!担任の先生も出席しておられる。
 飲んでいる同級生を見渡すと、みんなイイ顔をしているし、楽しそう。30人もいると近況などを話しながらお互いに確認しているうちに2時間くらいはあっという間に経過してしまう。園主も欠落した記憶がかなり甦る(病気ではなかった)。そして、四半世紀も経ってしまっているのに、みんな顔つきも性格も何も変っていないような感覚に陥る。「全然変ってないね〜」なんて言葉が飛び交っている(外部から見れば共同幻想だろうけれども)。不思議。

 盛り上がり、2次会へと向かう。1次会では底抜けにタイムスリップを楽しんだ皆んなの会話も、少しずつ現在の話題に。ここで、初めて、各人がそれぞれ歩んできた25年を知る。当たり前なのだけれど、楽しく順風満帆な人生を歩んでいる人間ばかりではなかったし、会話の行間に、それぞれの苦労や、この不況に立ち向かう姿を知ることができた。みんな大人になったんだね、という不思議な感慨。時空のパラレル感。

 四半世紀とは、長い年月だ。でも、青春期から、人はそれほど変らないものかも知れない。顔も変わらない。性格も、積み重ねた経験により少し深みが増して、角が取れたくらいの変化しかない。職業や住む場所や周りを取り巻く環境は変ってきたけれど、そんな事は、四半世紀という年月の中ではささいな事だし、実は、他人にとっては、それほど関心の無い事だ。
 そして、年月を経た現在の自分の「有り様」は、今まで生きてきた証。飾る必要もないし、否定する必要もない。ましてや、他人の評価を得る必要もないものであるとも知る。

 その日は、結局、朝4時過ぎまで飲んだ。楽しかった。10年後、また、皆んなで会えたらいいね!と、心のそこから思った(え、来年もやるの(笑))。

 p.s. その日、頭の中を流れた曲はBilly JoelのMY LIFE。
 I don't care what you say any more, this is MY LIFE.
Inside Farming Index
Go to Inside farming index page


kawai@wmail.plala.or.jp

写真、本文とも Copyright(C) 河合果樹園