入院生活 第2週 8月11日〜17日

2003年8月11日(月)
手術の日が決まった、13日の水曜日。朝9時から2時間半の予定。

準備する物や、術後について等の説明があった。
手術前日の夜9時以降は何も食べられないが、
それ以外は食べ物の制限はない。

夜に下剤を飲んで、手術当日の朝に浣腸をするらしい。
浣腸は初体験、チョットやだなあ。。。。。。

私の担当看護士は、まだ1年目の新米で若い男の子なのだ。
若くて可愛いのは良いけれど、
何だか全てがぎこちなくて本当に大丈夫?と言いたくなる。

先月末にひいた風邪がまだ完治してなくて、痰と咳が少し出る。
微熱もあるので、
その若い看護士が「ちょっと胸の音を聞かせてください」と聴診器を持ってきた。
聴診器の具合が悪いのか首をひねりながら、
聴診器をたたいたり、振ったりしている・・・・・
おいおい新米君、ちゃんとやってくれ〜!

麻酔科の先生が来て、全身麻酔について説明をしてくれた。
咳が出る事を話したら、
喉を見てくれて他の麻酔科の先生とも相談して麻酔を打てるかどうか決定するとの事だった。


2003年8月12日(火)

いよいよ明日が手術だ。ナースステーションに近い部屋に移動することになった。

明日着る手術着をもらった。
今日飲まなければならない薬は、
下剤、胃液の分泌を抑える薬、今夜ぐっすり眠るための睡眠薬。

夜に主治医から明日の手術に関する説明を受けた。
パパは先生がホワイトボードに書く説明図を必死になってノートに書き込みをし、
疑問点等、先生に聞いていた。
ガンは甲状腺の右側だけにあるので、右半分の切除になるということだ。
再発を防ぐ為に、甲状腺全部を取らなくていいのかと聞くと
「全部取ってしまうと、一生薬を飲まなければならないし、
飲み忘れたら死んじゃうからね。
残した甲状腺にまたガンが再発したとしても、
その時また取ればいいんだから」と言っていた。

色々、手術時に起こる最悪の場合のことも説明された。

その後最後の確認でエコー検査室へ行き、
喉元の患部の所(摘出箇所)にマジックで黒丸を書かれた。
その時にパパは、
先生が操るエコー画面に映し出されるガン患部を確認したと言う。

パパ曰く 「ハッキリ映ってた!」

怖いけれどすべてお任せするしかない。
手術を頑張るのは、私というより先生なのだ。
何かあったとしても、それは私の運命なのだろう。


2003年8月13日(水)(手術)※パパの手術日当日の日記も公開
手術当日の日。早朝から浣腸だ。睡眠薬をもらったので夜は眠れたので良かった。

手術着に着替えたり、色々準備をしているとパパがやってきた。
しばらくして、ひまりとばあばも来た。

私が点滴をしてもらっていると、
ひまりは不思議そうな顔をしてジーっと見ていた。
ストレッチャーに乗り、肩に注射を打たれた。
これはとても痛かった。「いててて・・・」と声が出た。
注射を打たれたせいか、
ストレッチャーで運ばれている時は全く不安もなく「行ってくるねー!」という感じだった。

ひまりの「ママ頑張ってね」という声が聞こえた。

手術室に入ってからも「へ〜これが手術室か〜普通の部屋みたいだなぁ」
とか思いながらあたりを見回しているうちに記憶がなくなった。

「終わりましたよ〜」という声が聞こえる。自分が運ばれているのが分かる。
病室のベットに移し変えられているのが分かっているのだけど、
体は動かず目も開かない。

「今2時だよ」とパパの声が聞こえる。予定では2時間半と言っていたのに、
結局5時間もかかってしまったようだ。
手術はうまくいったと先生が言っていたというのを聞いて安心した。

それにしてもこの日の夜は長く感じた。
痛くて痛み止めの注射を打ってもらうとすぐに痛みはなくなって眠れるけど、
薬が切れるとまた痛み出して眠れない。
ずっと同じ姿勢で寝ているので腰も非常に痛かった。


部屋が涼しかったらしく、
パパが私の予備のパジャマをはおってウロウロする姿はちょっと笑えた。

痛み止めは腰の痛みもなくなるので、切れるたびに打ってもらった。
筋肉注射なのでとても痛いのだけど、
傷の痛みがなくなるならこんなのへっちゃらという感じだった。
しんどい長い夜だった。


2003年8月14日(木)
やっと朝になった。先生が回診に来た。

ゆっくり起き上がって水を飲んでみた。
飲み込む時ちょっと痛いがむせなかった。
ちゃんと声が出ているので先生も「いい声出てるね」と安心したようだった。

立って歩いてみた。
なんとか歩けるのでトイレの管をとってもらい自分でトイレに行く。
おかゆもなんとか食べれるので夜には点滴をはずしてもらい、
かなりスッキリした。

昨日の夜からパパがずっとついていてくれるので本当にありがたい。
一人ならとても心細かっただろう。

痛みはあまり感じなくなり、昨日よりはかなりいい。
カロリーメイトなどの飲むゼリーがとても良かった。
さらさらした液体よりも、どろっとしたものがいい感じだ。

3種類の薬を4日間飲む事になった。
痛み止めと抗生剤と後1つはなんの薬だったか忘れた。


2003年8月15日(金)
お昼からパパが来てくれた。あとからひまりが来た。
ちょっと見ない間にさらにおしゃまになっている。
まだ首に管(ドレーン)をつけているので抱っこは出来なかった。
やっぱり健康じゃないと子育ては出来ないと実感した。

首はまだ腫れているような感じで、むくんでいて感覚がおかしい。
ぶよぶよした感じ。


2003年8月16日(土)
教授が回診。
「あなたが今のところ一番若いから、大事にしないとな」と言われちょっと嬉しかった。

首の腫れのことを聞くと、
まだ血流がちゃんとしていないから、じきに良くなるとのことだった。
何を食べてもいい。栄養をつけなさいと言われた。

パパに髪を洗ってもらった。とってもスッキリ。
パパは美容師のようだった。(褒めすぎ)


2003年8月17日(日)
日曜日は体重を測る。増えていてちょっとショック。
非常にひまな一日だ。
パパとひまりが来てくれたので退屈をしのげて良かった。