君の後ろ


走り続ける君の後ろを 
少し遅れて僕はついていく
山があろうと谷があろうと走り続ける君を
傷つこうが挫けようが進み続ける君を
止める術を僕は知らない

なにが君をそんな風にするのか
聞いても答えはないだろう
君の瞳は前だけ見ているのだから
僕の問いなど頬をすべる風よりも些細なこと

だけど
片手片足がもげようと前進を続ける君
そんな君についていこうと思ったあの日から
君の後ろが僕の定位置
ふらついたらそっと支え
もげたその手足を拾ってあげよう

ねぇ君
後ろを見るのは悪いことじゃない
たまには自分の足跡を見るといい
そうやって
なくした自分を取り戻して欲しい
その日まで
失ったものは僕が預かっているから

落ちた君の一部抱えて
いつかを夢見て走り続ける
いつまでも
変わらぬ君といるために




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