Know-How P08 【確定申告】

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給与所得者にはなじみの薄い確定申告ですが,新居を獲得した際にはいくつかの税の優遇を受けられますので,ちょっとめんどくさいですがしっかり申告しておきましょう。
HydeとKumadonが住宅取得に関連して行った申告は”住宅借入金(取得)等特別控除”と”住宅取得資金等の贈与を受けた場合の特例”の摘要です。

確定申告の時期

住宅を取得した年の翌年2月から3月の確定申告の時期に行います。
Hydeの場合,平成15年中に取得しましたので,申告は平成16年2月に行いました。

住宅借入金(取得)等特別控除

住宅用地の購入費や住宅の新築・購入・増改築費用にローンを利用した場合に適用される制度で,平成13年7月1日から平成16年12月31日までの取得・入居に限り,10年間にわたって最高500万円の所得税の税額控除が受けられるものです。
この制度は平成16年度以降は段階的に縮小されるそうです。
居住年 控除
期間
住宅借入等の年末残高 適用年 控除率 税額控除
最高額
減税総額
(最高額)
平成13年
〜平成16年
10年間 5,000万円以下の部分 1〜10年目 1.0% 50万円 500万円
平成17年 10年間 4,000万円以下の部分 1〜8年目 1.0% 40万円 360万円
9〜10年目 0.5% 20万円
平成18年 10年間 3,000万円以下の部分 1〜7年目 1.0% 30万円 255万円
8〜10年目 0.5% 15万円
平成19年 10年間 2,500万円以下の部分 1〜6年目 1.0% 25万円 200万円
7〜10年目 0.5% 12.5万円
平成20年 10年間 2,000万円以下の部分 1〜6年目 1.0% 20万円 160万円
7〜10年目 0.5% 10万円
(平成16年度税制改正大綱より)
控除対象となるローンの残高は5,000万円までで,下記の条件を満たす必要があります。 控除額の計算式は,
[住宅の取得等に係る借入金等の年末残高の合計額のうち5,000万円以下の部分の金額]×1% (但し,所得税納税額が限度)
です。
不動産が登記上共有名義で,連帯債務あるいはそれぞれの単独名義のローンがあり,かつ,夫婦共に所得税を払っていれば,夫婦それぞれについて住宅ローン控除を受けることができます。
この場合,”年末残高の合計額”は各人の共有持分比で算出しますので,個人としては年間最高50万円までしか控除されないものが,連帯債務等の場合なら50万円を越えて控除されることもあるわけです。
ただし,あくまでも連帯債務か各人の単独名義のローンでなければなりません。
連帯保証人では控除を受けられませんので注意が必要です。

ここで注意したいのは,「10年間で最大500万円の控除を受けられる」とのPRから,短絡的に「500万円浮く!」と錯覚しないことです。
ほとんどの人は”ローン残高の1%”と”源泉徴収税額の80%”のいずれか少ない額しか還付されないと思います。( 還付金を計算するスクリプトを【還付金の計算】で公開していますのでお試し下さい。)
制度的には確かに最大500万円まで控除されるのでしょうが,この条件は多くの人には当てはまらないのではないでしょうか?
最大の500万円控除される条件は,上記の諸々の条件に該当し,更に以下の条件をクリアーしなければなりません。 例えば課税所得に対する税額が175万円の人の場合,定率減税額は175万円×0.2=35万円>25万円なので,源泉徴収票の年調定率減税額は25万円と記載されているはずです。
源泉徴収税額は175万円−25万円=150万円ですね。
この人が残高5,000万円のローンを抱えていたとすれば控除額は5,000万円×1%=50万円ですから,差引所得税額は175万円−50万円=125万円です。
この125万円に対して定率減税を計算しなおしますので,減税額は125万円×0.2=25万円となります。
還付金は150万円−(175万円−50万円)+25万円=50万円となり,計算上は確かに還付金が50万円となりました。
これが50万円の控除を受ける最低ラインです。
源泉徴収票の源泉徴収税額項に150万円以上の金額が記載されていますか?

以下,申告の際に必要な書類等です。
土地の取得のために融資を受けた場合にも控除が受けられますが,別途書類を準備する必要があります。
建物
家屋の登記簿の謄(抄)本(登記事項証明書)や請負契約書,売買契約書等で次のことを明らかにする書類(写し)    
(1) 家屋の新築又は取得年月日 法務局で家屋の登記事項証明を入手
(2) 家屋の新築工事の請負代金又は取得対価の額(住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の取得の対価等の額の欄に記載がある場合は不要) 建築請負契約書
設計・監理業務委託契約書
施主支給品代金の領収書
…の写し
(3) 床面積 登記事項証明でOK
住民票 役所で入手
01/01以降に発行されたもの
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合はそのすべての証明書) 融資先から入手
借入金等の年末残高の計算明細書(家屋が共有のときや住宅借入金等の年末残高の合計額が家屋の取得価額を超えているときなど一定の場合に添付) 税務署に用意されているらしい
(使っていないので不明)
給与所得の源泉徴収票 職場から入手

土地
土地等の登記簿謄(抄)本(登記事項証明書)や売買契約書等で,土地等を取得したこと,取得年月日及び取得対価の額を明らかにする書類(写し) 法務局で土地の登記事項証明を入手
次に掲げる土地等の先行取得の場合は区分に応じて,次の書類    
金融機関・地方公共団体又は貸金業者から借り入れた借入金(家屋の登記簿の謄本又は抄本などで,家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類) 登記事項証明でOK
略(建築条件付きの場合)    
略(建築条件付きの場合)    

住宅取得資金等の贈与を受けた場合の特例

2004年(平成16年)現在,二つの制度(暦年課税相続時精算課税)から選択することができます。
  非課税枠 適用条件 適用期間
暦年課税 550万円
(通常は110万円)
年間所得1,200万円以下の者が父母又は祖父母から受ける住宅購入等の資金の贈与 平成17年12月31日まで
相続時
精算課税
3,500万円
(通常は2,500万円)
20才以上の子が親から受ける住宅購入等の資金の贈与 平成15年1月1日から
平成17年12月31日まで
以下,申告の際に必要な書類等です。
住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算明細書 税務署に用意されている
住宅取得資金等の贈与を受けた日の属する年分の給与所得の源泉徴収票など 住宅借入金(取得)等特別控除に原本を添付するのでこちらはコピー
住宅取得資金の贈与を受ける前5年以内に自分又は自分の配偶者の持家に住んだことがないなどの証明書として,賃貸住宅に居住していた人は賃貸契約書の写し,親の家屋に住んでいた人はその家屋の登記簿謄本等 引っ越しの際に捨てないように!
居住の用に供した日以後に作成された,戸籍の謄本又は抄本と戸籍の附票の写し(戸籍の附票の写しは新築又は取得をした住宅用家屋の所在場所がその者の住所として記載されているものに限る) 本籍地のある役所で入手
新築又は購入をした住宅用家屋の登記簿の謄本又は抄本 住宅借入金(取得)等特別控除に原本を添付するのでこちらはコピー


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