2003年8月16日、お盆の真っ最中に積丹半島1周サイクリングを行った。
昨年もそうだが、夏休みの期間中は北海道はあまり天気がよくない。夏休み期間中、お盆明けの仕事を考えると出勤しておいたほうがいいので、天気の悪い日を選んで出勤していた。
夏休み中の職場は数人の職員しか出ていない。その中に最近自転車通勤をはじめた人(仮にAさん)がおり、話をしていると前回父の日サイクリングで走ったコースを63歳の年齢で走り、翌日は筋肉痛なしだったと聞き、「Aさんが100km近く走ったのなら30歳近く年齢の若い私はそれ以上の距離を走らなければ」と半分あせっていた。
夏休みの前半に利尻島や宗谷岬の道北を家族で周り、夏休みの終わりの土日に「キャンプに行くか?」と家族に問い掛けると、「行かない」と言って来たので、「じゃぁ今度の土曜日はサイクリングに行かせてくれ」という話になったのが金曜日だった。

前回、90kmちょっと走ったときに翌日、肩から首にかけてかなりの筋肉痛が残った。MTBはライディングポジションを代えることはほとんどできないのでそれが原因と思われた。で、今回はおんぼろロードレーサーを引張り出し、それで行くことにした。
このロードは昨年11月よりほとんど乗っていなかった。思いついたときに少し掃除するぐらいで、2時間かけメンテナンスをした。
メンテナンスが終わり、地図を広げどこを走ろうかとみていると、積丹半島1周はどうだろうと思い、距離を調べてみると200km以上あることが判明した。さすがに200kmはちょっときついと思ったが、途中まで車で行き、そこから走れば距離も少なくなると思いついた。
小樽の西隣に余市町という町があり、そこに「スペースアップル余市」という道の駅がある。余市は宇宙飛行士の毛利さんの故郷で、りんごが特産の町、それにちなんで「スペースアップル余市」というへんてこりんの名前が付いたようである。
出発 当日の朝起きて天気予報を見ると最高気温が25℃、天気は晴れ、絶好のサイクリング日和だった。車の上に自転車を載せ、朝7時に家をでた。余市までは距離にして約40km、40分ほどで道の駅に到着した。この時間であればまだ車も少ないと思っていたら、結構な量の車が止まっていた。ほとんどが道外ナンバーのキャンピングカーやワンボックス車で、道の駅に車を止め泊まっているようだ。

ロードを車から降ろし、8:00ちょうどに道の駅を出発した。今回のルートは国道229号線を余市→積丹町→神恵内→泊村→共和町→余市という積丹半島を半時計回りに1周するコース。ほとんど海岸を走り、その途中には「ろうそく岩」とか「神威岬」とかいろいろな景勝地が存在している。
ロードにまたがり走り出すとまず最初に思ったのが「こんなにハンドル幅が狭かったけ?」、ずっとMTBに乗っていたので、ハンドル幅が420mmほどしかないロードは非常に狭く感じた。また走り始めると走行速度が27km/h程度で走れ非常に快適に走れた。MTBで27km/hで巡航するのはかなりペダルを回さなければならない。しかし、どうもリアディレイラーの調子がおかしい、ギアを変えると勝手にギアチェンジしてしまう。リアのギアは8段あるが、勝手にギアが変わってしまうところが3段ぐらいあり、使えるギアが結構限られてしまう。
走り始めて2kmも進むと、上り坂が出現する。「出足平峠」という峠で2km程坂を登りトンネルを過ぎると下り坂になる。下り坂はロードではかなりのスピードになる。この下りで最高速度を52km/hを記録。坂を下りきるとまた海岸線にでた。海岸線に出ると海の中にロウソクが立っているような「ロウソク岩」出現する。豊浜トンネル
ロウソク岩を通り過ぎると長いトンネルに入る。このトンネルが平成8年の2月にトンネルが崩れ落ち、20人もの人がなくなった、「豊浜トンネル」である。当然新しいトンネルになっている。トンネルの長さが2km以上あり、車で通りすぎればたいしたことないが、自転車だとかなりの距離を感じる。
トンネルを抜けると古平町に入る。古平の役場を過ぎ、そろそろ出発し1時間を過ぎたので休憩をする場所を探したが、右手は海、左手は山という状況がずっと続いているのでなかなか適当な休憩場積丹ブルー所が見つからず。厚苫岬を過ぎたあたりの海岸側に張り出した歩道があったのでそこで最初の休憩をした。(9:15 距離22.5km)
自宅の近くの海でも充分綺麗な海だと思うが、積丹の海はさらに透明度が違う。スポーツドリンクをペットボトルの半分ほど飲み立ったまま5分ほど休憩し再出発。
走り出し5分もすると積丹町の市街地に入る。市街地を過ぎると海岸線から山側に入り結構きつい上り坂に入る。坂がきつくなったので、フロントのギアをインナーにチェンジしたとたん、チェーンが外れてしまった。すこしチェーンを戻すに手間取ったが、また、坂を登り始める。この日は最高気温が27℃の予定で、天気もよかったので3kmほどの坂道を登りきると体中から汗が吹き出てきた。坂の頂上で水分補給し下りを楽しもうと思ったが、上った割にはすぐ下りが終わってしまった。このあたりは海岸線から2・3km山側に入ったところで「婦美原野」というらしい。6kmほど続く原野を抜けると、下り坂が続く。この下りは道路の路面がアスファルトを敷きなおしたばかりで、路面のコンディションがすこぶるいい。どれぐらいスピードが出るかとドロップハンドルの下を握り、下りを楽しんだ。最高速度は53km/hになっていた。下り坂が終わるとまた海岸線を走ることとなる。
積丹半島は大きな海水浴場はないが、いたるところに小さな海水浴場が点在している。また海水浴場でなくても、海岸のいろいろなところにテントを張りキャンプをしている人が結構いた。
そろそろ、最初の休憩から1時間以上たったので、今度は腰をおろせる休憩場所を探し始める。
適当な場所がなかったので道路わきの空き地に自転車を止めがけ崩れ防止用のコンクリートブロックに腰をかけ休憩した。(10:30 距離43.2km)
車が通り過ぎていると結構うるさいが、車が途切れると波の音しか聞こえず非常に静かな海岸線となる。余市に行く途中のコンビニで購入したドーナツをほおばる。この時点で、自宅から持ってきた500mlのペットボトルは2本空になり、途中で購入した3本目も7割がた飲みきってしまった。15分ほど休憩し神威岬を目指す。5kmほどで神威岬だが、岬の先端に行くのは国道から離れさらにかなりの坂を登らないといけないようなので、先端に行くことは諦めた。
積丹半島の海岸線は非常にトンネルが多い。「豊浜トンネル」の事故以来、古いトンネルは新しいものと順序取り替えているようだ。新しいトンネルは照明を明るく、歩道もどちらかにあるので走りやすいが、古いトンネルは非常に怖い、トンネル幅が狭く、乗用車がすれ違うのがやっとぐらいの幅、大型車同士だとすれ違うのも難しいぐらいの幅である。さらに、照明が暗く、ライトをつけて走っていない自転車は全く見えないこともある。左側の道路の端を走っていくので、右腕に後方フラッシュライトを付け走っていく。あとトンネルで怖いのが「音」である。車がきている音は凄い音で聞こえるが、前から来ている車なのか、後ろから来ている車なのかがほとんどわからないので、とても怖かった。
神威岬から6kmほど進むと神恵内村に入る。神恵内に入り西の河原トンネルを過ぎたところで、3度目の休憩。(11:30 距離56.1km) 
オスコイ!かもえない道路の下の岩場には海水浴場ではないが、20人ぐらいの人が海水浴やバーベキューを楽しんだりしている。海に入っている人をみると、今年初めて「海に入りてぇー」という気持ちになる。その気落ちを抑えて再出発。
小一時間ほど走りそろそろ12時近くになってきたので、食堂を探すが、これといった食堂が見当たらない。しばらく先に道の駅があるので、そこでレストランがあることを願い、ペダルを回した。
道の駅「オスコイ!かもえない」に到着、レストランがあるのを確認し昼食をとる。(12:15 69.9km)
ここまで70km走ったせいか、出てきた「カツどん」がとてもおいしく感じた。
食事をすませ「いざ再出発」と自転車にまたがり、「?」違和感を感じる後ろのタイヤがパンクしている。
空気は完全に抜け切っていないが8割がた抜けている。チューブラーはパンクが多くスペアタイヤを3本持ってきていたのでタイヤを交換する。20分ほどで交換完了タイヤを交換するだけなのでそんなに時間はかからないが、接着剤が乾くまではタイヤを貼れないので多少時間がかかる。交換しているところは道の駅の駐車場のためたくさんの人が興味深そうに修理を見ていた。
13:15に道の駅を出発した。
神恵内の町に入り電話ボックスを見つけ自宅に電話する。私の持っている携帯電話はPHSのため、積丹半島では全く役に立たない。札幌市内や小樽市内では問題なく使えるが、少し田舎に行くと使えずそろそろドコモの携帯電話でも買おうかなと思いながらもペダルを回す。神恵内の市街地を抜けると、海岸線が入り組みアップダウンが続くようになる。
しかし、MTBに慣れてしまうとロードのデリケートさにはやはり気をつかう。アスファルトの1cm程度の段差にも気を使う。それこそ道路にかいてある白線にタイヤを取られることもある。MTBなら何にも考えず走る状況もロードでは神経を使う。
しばらく走ると、泊村に入る。泊村は有名な「泊原発」があるところである。原発がある町はどこでもそうだが、役場やいろいろな公共施設がとても立派だ。今までの役場とは全く作りが違う。役場を過ぎたところに公園があり、ゲートボール場のあずまやを発見したので、そこで休憩することにした。(14:10 距離87.7km)
非常に綺麗なゲートボール場だがあずまやのベンチの下にバーベキューセットとごみが投げ込まれていた。誰かがココでバーベキューをしてそのまま捨てていったものだろう。海岸線を走っていて、キャンプ場でないところにテントを張ったり、バーベキューをしてごみをそのままにして帰る輩が非常に多いのがとても気になる。
15分ほど休憩し再出発。それにしてもここまでにペットボトル4本分(2リットル)の水分補給をしている。最高気温は27℃で北海道では充分暑いが、本州でサイクリングをしたら一体どうなるんだろう。
泊原発を過ぎるとすぐに共和町に入る。共和町に入ると229号線から道道269号線に入り、海岸線から内陸部を走ることになる。
しばらく走ると国道5号線に出ることになる。5号線にはいると本日のメインイベントである稲穂峠(標高226m)を超えなければならない。それに備えコンビニでペットボトルと菓子パンを購入。泊で休憩してから1時間経っているが、稲穂峠を越えてから休憩することとした。
国富から5号線にはいると、交通量が一気に多くなる。通常でも多い交通量だがお盆休みの帰省ラッシュなので、絶え間なく車が通り、結構怖い。国富から稲穂峠までは約10km、初めの5kmほどは緩やかな登りなので20km/hぐらいの速度で上っていける。峠の手前3kmぐらいからは結構な上り坂で一番軽いギアで上っていく。峠の頂上手前2kmぐらいで車が渋滞しはじめる。車の横をえっちらおっちら通り抜けて行く。
峠の頂上にトンネルがある。トンネルの手前が頂上になるがトンネルを越えてから休憩することにした。このトンネルが一番怖い。トンネルには歩道もなく幅も狭い。交通量が少なければセンターラインをまたいで車は追い抜かしていくが、対向車稲穂峠も絶え間なく来るので。心あるドライバーは対向車が途切れるまで追い越しをしないで待っていてくれるが、心無いドライバーは私の横20cmぐらいを平気で追い越していく(よくこんな運転ができるもんだ。少しでも自転車がふら付けばそれで接触するのに)。それにしてもトンネルの端は路面状況が悪い、SPDペダルも当然セットせずに直ぐに足を地面に付けるように走っていく。
恐怖のトンネルを過ぎ、道路わきの空き地で休憩。(16:00 距離114.9km)
コンビニで買った菓子パンとスポーツドリンクを飲みながら、後残りの距離がどれくらいなのかを地図から読み取っていると、目の前をロードレーサーに乗った人がものすごい勢いで走りすぎていった。本日はじめて遭遇したサイクリストである。
15分ほど休憩し再出発。ここから4・5kmは豪快な下り。40〜50km/hのスピードがでる。最高速度54.3km/hを記録した。考えてみれば路肩の1mぐらいの幅を路面状況が悪い中50km以上のスピードで走るのは結構到着怖い。路面が悪くなりブレーキをかけたってなかなかとまらないし。もし50km/h以上のスピードでバーストしたらと考えると、思わずブレーキをかけて40km/h台にスピードを落とした。
後は余市に向かってペダルを回すだけである。仁木町の市街地に入ると、突然PHSが鳴った。自宅からである。「今どのあたり」と聞かれ後30分で「余市に着く」と答える。
17時10分、余市の道の駅に到着。
心配していたパンクも1回で済み、無事に余市に到着した。喉が渇いたので、缶コーヒーを買い一人で乾杯した。

5時を過ぎると日が傾き始め、すっかり秋の気配。そういえば途中でせみの鳴き声を聞いたが、稲穂峠では赤とんぼとススキも発見した。北海道ではお盆を過ぎるとつるべ落としのように一気に冬に突入してしまう。

走行距離 133.69km
走行時間 9時間10分
実走行時間 6時間22分
平均速度 20.9km/h

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