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6月1日

6月になりました。
ワールドカップの日本での試合が今日から始まります。
3時に顔を出すと、髪を洗ってもらいスッキリした顔で迎えてくれました。昼には 食事も出来たと嬉しそう。
水分も自由な為…おいしい水が飲みたいと、水道水ではない水を届けました。
ナンだか…昨日とは違いホッとします。
6時に面会すると…全く元気がない!
気持ちが悪い! 血圧が低い! やはりオシッコの出が悪い!
私と娘がいるので、懸命に目を開けようとするが…、…。
”気にしないで、眠っていいよ!”と言うと答えて、手を動かしたり、足を動かしたり…でも、目はうつろ…
なのに、息は眠っている時のようです。見ている私達のほうが、怖くなり、どうしていいか…???
このまま、どうなるのかしらと?!?!?見ているのも辛い!
先生がいらして ”術後ですから、毎日 波があって当然です。いろんな機能が回復するまでは…”
”明日は 何か好きなものを差し入れしてください。”と言って説明を受け、納得!
分かっていても…焦ってなくても…辛そうだと心配です。
私と娘は、後ろ髪引かれる思いで病院を出ました、2人ともまた、夕食を食べる元気がなくなりました。 
                                           M

6月2日

昨日の主人の様子が気になり、なかなか寝つけなかった。
私まで食欲がなくなり…食べたいものがない!あんなにあった食欲が…たまにはいいか…!
家の事をやりながら…何を持って行ったら食べてくれるのか…?考えてました。
メロンを食べやすく切り、グレープフルーツをむいて用意しました。
3時 顔を見るのが不安。   
でも、昨日とは違う…内心ホッとする!メロンとグレープフルーツを美味しそうに食べてくれる。
オシッコの管が取れ随分と気持ちがいい!ヤッパリ…時間が一番の薬です!
6時の面会に、修学旅行に出かけていた次女が何とか間に合った。手術の日から出かけていて
主人も次女もお互いにどんなに気になっていたことか?!2人ともやっと安心したようです。
娘の目にはどんなふうに見えたのでしょう…たくさんの点滴、痛々しい姿に…ナンだか途中経過
を知らないだけに、複雑だろう!
明日には普通病棟に移ると言われ、嬉しさと、まだ早い、と両方の気持ちです。
まぁーゆっくりやって行きましょう。  M     

6月3日

普通病室に戻ってました。
でも、期待していた 点滴の数は4本と変わりません。
次女と2人で出かけたので 主人が背中の傷を見せてくれました。ワぁーこれでは…と思いました。
今のベッドが電動ではない為、体を起こすのがとにかく大変!ベッドにひもを結わいてそれをたどる。
起きる度、横になるたびに娘がベッドの足元に行ってレバーを回す…なんと古い…余り大変なので
明日には交換してくれるそうです。
食欲がないため…点滴がとれないそうです。水分も余り取ってない…これも原因の一つなのです。
何気なく食べることを、当たり前にしてきたけど…人間にとって 口から物を食べることがこんなに
大切とは…人間は正直です。
大きな声の 主人があまり大きな声が出ない!
でも、夕方先生がいらして H先生が ”心配していた、肺と気管の繋ぎ目は順調です。朝晩の
血液検査も1回づつ良くなってます!!”これは力強い言葉をいただき安心しました。
一番心配な所が 順調!  後は、外からの元気だけです。 ガンバレ!     M
 
 

6月4日

ワールドカップ、日本対ベルギー戦これを見ることが主人にとって、病室の目標でした。
同室の方々に、予定どうり戻ってきたね!と言われ嬉しそうです。
所が、2時から気管支鏡・・・昨日から嫌がってます。
少し調子が戻ると…この検査で、熱を出すのです。検査の日は食事も食べられない!
今日も ダメージが強くて…その後は 熱が上がりまた、目も開けられない…!
熱があるから、水分も不足、オシッコもでない、食欲もない、悪循環の1日でした。
でも、検査の結果は、 順調!  これは大きい!
今日から始める予定の 歩行練習も明日に…。歩くという事が大事なのです。
肺機能の回復、癒着防止、肺炎防止、筋肉の衰え防止、今は、どんな大きな手術の後も
早くから 身体を起こしたり、歩いたりする訳です。明日にはできるといいのですが…?
均さんにとって、余りに順調では軽く考えてしまうので 今まで2年間も癌と闘って来たのですから
これからも焦らずに、少しづつ、少しづつ良くなってくれれば…。
病室でも、サッカーに沸いてました。次回のロシア戦は楽しめるとうれしいなぁー。  M
                                                

6月5日

久しぶりに買物して病院へ、せめて元気に見えるようにと 明るい色のパジャマを買った。
また食欲がない、おしっこが出ないと言うので、スイカなら利尿作用もあるので、すぐ食べられるようにして
持って行きました。
部屋にはいなく…検査…?何の検査…?肺に何か写っている…?????
パジャマも腹帯も血がついて汚れている。
元気もない…慌てて着替え、何かあったの…??と聞くけどハッキリしない。
とても 疲れているようで、フー、フーと言って寝てしまう。
長女は学校の空き時間に来ていたけど、あまりに寝ている姿が辛そうで、心配しながら学校に戻りました。
今日は、熱もないようで安心したのに…何だか ”おかしいのです”
見えないものが、見えると言ってみたり…でも、自分で分かっていて、”変なこと、いってるね!”と
言うのです。 とうとう頭に何かあるのかしらと…不安になります。
でも、熱が落ち着いている為か 夕方にはしっかりしていて お見舞いに来てくださったHさん、Yさんと
話もでき…あぁ本当に良かった!
学校帰りの次女が来て、主人の顔を拭くやら、いろいろ世話をやいていました。
主人に 「明日から、朝からきてほしい」と言われました。
体を起こすのも、トイレもとにかく大変なのです。幸い私は今する事は、主人の事だけなので…子供達も
大きくなり自分の事をしてくれるので、随分違います。
お父さんにとにかく付いていてと言ってくれるので…助かってます。      M
 

6月6日

朝一番に病院に…今日はまた、熱。
でも、体を拭いたり、パジャマを着替えたり、飲み物の準備をして、主人の寝ている間に買物に出る。
何とか食欲を戻して欲しくて三越まで出かける。
外は夏の暑さ、陽射しがまぶしい。
昼に間に合うように戻り、私も一緒にお弁当を食べる、やはり1人より2人がいいのだろう。
お弁当も美味しかったようで いつもより食べてくれて嬉しい!
午後の安静にする時間にもレントゲン? 熱も下がってないし大変そう・・・。次は傷口の消毒、
少し怖いもの見たさに見てしまった傷…私のほうが痛くなり顔をしかめたくなる。
先生は その傷口の周りに大きな注射をうち、確かに何か調べている???
背中から腰まで右半分は赤く、腫れていて、本当に痛そうです。消毒の後傷口を触った為、
また、熱が上がる。
少し休んでいると、また、レントゲン!また少し休んでいると、今度はCT!
本当に、一体何があるのか??昨日から心配でした。
疲れたのか?熱の為か?主人は辛そうな顔して寝てしまう。会社から3人の方が、顔見に来て下さったけど・・・
全く起きる事もなく、ほんの少し話してすぐ眠る…Iさんが来て下さったけど…やはり全然目を覚ませない。
さすがに、私も不安です。
6時過ぎに食事が来ました。やっと起こして、私も次女も一緒に食べるからと食べてもらう。
余り進まない様子ですが…私達が一緒なので、看護婦さんに 「みんな一緒だと美味しいでしょう」と
言われいつもよりは食べたかも…?
7時までの面会時間までに、いつも 歯磨き、トイレを手伝います。
そしたら、T先生に呼びとめられて 「奥さん、2、30分待ってもらえますか?昨日とその前のCTの写真を
見てください」 と言われる。何だか急に不安になりました。
次女が一緒だったのでいいですか?と尋ねると 「どうぞ!」 と写真の見える部屋に…。
CTのフイルムが6枚、昨日と今日、娘がいたので T先生はまず、CTの見方、CTは体を輪切りにして
1センチ間隔で映し出されている事、前(お腹側)後ろ(背中側)そして映し出されている各臓器、骨、筋肉、
など全ての見方を説明してくださったので…
私も2年間なんとなく見てきたCTの見方を今日はっきり理解できたように思います。
今までは、先生に言われるままに、「これが、肺でこの丸いものが、影が、癌です」と言うふうにしか言われて
ないので… 今日まで 本当の意味で見方が分からなかったのです。
今日の見方の説明で、高校生の娘でもすぐに理解できました。
なんでいろいろ検査をしたのか?わたしもずっと疑問におもっていたこと…、そして、なぜ術後の調子が
こんなに悪いのか…???

説明が始まりました。
術後に検査済みの抗生剤に急に反応を起こし、体に湿しんが出たこと、その為に抗生剤がうまく使えなくなった
こと…
手術できた傷の右側に炎症を起こし始めたこと…術後の、腎機能低下が思った以上悪く、オシッコの出が悪く、
熱が出る。そして、熱や炎症があるために 軽い脱水症状、血液中にいなければいけない水分が、このような
状況のため…逆転して、胸水として少し水がたまっているという事。
このような事は、術後考えなかった訳ではないけど…手術で取った肺と繋いだ気管と肺のほうが最も問題だった
のです。所が、1番大きな問題の所は、有り難い事にキレイにくっついてます。放射線の治療により、大変なダメ
ージを受けていたのですが…なんとか順調です。内視鏡の写真で確認させてもらい、安心しました。術後考えて
いた。問題点の最も低い位置の事が出てきてしまったわけです。朝、晩調べる体重の変化、血液検査。これに
より、どこかに炎症が一つ、体重が下がらないことが一つ。その為にもしかして水がたまっているのかなどと考え
すぐ レントゲン、CTで確認したと言うわけです。    

納得!! 先生は、「とにかくこれ以上炎症、胸水がたまらないように治療します」と言ってくれました。
思ったように改善できなければ…入院が長くなるようです。私は「いいです!とにかく良くなるようにお願いします。」
と頼んできました。 そして、気になっていることを聞いてみました。
主人の眠りが…おかしいのです???
眠っている顔が、辛そう、息が荒い、手が落ち着きなく動く、見えないものが見える?!話がかみ合わないなどです。
子供達が心配で、怖い、頭大丈夫だろうね!などの話がでるくらいです。
先生は笑って 大丈夫!!と言うけれども・・・。
大きな手術を受けた人は、自然と強いストレスを感じていて、不安を感じ、また、ICU、ICUの予備室などに長時間いると、
周りに見えるものが天井、カーテンなどと決まってくる為に、だんだん気持ちが変になるので、時期を見ながら
患者の部屋を移動して環境を変えるのだそうです。
体のバランスが良くなり、時間と共にそういう症状はなくなります。
健康で何も気にしていない私達には、考えられない事です。
でも、思いきって質問して良かった!娘と私は先生のいろんな話で どんなに気が楽になったことか。
先生方、看護婦さんには助けられる事ばかり…感謝しています。
明日からは、本当に焦らず見て行けます。  先生 ありがとうございます。 M
 

6月7日

昨日の説明は、主人も聞いているはずです。
朝、また熱がありますけど…顔は元気そうです。
外は、真夏のような暑さ!でも、晴れているので気分は違います。
午前中にレントゲン、午後には傷口の消毒、先生が見せてくれました。本人でなくても…見るだけでも痛そうで…
先生も 「僕も、痛いのは苦手です。仕事だから出来るのです…」なんて笑ってました。
傷口が赤いのも昨日より落ち着いてきました。今日の血液検査は昨日より良くなって来ているとのことです。
体は正直です!昨日と違い今日は起きている時間が長くなりました。
3時過ぎMさんがお見舞いに来てくださった時も、話が出来安心してくれました。
気分が良い為、髭も私が剃りました なんと難しい!でも、なんとか終わり、看護婦さん達に 「すっきりしたね!」
と必ず声を掛けられます。

5時半過ぎ、長女と長女の親友Sちゃん、Sちゃんママも来てくれて、華やかなお見舞いに元気100倍です。
6時過ぎ私の友人H君と今日はいろんな方が来て下さいました。
皆さんに、少し元気な所を見ていただけたので…良かった!
後は、食欲だけです。   M
 

6月8日

昨日に引き続き熱も落ち着き、随分と楽そうです。
午前中の、傷口の消毒の時も見せてもらう。やはり、赤味があり 痛そうです。
でも、随分と気分がいいのでしょう…?! 看護婦さんに髪も洗ってもらい、体もキレイに拭き、着替えも終え、
今日は
最高です。  これが、本調子なら…何も言う事なし!
午後からは、肺機能の回復、足腰の筋力をつけるため、とにかく歩く。いろんな点滴と共に10階をグルグル5周しました。
そのおかげで…お腹も程よくすいたようで、夕食も食べてくれて、これで大丈夫!
娘達が顔を出さなかったので…ちょっと寂しいと言っていたけど…子供達は久しぶりに家で食事ができる用意をして
くれているはず
だよ。と私が言うとそれを聞いて主人も納得したようです。 M
 

6月9日

私達夫婦には、記念日がいくつかある。
ここ2年間は、癌に関することばかりです。 今日は、2年前に「肺癌です!」と言われた 忘れられない日です。
2年経ちました…3年目に入ります! あの時は今日の日があるとは…思いもしませんでした。

朝、「おはよう!」と声を掛けて カーテンを空ける…。この時の主人の顔で、今日は元気、それともちょっとダメ
かなぁーが 分かるようになりました。今日は…ダメ!
熱もないのに、全く元気がない! 身体がだるい!身体がだるい!と言って、眠るばかりです。
でも、次女のお土産のチーズケーキを少し食べたり、長女と一緒に歩いてみたり…それが、私には無理しているように
見えて仕方ない。
夕食は、殆ど食べれない…横になる。  おかしい・・・?熱を計ると37、7℃…やっぱり熱!
日本対ロシア戦を見る準備は万端!9時でTVが消えるので、その後はラジオの準備もOKなのに…この調子じゃダメ
かもね。準備OKで帰ろうとしたら、T先生が、手術で取った 肺の断面図を見せに来てくださった。
断面図は、ナンと言っても リアルです そして上葉肺のどの部分に 癌があったのか…正確にわかりました。
どの部分が 癌で どのように広がったか…広がった部分の癌の微妙な違いなど、しっかり見せてもらいました。
そして、先生は 「とにかく取りきりました」と言ってくれました。
娘に、「いつでも、見せて欲しかったら…言いなさい」と、また、すべて後で下さるそうです。
いつも 偶然ですが、説明を聞く時 次女が一緒なのです…それで、高校生にもわかるように気をつけてくださる為
私も助かります。

主人が、見れたか、聞けたかは別として…ワールドカップ日本は 史上初の勝利!
私は、勝手にこの勝利が…我が家にも来ると思うことにしました。 M
 

6月10日


朝から、熱、38℃、顔は真っ赤、何も食べられない!
私の作った物ならと言われ…朝からお弁当を作ってきたのに…残念!
とにかく辛そう、でも何もしてあげられない…本人も、どうして…?と言う顔で私を見る。
血液検査のデータは少しづつ良いのに…先生も何回も見にいらっしゃる。
熱の為、関節が痛く足がだるい!身体の置き場所がないと言う、口も渇く、ただ先日頂いた桃だけが唯一
美味しいという…なんでもいい、食べられるものがあって。
昼食も食べたのはうどん数本…やはり食べられない。とうとう38、5℃と、どんどん上がる。
氷枕とタオルでおでこを冷やし、左手の腋も冷やすとやっと眠り始める。
今日は、次女の友人のお母さんと主人の高校時代の友人が来る事になっていて…喜んでいたのですが…
これでは…??
CTに呼ばれ出かける、38、7℃まで上がる、先生が体力の消耗を防ぐため 「もう、切りましょう!」と言った。
Sさんと、Tさんが来てくださるが本格的に治療が始まる。
高校時代の友人が来てくださった頃にはもう、処置室へ。30分ほどで戻ってくる。
かなり痛い思いをしたようです。大量の膿を出し、穴を開けドレーンをつけて戻ってきました。
痛かったけど…悪いものが出るので熱は見る見る下がり始め、待っていた友人と話す事が出来るぐらいに
回復しました。
術後の抗生物質にアレルギー反応をおこし、腎機能の低下がこんな事になるなんて…?!
でも、なんとか熱が下がり身体も随分楽になりました。
看護婦さんが、「随分 痛かったと思います!よく我慢されてました」とおっしゃってくれました。
熱が下がり…お腹もすいたようです、朝から殆ど食事が取れてないので…夕食は、少し食べられました。
回診でいらした先生に 「先生どうですか?」と聞くと「ドレーンをつけたので…入院が長くなります」と言われました。
まぁー仕方ない!時間をかけてゆっくり治すしかない!
ワールドカップの勝った余韻を持って病院に出かけたのに…一変…上がったり、下がったり、ホッとしたりの
変化のありすぎる、ながい1日でした。なんだか…少し疲れました。でも、帰りには楽そうな顔だったので 
良しとしよう!!
これで、ひとやま越えたかも….。     M

  6月12日

 外は 30度と言う真夏日です。暑いけど病院通いの私には雨無しの日が助かります。
入梅したら…大変だろう?!
 
今日は、朝の 「おはよう」で元気だとわかる。
ドレーンにはスゴイ量の膿などがたまっている…こんなものが身体にあれば 熱 が出ても当然です。
食欲も戻りつつあり、一緒にお昼を食べても美味しそうで見ていてもうれしい!!

午後先生が見に来る。
今のままで行けば・・・胸の水も取らなくても・・・?!とにかく様子を見ましょう。
おそる、おそる・・・「先生 少し時間かかりますか?」 掛かりそうです、6月はまず 無理!7月…どうなるか?
覚悟をしていたけど…やはり時間掛かる この際徹底的に治してもらいましょう!
なんとなく、主人も、私もそんな気がしていました。
2年間、癌と言う病気を持ちながらここまで頑張ってきたので、今は、身体を治す事だけ考えましょう!

午後は、心地よいいびきを小さくかきながら…気持ち良さそうに眠っています。
寝顔を見てこんなに安心した事はありません。
3時過ぎ、シカゴのKさんがお父さんと一緒に来て下さいました。
メールで知り合い以前からの知り合いのように思ってみましたが、この時 ”初めまして”でした。
若い息子さんは、お父さんの為に一生懸命です、ガン患者のお父さんも横でニコニコ話をしながら…穏やかです。
どう見ても…癌患者には見えませんでした。
治療に対し、いろいろ考え、悩み、これからを考えている息子さんは 本当に頼もしさを感じました。
こうして家族が一緒になって考える…気持ちが安定、これは必ず、良い結果を呼ぶに違いない!!
”病は気から”コンな言葉がありますが…気持ちの安定は、とのかく大きい!

その後、会社の方が顔を出してくれて…今日の主人は、誰にお会いしても安心してもらえるでしょう。
術後、一番気楽になれた1日です。どうぞ、明日もそうであってください!!     M
 

6月13日

今日は、差し入れに金沢のカレイのから揚げ、甘えびのから揚げ、私の父が楽しみで作っている野菜で
サラダを作って持って行きました。病院の食事でいっぱいなのですが…先生に何を差し入れてもらってもいい!
栄養つけてあげてくださいと、言われています。
食べる姿も力強くなってくまた…ただ、食べた後は体力を使うのか? 汗かいて、ため息つくのです。
健康な時の主人からは、想像もつかないことです。
術後とは…こんなに体力が要るのかと、改めて思い知らされました。
ここ3日間は熱も出なくなり…日に日に回復しているのを感じて、なんだか全ての人に、ものに感謝したい気持ちです。
急でしたが、金沢から主人の母、姉、叔母さん2人が、どうしても心配で顔を見たいと、会いに来て下さいました。
とにかく、いろんな方に心配してもらい、応援してもらい、主人は 幸せ者です!
そうそう、今日ベッドの位置を変えてもらいました。
今までは、入り口の周りは 白い天井と黄色のカーテンしかなかったのです…奥の方に窓が見えその方向には
我が家も、会社の方も見えるのです…そして何より明るい!お願いして、その明るい所に移る事ができ、気分は
最高です!
会社からは、上司のMさんが、仕事関係のHさんとYさんが顔見に来てくださり、元気そうで…皆さんホッとしたと
言って下さいました。
だんだん、いろんな方と会えるのが楽しみになってくる事が、元気な証拠になるでしょう!
今日も1日熱を出さなかった!1週間続けば本物です。 ガンバレ!!    M
 

6月14日

今日は、日本対チュニジア戦です。
前の2回は、楽しみにしていたのに体調の悪さで楽しめませんでした。
今日は、大丈夫かな???

午前中に、本社より 社長、専務、東京営業所の統括の3人の方がいらっしゃった。ここの所見違えるほど元気に
なったので…3人とも安心して帰られました。
次女の友達のお母さんより連絡があり、3時半からの学校の用事に出かける事にしました。
その間に、金沢からの主人の母、姉、叔母さん達がいらっしゃるけど…高校生の次女には何も出来ないでいます。
その時間はサッカーで一番楽しい時なので…また、主人も少し余裕がでてきたのでしょう、行っておいでといってくれました。
1度家に戻り着替えて、久しぶりに高い靴、少しオシャレして出かけました。

戻った時は、サッカー日本勝利で、全ての人が勝利に酔っているように思われました。
この記念すべき試合を元気に応援する事が…今までの楽しみだっただけに、本当に良かった!

夕方、神奈川にいらっしゃる叔母さんと、従妹もお見舞いにいらしてくださり、賑やかで、楽しい1日でした。
また、主人の同級生のIさんも…Iさんが前に来てくれた時は最悪で…目を開けるのがやっとでした。
鏡は以前より元気そうで良かった!

帰りに先生から、そろそろ炎症部分の消毒も始めますと言われました。
一つ、一つです。
追伸
 今日の担当の看護婦さんSチャン、とても可愛い娘さんです、私達に早く子供が出来ていれば…この位の年齢でしょう。
 そんな娘のような年の若い看護婦さんが、「堀さん、大丈夫…疲れてない?」と私に声をかけてくれました。
 「ありがとう、大丈夫」と言って答えた私ですが…エレベータに乗ってから、あまりの優しさに涙が出てきました。
 正直疲れてます。疲れて子供達とぶつかる事も、また寝不足も…そんな時だけに…この言葉が身にしみました。
 ありがとう!まだまだ頑張れます。力が湧いて来ました。
                                           M

6月15日

6月も気がついたら半分まで来ました。
順調なら…もう退院している予定だったのに…などと話しています。

体調は、日に日に良くなっているのですが…血液検査の結果もです。
傷口を洗浄する予定が…一部止めなおしになりました。なんか全てが空回りしているようです。
ただ、本人の元気は以前と違う事と、熱がでなくなっただけでも随分楽になりました。

今まで、大変だったから書くの忘れていたけど…術後、一番大きな事、血痰、あのひどい咳がなくなりました。
咳するたびに出る血痰にビクビクしていました。そして、咳の為に腰まで痛めてましたがそれもなくなりました。
いろいろ大変だったので…また、術後これが当たり前になっていて、つい忘れてました!!
これは 大きな幸せです!!!!!

東京に単身で6ヵ月間仕事になった、甥がお見舞いに来てくれました。
私から見ると随分元気になったつもりだったのですが…彼は2、3ヵ月ぶりに主人に会ったのでかなりショックだったようです。
見た目も6キロは痩せましたから…と言うより利尿剤で搾り取ったようです。
おかげで…若い頃の主人に戻ったようです・・・・・?!
落ち着いてはいるけど、この先どうなるのか…?考えさせられた1日でした。     M
 

6月16日

父の日 とうとう病院でした。
退院の時に履いてもらうスニーカをプレゼントしました。

日曜日だけど…先生に話聞けるかな・・・?????主人は先生はもうすでに顔見に来たと言うので、残念!
でも、またいらっしゃったので聞いてみました。
  なんで傷の治りが悪いのですか?
     「放射線治療した所の皮膚が、ミイラ化していて血管が通ってないため、とてももろい!」
  腎機能は?
     「もう、大丈夫です!」
  炎症は?
     「スッキリとは言えないけど…かなり、胸の水はこのまま様子を見ます。」
  取れない時は?
     「切るかも…?でも、さけたいね!」
以上が先生の解答です。
外の傷は、時間がかかってもいい…後はまた、肺のくっつきと縫い合わせた所の傷のちじみ具合だそうです。
その為、明日は造影剤を使ったCTと明後日の気管支鏡です。
説明を聞き納得!!今更ながら…悔しい!!放射線にこんなに大きなリスクがあるとは・・・!!

2人の娘達も来てくれて喜んでいました。
時々焦りも見えるけど…ゆっくり行こうね!     M
 

6月17日

蒸し暑いどんよりとした毎日です。
早く、青い、青い空がひろがってほしい!

午後からCTでした、お昼ぬきだったので、お昼を食べたのが2時頃でした。
なんだか元気がない! すぐ横になるし、うとうとする これではダメなのです。
お風呂どうですか?と聞かれても…あんなに好きなのに NO もちろん完全に入れるわけではありません。
腰から下だけです。髪だけは1日おきに私が洗います、髭は自分で剃れるようになりました、細かい所は
私が手伝います。毎日、身体は全部熱いタオルで拭きます。
抗生剤の副作用で身体の皮が・・・特に手の指先の皮がむけ、熱いものが触れないのです。
頭の皮、手、傷口のある上半身の右半分とにかくぺらぺらとむけます。いろんな治療と副作用はつきものです。

夕方、先生が早速にCTで撮ったフイルムを見せてくださいました。
以前のものと比べると随分きれいになってます、後少しですが残すと…胸の水、炎症などは悪さをするので…
取りきる事、洗浄をしなければいけない。
でも、見るからに良い結果なので元気を出して欲しいものです。
多少、入院生活に疲れが見えてます。  熱があり苦しい時はなんとかしたい!その気持ちが大きかった。
今は、ものすごく辛い部分が少なくなってきた分、違う事に疲れ始めていると感じました。
これからは違う面での精神的ケア-が必要になってくるのでしょう!
これは…少しでも元気になっている証拠なのかも…???

今日は、遠く北海道から友人のYさんが来てくれました。退院したら…2人でいきたいなぁー。
私も、主人が退院したら一緒にやりたい事いっぱいあります!その日を楽しみにしています。   M
 
 

6月18日

朝から、雨、雨、雨 今の私に1番いらない物です。
午後、気管支鏡のためお昼は食べられない、終わる頃に一緒に食べようと、おにぎりや、おかずを作り…雨の中
大きな荷物を持って、傘を持っての駅までの道は遠かった!!
せめてバスと思ったけど…目の前で通り過ぎてしまい…歩いた方が速い!本当に、イヤな雨…。

病院に着いたら検査に降りてました。2時半に戻り のどの麻酔の為話しづらく、飲み物も3時半まで禁止。
どうもその後、いよいよドレーンをもう1本入れるようです。いつものように、気管支鏡の後は 微熱。食べるどころか
ぐったりしているのに…3時45分からCTを見ながら入れる事に…。
楽しみにしていたワールドカップの日本対トルコ戦が始まると同時に出かけ、終わって帰って来たのが…試合の
終わる3分前でした。
またまた、痛々しい姿で…結局、私も試合どころではなく、あっち行ったり、こっちに行ったり落ち着きませんでした。
久しぶりに、食べる元気もなくなりました。
でも、痛い思いをしただけに…汚い膿がたくさん流れて出ていました。後は、時々顔をしかめながら静かに寝ていました。
先生が気にして見に来てくださって・・・「痛かっただろうね!」と主人が眠っているので…小声で私に話して行きました。
6時半からまた、レントゲン!  帰ってから…痛いけど今日は殆どここまで食べていないためなんとか夕食は食べました。
ここが以前と違う所です。
また、先生が飛んできて…朝のレントゲンと、ドレーンを入れてからのレントゲンを持ってきました。
「痛いことばかりだったけど…いい話もしないと元気でないね!」 と見せてくださいました。
確かに ”違う”。 写っていた袋のような影は見事に消えました!少しでも、いい話なんだから元気だしてと見せてくださった
先生の気遣いに感謝です。
7時以後の、先生方5、6人の回診では、H先生から(呼吸器のトップ)「大変な思いをさせてしまって…でも、今日の気管支鏡の
検査で、1番心配していた経過が良く!これでこのままいくでしょう。後、身体の外のことは時間がかかっても治ります。
よく頑張りました。」といわれました。
これを聞いて 痛い思いをした主人もどれだけ安心したか…!
私も、ドぉーと疲れました。いつのまにか外の雨も上がり…意外と足取りは軽かった!それはやはり…結果がついてきたから
なのでしょう。 後は、良くなる事ばかりです。   M
 

6月19日


梅雨の休みの1日、からっとした気持ちの良い天気です。
毎日の病院から持ち帰る洗濯物も今日は渇くでしょう。

窓際にベッドを移してから、お天気の良い日がありませんでした。10階の窓から見る景色は最高です。
病室中が明るくなります、気持ちも明るくなって当然ですね!

昨日の痛い治療での、右の鎖骨の下7、8センチのところから刺した針(カテーテル)は、何と肺を貫通しているとか・・・!
人間の体は、不思議で???いっぱいです。
右腕、腋の下には2本のチューブ…腕も上がらなくなり、寝返りはずっと出来ないので…なんだか見ているだけで
体中が凝りそうです。でも、残っていた悪いものが出たためにこれで、体内の問題は解決?!かも・・・。
後は、外の皮膚です! もう1度縫いなおすようです。外の傷は見えるから…大丈夫です。
ちなみに、レントゲンで見えるカテーテルはくるりと回ってまるで豚のしっぽみたいです、そんなこと言ったら
不謹慎かな?と思っていたら…先生がレントゲンを見せてくださった時に見た目のまま、pig tailと言うそうです。
入院生活に先が見え始めました!

髪を洗い、髭を剃り、体を拭きパジャマを替える…すっきりこれで気分は最高!
気持ちが良いこの日に合わせたように高校の同級生の、Sさんと、Iさんが来てくださって最高潮。
今までのなかで1番元気にお見舞いの方に会えた日でした。
今だから言える。病院生活のいろいろ…私なりにいろいろ書いたのですが…本人しか分からない事で、今だからこそ
言える事、いろんな体験があるようです。
その、笑える一部を聞いて友達と大笑いしていました。
主人がこんなに笑ったのは…大きな声が戻ってきたのは…久しぶりです!元気になった証拠!?
友達はありがたい!!どんな時も友達の存在は大きい!!
退院したら…主人が体験した事、痛いけど笑える事、可愛い看護婦さんとのエピソードなどなどを書き入れるそうです。
今から楽しみです。
こうして笑って話せる事が、また良い薬なのでしょう。    M

6月20日

昨日の天気がウソのようです。
お昼過ぎから降る雨はかなり強く、肌寒い…また、雨か…帰りが大変そう!

夜があまり眠れない…6人部屋の人が殆ど言うのです。
2・3日前から個室に重病人の方がいらして、その部屋から何かを知らせるアラームの音が頻繁になるのです。
皆さん その音が耳について眠れないようです。 その為か…お昼にどうしても昼寝をしてしまうので…悪循環!
主人もそうなんですが…6人とも、いびきが凄い!主人は、ガンになってお酒をやめてからは全くかかなかったのですが
今は、右に2本のドレーンがあるために 右手も上がらず、寝返りをできないためどうしても、上を向いて寝る為です。
明日、手術の方が落ち着かないようです。
また、手術の後、抗癌剤治療をしたいる方は…見る見る元気がなくなりました。
いつも、1番元気だったのに…何も食べられなくなり、匂いが気になるそうです…まるで私のつわりの時のように
食事になると一段と元気がなくなる…みんなで気になり元気つけているのですが…まだ、みんないるから気はまぎれている
のかも知れません。
放射線の副作用がこんなに主人の術後を苦しめたけど…抗癌剤もやはりと思いました。

主人の背中が 大噴火、小噴火…とも言える傷口の間からドレーンに流れ込まないで…背中から出てしまいました。
幸い 痛くもないし、熱も出る訳でないので…すぐ処置をしてもらいました。
体内に持っていては良くないものなので…出てくればいいか…などと先生と話しました。
来週になったら…くっついていない背中の傷を少しそいで、またキレイに縫いなおします。
これで最終段階のようです。その後は、炎症部分の洗浄です。今日の噴火のように…傷が治ってないとそこから大噴火
するそうです…今朝、先生にそのような説明を受けて、来週にはキレイに縫いなおしましょうと言われていたのでした。
なるほど…こんなふうになるのかぁーと、変に納得!
でも、主人の体調はすごく良くなり、食欲も戻りつつあり、食べる事でなお回復するように思います。
雨の中、2枚分のパジャマを持って帰りました。(噴火のおかげで洗濯物が…ふえたー)  ああぁー雨止んでくれないと…
洗濯物がーこまったなぁー。
私のひとりごとです。 M
 

6月21日


1日雨、次の日は暑い晴れの1日…今日は晴れの1日。
手術日です。同室の方が朝から手術…。でも、集中治療室にも入らずにお昼の早い時点で病室に戻って来られたので
安心しました。 少し前の1日を思い出させるような…。

午後には、私の従妹が、アメリカに出かける前に顔を出してくれました。
主人の傷と話を聞いて…タバコ辞める気になったといってくれて…嬉しかった!
今、タバコを吸っているかたが…辞める気持ちになってくだされば…。
こんな痛い思いはしない方が幸せですから…でも、ここの所見違えるように、体が楽になってきたようです。
先生から、「胸のところから洗浄を始めます。」といわれる。とにかく、1つでも体から何か外れ動きが自由になれば
嬉しいのです。
夕方、Kさんが来てくださる。皆さんこの私の、下手な日記を読んでくださっているとか…?!
機械に弱い私が…夜、パソコンがおかしくて…電話も全くつながらなくなり…焦る、焦る…どうなったのか???
困りに、困り…主人の友人Sさんがパソコン教室の先生なので…電話で教えてもらいました。でも、それから不安で
なかなかここに書き入れる事が出来なかった!
今、女ばかりの我が家にとって…いろんな面で主人の大きさを感じています。
お互いに、相手の存在の大切さを確認する、また、反省したり、今後を考える良き時間なのかも…!
明るさ、元気を取り戻した主人を見る事が出来るようになったおかげでそんなふうに考える事が出きるようになりました。 M
 

6月22日

朝、私の友人が大阪から夜行バスでわざわざお見舞いに来てくれました。
もう、30年以上の付き合いで家族ぐるみのお付き合いなのです。いつも、彼女に私は元気をもらっているのです。
病気の事も…話、とのかくパワーと元気をもらってます。主人も彼女の元気には負ける…??
遠くから来てくださり、また、楽しい話題をいっぱいもらい…今日もお腹から笑う事が出来ました。
また、九州からも私の姉のだんなさん、お兄さんが来てくれました、姪と一緒に!
皆さん遠くから…足を運んでくださり…顔を見に来てくださって主人は、何と幸せ者か!

今日から、先日入れた肺のほうの洗浄が始まりました。何回か繰り返し洗浄し、戻ってきた中がきれいになれば…。
次に進む事が…出来るのかも…。

ささやかですが…最高の出来事!下半身浴。25日ぶりに入るお風呂。右手に点滴があるため…私が一緒に入り
いろんな所がお湯で濡れない様に気を使いながら…洗う、洗う、洗う…きりがないほど体からボロボロと皮がむける!
一皮剥けて、いい男に・・・なんていろんな方に冗談を言われましたが、本当にそうです。
体重が減ったの?と思うぐらい…毎日着替え、体中きれいに拭いていたのですが…お風呂に勝るものなし!
次の火曜日が今から楽しみのようです。
今回の、主人の看病で私はいろんな事を学びました。看病、介護の大変さ、家族の誰が病気になっても…生活が
全て狂ってしまう怖さ、ちょっとした事で傷つけあってしまう疲れきっている神経…考えさせられることでいっぱいです。
私もいっぱい勉強になりました。   M
 
 

6月23日


6月と言うのに肌寒い1日になりました。病院はいつも温度が一定なので助かります。
寒かったり、熱かったり、元気な人でも体調を壊しそうです。梅雨ですから…仕方ないかも。

大阪からの友人のおかげで…私自身も気持ちが休まりました…もちろん主人が安定してきた事、このように治って行く
と言う先が見えてきた事も大きいです。
彼女の関西人の底無しの明るさで…お腹抱えて笑う事が、今の私には本当に癒しになりました。忙しいのに、疲れるのに
また、夜行バスで帰って行きました…また明日は休まずに仕事するのでしょう。ありがとう!

今の主人の苦痛は…自由が効かない体、からだの右側部分の傷の痛み、そして痒み…テープ負けで皮の剥けるところ
赤くなっている所…いろいろ。そして長くなっている入院生活。多分、私なんかが想像できないくらいのストレスがあると
思います。  もう少しです ガンバレ!

夕方、会社のT君が奥さんと一緒に来て下さいました。
久しぶりに会社の話も聞きました、みんなに焦らず、ゆっくり治して下さい、と言ってもらいありがたいです。
男の人は、仕事もやりがいの一つですから…元気になって仕事に戻る事は目標です。
日曜の為に病院もなんだか静か…忙しいのは走り回る看護婦さんばかりです。
私にとっては…穏やかな日曜日でした。    M

6月24日

今日で入院1ヵ月となりました。長いような気もするし、いろいろあってアッと言う間のような気もします。
同室の方が手術を受けています…残った5人は時間を気にしながら過ごしています。
そんな中、残った4人でいろいろ話したのです。1人の方は術後のため…。
明日、退院が決まった方は2ヵ月半の入院生活でした。私達は2年間と言う時間が経過したうえでの
リスクの高い手術となりました。 後の方は、ガンの告知を受けて数ヶ月での手術です。
だから経過は主人と違い回復の早いこと!  所が…よく話しを聞くと、気持ちの整理が出来てない。
ガン は”死”と言うイメージが強い! 今後の事がとにかく不安…! 治療方法も自分で考えての
選択が出来ない?! ガンのことをあまり知らない…などなど…いろんな事がまだ考えられない。
反対に、リスクは大きかったものの…2年という期間が、いろんな人との出会い、いろんな健康食品、
いろんな先生との関り、人との出会いの中には…同じガン患者との出会いがどんなに私達を、勇気づけ
てくれた事か…?!
何よりも、”成るように成る!”とか…この居直り…良い事しか考えない、普通に生活する事など…が時間
の経過でしょうか…???
良い事も悪い事も…お互い様と言う事になります。
リスク、リスクと考えてましたが…いい事もあった!と改めて感じました。
6人部屋を選んだ良さを感じました。
今は、ガンという病気になり体験した事がやっと ”良い事” の一つとして気持ちの中で受けとめられるように
なった…主人も私も子供達も誉めてやりたいともう一人の私が勝手に言ってます。
これもみんなここまで生きてこられたからでしょう。
なんだか久しぶりに、こんなに考えました!

主人は今日、7階のグリルに私とコーヒを飲みに出かけました。
体は…皮が剥けて、痒い、ボロボロ、2本のチューブは自由を奪っているものの、気持ちはもう早く退院して
家でのリハビリと美味しいものを食べる事を考えるようになりました。
これって…へんないい方ですが、健康になった証拠です。 一応、痛い治療はもうないかも…?
これは希望ですが…?! 本当に後少しの辛抱です。   M
 

6月25日

お天気は私の見方をしてはくれません!今日も、雨…!
また、自転車が使えない…梅雨なのですから仕方ない。また、ここ何日か肌寒いのです。
今日のシャワーは寒いかも…。
でも、洗えるようになっただけ本当に気持ちいい!! お湯をかけた肌はふやける為に…手、足の皮の
剥ける事…めらめらと…怖いぐらいです。
髪も抜けるし、髪も伸びきって来ました。
そんな事が気になるぐらいですから…元気になった証拠です。
こんな事が一つ一つ増えてきます。今日から、利尿剤の薬も終わりました。
また、1歩進歩しました。
前のベットのSさんが2ヵ月と10日で退院しました!この部屋で2人目の古株となりました…今度は「オレの番だぁー」
といってますが…これだけは…自分で決められません。
食欲もでてきたのですが…1ヵ月経つと病院の食事にも…今日の昼の初めてのカレーに喜んでます!
こうしてたわいのない会話が出来る6人部屋を選んで良かった!
これで、お天気も良くなってくれれば…私のひとりごとです。   M
 
 

6月26日

雨、雨、雨 梅雨と梅雨寒はまだまだ続きそうです。

地元の揚げ物やさんで作ってもらったアツアツのコロッケ、カツ、などを持って病院へ!
雨の為に足元が悪く滑りやすく…地下鉄の階段は気をつけなければ…。

仕事の事で会社の人が来ている…10階ロビーで話している主人は少し痩せたけど…やつれた感じは取れました。
富山からもOさんが訪ねてくださる。

前のベッドの方が退院してすぐに次の方が…若い人です、昨日きて、今日手術!ガンではないので…。
時間の短い手術でしたが、術後の麻酔がきれたか、きれてないような状態で眠っているのを見ると…やはり手術は
大変だと思います。でも、若さであっという間に元気になることでしょう!
 

私は、途中から御徒町へ行って次女の友人のお母さんと会う…主人も落ち着いているので…私の気分転換にと誘ってください
ました。歩いて出かけましたが…これで 天気が良ければ最高です。
私はこうして気分転換できるけど…主人は病院の中なので…なかなか。

先生に今後の事を聞きました。
今は、時間の経つのを待つ!身体の中の炎症した部分がきれいになるまで…胸の水がなくなってやはりその部分がきれいに
なるまで…後は背中の傷、レントゲン、血液検査の結果はOK!そんな意味で時間を待つ!と言う事に…。
やはり…ドレーンを入れたら1ヵ月と言われた通りです。今はしばらくこの落ち着いた日々を過ごすようです。
次はドレーンを抜く時が一つの山越えのようです。
体が楽になると…ついつい早く進まないかと考えるものです!
どんな病気でも長い時間が過ぎると…この病院生活に疲れるのですね、だから1日でも早い社会復帰を考え頑張るのかも
しれません。主人も私も、もう決してないと思う入院生活を楽しまなければ…と思ってます。  M
 

6月27日

ベランダから見える雨を見ていると外に出るのがイヤになりそうな日です。
家の中には洗濯物があっち、こっちと干してあるけど…乾きそうにありません…その上肌寒い…こまったぁー!
家の中も少し片付けしないと…やりだしたらとうとうお昼時間に間に合いませんでした。今は、元気だから…と思っても
気になり…雨の中急ぎ足で駅に向かいました。
美味しいコーヒーがのみたいと言っていたのですが…この雨の中なので残念ながら買って行けません、近くのコーヒーショップ
でと思ったのですが…また、今度。

ベッドに横になって眠ってました。多少いびきをかいていたので…口を閉じてあげたらかかなくなりました。
口を開けていると喉がやられてしまうから…以前、咳や血痰がひどい頃、口開けてイビキかいたら咳がどんどんひどくなる為
夜中に起こして口を閉め、体を横向きにしてもらったら何とそれから、咳と血痰がずっと続いてどうかなってしまうのか?血痰も
止まらなくて急いで止血剤を飲んだ事を思い出してしまいました。その頃と比べると、今の寝顔は安心して見てられます。
そこに、雨の中わざわざ遠くから、Nさん夫婦とTさんが来て下さいました。3人の方は玉川温泉の仲間です。
ガン経験者と看護の立場の方々です。私達夫婦はこんな皆さんに気持ちのうえでものすごく励まされ、助けられています。
私は、玉川温泉に一緒に行ってないので話しと写真で想像しています。そのうち私も連れていってもらおうかしら…!

後は時間と言われていますので、先生に昨日入院する時に暴れた親知らず(歯)の相談をしましたら…この際入院中に
見てもらう事になり、早速2階の歯科のほうから呼ばれました。
レントゲンを撮りましたら…親知らずはそのままにして、痛んでる右の奥歯をぬきましょうと…明日抜きます!
違う事で、明日は痛い治療が入ってしまいました。

毎週のように来てくださる、Hさん、Yさんが雨の中顔見に来て下さいました。
シャワーも終え、髪も洗い、髭もそってスッキリしていたので…一番良い時にお会い出来たかも!!
元気になったので、いろんな方とお会いできるのが楽しみだと思います。いつも、ありがとうございます。

残念な事が一つ。
この部屋で一番古い方が2回目の抗癌剤治療の為12階に移ることになり…寂しくなります。
主人が一番古くなってしまいました。
昨日手術を受けた彼は、今日には元気に歩いてますし、食事も食べられる。やはり…若さに勝るものはありませんね!
次に若いのは主人です!頑張らなければ…!頑張っても時間はかかるのだった…!   
でも、オシッコの計量もなくなりました、一歩前進!    M
 
 

6月28日

出かけるのがいつもより遅れる…今日は、奥歯を抜くと言っていたので、もし食べられないと可愛そう。
長女が途中でプリンでも買ってくると言ってくれたのでお願いする。
私のほうは果物をすぐ食べられるように用意した。病院に着いた時は、娘と同じ時間。
先生が肺の奥の洗浄をしていたので見せてもらった…戻ってくる液が随分とキレイになってきました。
次、傷口の開いている所…見せてもらうつもりでしたが…傷口の中からガーゼが出てきたらもう見ることは出来ませんでした。
本人はあまり痛い顔をしていないのですが…見ているほうが痛い!
でも、背中の腫れもひいてきている。午前中にCTを撮っているので、後で見せてもらう事にしました。
CTを撮って、すぐ歯を抜いたようで…また傷の消毒などで多少ぐったり…微熱が出てるようです。
「私が来る日はお父さんすぐ眠ってしまう…」と長女が言う。仕方ない微熱のため、頭も痛い。と、とうとう水枕に、痛み止め。
長女が帰った後は眠り始める。会社の若い人達が顔出してくださるけど…今日は少し元気のない時でした。
でも、ぐっすり眠った後…正直なものです。熱が下がると、さっきとは別人のように元の元気印!
熱! と聞くと以前の事があるので心配でしたが…歯を抜いたためのことでした。 ホッとしました。

月曜日に手術の同室の方が、ICU、6Bと過ごし部屋に戻ってこられました。
ビックリです。 何もなく順調だったからと、とってもお元気です、主人の時とは大違い!
この結果が私達の手術前に説明を受けた”リスク”の違いでしょう。

CT 以前と比べたら 本当にキレイになりました。おかげさまで私もCTのフイルムを見るのがうまくなりました。
ドレーンが取れる日も少しづつ近くなってきたのかも…そしたら背中の傷です。
自然治癒だったら…なんと2、3ヵ月かかるそうです。縫い直す時は、麻酔をかけて…。
どちらを選択するのか…? 今後の先生との話し合い。
自然治癒なら、退院して私が何と消毒する…?!なんて先生が言うものですから…コワイ…考えただけでも…
まあーどうするかは…様子を見ながら…です。
でも、また一つ前進…右手の1日中している点滴が外れました! 後は、朝、晩の抗生剤の点滴だけになりました。

朝、昼と食べられなかったので…夕食は食欲が戻りました。会社からNさんが来てくださったのは食事の時だったので
すっかり元気になってました。前に来てくださった時は、最悪の時だっただけに…この時間で良かった!
亀のように、ゆっくり、ゆっくり、進みます。   M
 
 

6月29日

とうとう手術から1ヵ月経過しました。
本当は、退院していたはずなのになどと言う会話が飛び交う。
私の更新も長くなりました。パソコンに関しては困る事だらけ…ただこうして書くだけでいっぱいです。
先生に、「先生、少し外出してもいいですか?」と聞いてみる。   OK!
朝の抗生剤が終われば…夕方まで。  でも、ドレーンはつけたままです。 2本ある1本を短く切りもう吸い上げずに
ガーゼに沁みるのを取ると言う事です。  これって…また一歩進歩?!かな…?!
とにかく、いつでも外出はOKと言うことなので…来週中にも実現するかも…??
もう少し時間はかかりますが…我慢して下さいとの事です。
そう言えば… ”ガン” の話は全く話題にもならないけど…1度聞いて見なければ…。

予防医学、代替治療と言う事で…今まで飲んできた AHCCは6g毎日必ず飲んでいます。
その他、マルチビタミン、マルチミネラル、ビタミンC、プロポリスなどなど…全て!
時間は1ヶ月も経過したけど…考えると、血痰、咳から開放され、術後の大変な時期も乗り越えて…こんなに気持ちが
安定して入る事に改めて気付かされました。
病院生活の退屈さより、今のこの気持ちの安定に感謝しなければ…!
同室のHさんが明日退院になりました。
主人より後にいらして、先に退院になりました、羨ましい…そして嬉しいです。 縁で同室になった方が…また、同じ
病気のかたが元気になることは…みんなの希望です。
”ガン” は誰でもなる病気で、治る病気だと思える事は今後、この病気に対する考え方を根本的に変わるでしょう!
日々、進歩している医学に期待したいものです!   M
 
 

6月30日

朝から雨といわれていたのに…どんよりくもり空、ワールドカップ最終戦、ドイツ対ブラジルが横浜であります。
終わる頃には…退院のつもりでしたが残念!
今日も、病室ではカーテンを全て開け4人になったみんなで観戦するようです。
ワールドカップのおかげで、入院生活に楽しい話題を即席ファンの主人や私にも与えてもらったと思います。
約1ヵ月間入院生活と共に始まり、共に終える事は出来なかったけど…楽しかったです!
次に、何を見つける事でしょう。

傷の下の背中側にあるドレーンの線が短く切られていました。
後は様子を見ていく。 胸のほうは、肺の奥という事もあり大切な所なのでまだこのまま!
ドレーンが抜けたわけではないので…でも少し身軽にはなりました。
ここ2、3、日前からおでこに油が浮くようになった…今まで体全体がカサカサしていたのですが…戻ってきました。
長い人生の中の意味のある30日間です。明日からまだ始まるのですが…また1日、1日を大切にしたいものです。
夏の大好きな主人ですから、梅雨が明け…青空と暑さが戻る頃には、退院できれば…。
でも、焦らず、ゆっくり、亀になりましょう!    M
 

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