Good Night


愛しているという言葉は
その対象が生きてるうちに言わなければ意味がないのかもしれない
などと 今更ぼうっと考えてる

君を喪ってからの日々は やっぱりいつもと変わらなかった
いつもと同じく時は過ぎ
いつもと変わりない日常は止まることがない
ただその日常の中に いつも見えていた君の姿だけがない
ぽっかりと いつもの定位置に君の姿だけがない

大好きで大好きでしょうがなくて
「愛してる」というのは言うまでもないことだった
だから
そんなに言ってやれなかったことを僕は今更ながら後悔している

喪って初めて気づくその存在の大きさに ただ涙するしかなくて
喪う原因の一端が自分にあったかもしれないと
自分を嫌悪してみても それはなんにもならない

愛しくて愛しくて 大切で大切で

それなりに好意を抱いてくれていることによりかかって
君という存在に 僕は何かしてあげられてただろうか

君は……幸せだっただろうか

喪ったことで胸は痛くて辛いけれど
その面影を思い出しては涙が止まらないけれど
きっと寂しん坊で甘えたがりな君は 側にいてくれているだろう

姿は見えないけれど その存在は、確かに感じている
悲しいときも嬉しいときも いつも僕の側にいたのは君だから
今もいてくれると信じたい
いてくれなくても……見守るぐらいはしててくれているよね?

君が僕にくれた物
君が僕に見せてくれた物
全てはこの胸の中にある
だから 僕は大丈夫だと笑って見送った
泣き笑いだったけど 僕にしてはわりと上出来だっただろう?

心残りはたくさんあるけれど 後悔のない人生などないはずだし
これを教訓に 前に進めばいい
そんな気持ちは 君の最期の置きみやげだろうか
悲しみに暮れても
痛みに苦しんでも
僕の命がある限り 逃げることは出来ない

だから 僕は今日も生きている
君の分も 僕は生きなければならない
色んなことを教えてくれた君に 胸張っていつか出会えるように
空の上からでもどこからでも 見ていて欲しい
君がくれた沢山のものをこの胸にしまって
僕は一歩一歩確実に前に進む


「愛してる」と
次にそう思える存在が出来たなら、いっぱいいっぱい言ってやろう
後悔しないように、全身全霊で言ってやろう
君にも心の中で


「ずっとずっと、変わりなく愛してる」と――

Good Night And Have a Good Dream……



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