願い


もし本当に神様がいるのなら
どうか願いを叶えてください
もう少しだけ
私に時間を下さい

大鎌を振り上げた
人ならざるものの姿が
私にははっきりと見えるのです
鎌がやがて振り下ろされ
この首を落とすのも
私にはわかっているのです

愛しい人へ置き土産があるんです
これ以上あの人が悲しまないように
渡すものがあるんです
まだやってないこと
まだ言ってないこと
私の願いも
感謝も
想いも
何一つ伝えていない
だから

全て終わるまで
どうかどうか
私の時間を止めないで

神様へ
たった一つのお願いです




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