あの人は
悲しくて辛くて泣きたい時も
嬉しくて幸せで笑いたい時も
優しいあの人は ためらわずに剣をふるい続けるのだろう
ただ 他人を守るために
頭のてっぺんからつま先まで
呪われし深紅に彩られながらも
気高いあの人は それを誇りと言い放つのだろう
ただ 己が散らせた魂のために
斬って斬って斬り続けたその先に
自分のための何かがないとわかっていても
愚かなあの人は 戦いを続けるのだろう
ただ 戦いを終わらせるために
優しく 気高く そして愚かでしかあれないから
今日もあの人は 私をおいて戦場へゆく
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