2003年 甲状腺癌発見

6月9日(月)
初めて乳がんの集団検診に行った。
去年、胸が痛むときがあったので、
乳腺クリニックに行って診てもらったのだが集団検診は初めてだった。

50、60代位の人が多い中で30代の私は若い方で同じくらいの人は本当に少なかった。

胸と甲状腺を診てもらうと、「甲状腺がちょっと大きいですね、
あと乳腺症なので1度きちんと検査した方が良い」と言われ、
対ガン協会を紹介された。

乳腺症だと乳腺が固く張っているので、
その影にガンがあったとしても発見されにくいそうだ。

そうか〜。。。と思って、精密検査の予約をした。

今回は何も無いだろうと思っていたので、
対ガン協会に行かなければならないのがショックだった。

でも、それほど深刻には考えていなかった。


6月24日(火)
対ガン協会での精密検査の日。 
マンモグラフィと採血、エコー検査をした。

胸の方は大丈夫だったが「甲状腺にしこりが3つある」と言われ、
ぼーぜんとして言葉が出なかった。

細胞診の為、喉に針を刺された。
ちょっと恐かったけど案外あっさりと終わった。痛くはない。

パパが迎えに来てくれるということで、入口のところで待っていたら、
なんだか涙が出てきた。。。。

しこりがあったなんて。。。。。。
まだどんな結果かは分からないけど

電話でパパの声を聞いていたら抑えていたものが崩れて、
ポロポロ泣いてしまった。


7月8日(火)
悪い結果なら電話が来ると言っていたので、
電話が来ない事を祈っていたけどやはり来た! 

「先生から結果についてお話があるので明日いらしてください」との事。  

明日は、以前から計画があった、
家族での箱根温泉旅行に行く日だ。 

そしてあさっては、私の誕生日と入籍記念日なのだ。 
結局、結果は翌週でも良いという事なので先送りにした。

のんびりしてるようだが、
これを逃すと旅行なんて何時いけるか分からないのだ。

電話をくれた人(医療事務員と思う)に「悪い結果ですか」とを尋ねると、
電話ではお答えできません・・・・

明日からブルーな気持ちで温泉へ。。。。。


7月16日(水)
今日は結果を聞きに行く日。毎日あれこれ考えて、
生きた心地がしなかった。
一人では心細かったので、パパについて来てもらった。

順番が来て診察室へ入った。
女の先生は私のカルテを置いたまま「ちょっと待っててね」と言って席をはずした。

すかさずカルテを覗き込むと、「甲状腺乳頭癌」のハンコが押してあった。
やっぱりガンだ!パパにつぶやいた。
ショックと言うよりやっぱりと言う気持ちだった。

先生が戻ってきて説明をはじめた。
甲状腺の絵を書きながら
「ここに1,8センチと9ミリ、他に小さいのが1つあります」

「クラスはXです」と言われた時はかなりショックだった!
せいぜいVかWと言われるのを想像していたのだ。


2人目の子供を考えていた矢先だったので、
今後、「子供は産めるのでしょうか?」と聞くと

「大丈夫、早い人なら術後6ヶ月位から大丈夫です」 
その先生の言葉に涙が溢れてきた。

「泣かなくてもいいのよ、これは治るんだから」と慰めてくれた。

念のためもう一度エコーをしてみましょうとの事、
患部は右側だけで左は無いみたいだ。

大学病院への紹介状を書いてもらい、早速明日行く事にした。


7月17日(木)
パパが公休だったので、今日もついて来てもらった。

朝一で来たのに、3時間待ち! 
やっと呼ばれ診察室へ入ると、
対ガン協会で細胞診をしてくれた先生だった。

「実はね〜、エコーの時点ですぐにガンだって事は分かっていたんだよねえ、
いきなり言うとパニックになってしまうから、
細胞診を取ってワンクッションを置いたんだよ」
と言われた。
こういったケアも医者には必要なのかもしれない。

「しこりがこの大きさになるには何年くらいかかっているんですか?」とたずねると
「僕の経験からすると7〜8年だねぇ」
え〜っ!!!7〜8年も前から私の中にガンがあったなんて!
その頃のことを必死に思い返し、
ガンができる原因を探してみたけど思いつかない・・・

「このガンは取っちゃえばほとんど治るガンだから、
ガンパニックにならないでね」

と優しい言葉をかけてもらうと涙が出てしまう。

でも、ネットや文献で下調べをしたりしたが、
やっぱり転移も考えられるし、

今まで病院とは無関係の私がいきなり病人となり、
たくさんの検査を受けなくてはならないのが、なんだか悲しかった。

早速、採血・尿検査・胸と喉のレントゲン・RI検査の予約をした。


7月28日(月)
RI骨シンチ検査は放射性の薬を注射して、
全身の骨を調べる検査。注射をして5時間後に撮影に入る。


その間に胸と喉のCTを撮り、超音波検査も終えた。
超音波はリンパ節への転移を調べるもので、
念の為、胸も調べてもらった。


午後2時に骨シンチの撮影をした。 
寝ているだけで機械が体の上を移動。30分くらいで終わった。


7月31日(木)
今日は検査の結果を聞きに行った。
肺や骨に転移していたらどうしよう・・・・・と不安で仕方なかった。
とにかく覚悟を決めて行こうと言い聞かせていた。

名前を呼ばれ診察室へ、

「骨には転移は無いです、肺も大丈夫です」と言われ、
本当に良かった〜と体の力が抜けた感じだ。

「転移は無いから、これは取っちゃえば大丈夫だからね」とも言ってくれた。

入院の予約も早めにお願いしてきた。
なんとなく嬉しくて、帰りはパパとレッドロブスターでいっぱい食べてしまった。