コラムる

徒然なるままに、愛しのキャラクター達へ思いを馳せる。
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 4     妄想考察?承太郎とアナスイ(ジョジョ・ストーンオーシャンより)  
今回は6部ラスト近くにおいてスポットを当てられていた承太郎とアナスイの微妙な関係について考察してみたいと思います。
 
先ずアナスイですが、彼は承太郎の復活までは心の中で承太郎を呼び捨てにしたりして少なからず「徐倫の最愛の父親」に対し対抗意識を持っていたのではないかと思われます。
しかし実際承太郎が戦線復帰をして合流すると状況は一変。承太郎に対してのアナスイの態度は異常なほどに(笑)腰が低く、似合わない敬称と丁寧語をもって承太郎に接します。
 
これは未来の義父に対し媚を売っている・・・わけではなくて(多分)承太郎に実際に会ったことにより彼の偉大さ、魂の崇高さ、自分よりも徐倫を守る事の出来る強さをアナスイは理解し感じ取からなのではないでしょうか。
アナスイが承太郎に対して吐露したセリフ、「徐倫が貴方から受け継いだ清い魂と心は・・俺の心の闇を照らしてくれている。」
これは、彼が徐倫に見たのと同じ光を承太郎に対しても感じていた事を指しているのだと思います。
アナスイにとっては承太郎は対抗するべきライバル、ではなくて徐倫と同じように、そして徐倫を守るためにも失ってはならない「希望」になっていたのではないでしょうか。
 
一方承太郎にとってアナスイの出現はあまりにも突然で急な出来事でした。
動いたばかりの体を押して娘の元に駆けつけて見れば変な格好をした男が「お嬢さんとの結婚をお許し下さい」とか迫ってくる。(笑)本来ならば「オラオラッ」と殴りとばしたい所でしょうが状況は超非常時。気持ちをグッと抑えアナスイの傍に立つ娘を自分の下に引き寄せる事で拒否の意思を示します。
承太郎からすれば相手の素性がどうの、という問題ではなく最愛の娘に言い寄る虫は全て排除したいという親心から出た行動だとは思うのですが、アナスイにとっても死を覚悟した決戦にあたって愛する女性の「最愛の父親」から「求婚する資格の許しを得たい」、自分の魂を呪われた暗闇だと感じていればこそ、救いの光である彼らに人間として許されたい。という切迫した想いがあったわけです。
それを全身で拒絶されたとあって洒落にならなくガッックリしたのではないか・・と思います。(どちらの立場でも洒落にならないですが)
 
しかしアナスイはくじけません。くじけないというか・・むしろ恋路の玉砕を思い知って吹っ切れたのか、その後の戦いでは承太郎のサポートに終始します。それも命がけで。
アナスイが欲していた魂への許しは承太郎の頭を飛び越えて徐倫が先に与える事になり、戦いの中でアナスイと承太郎の関係は未決着のまま終わりを迎えてしまいます。
 
しかし戦いを通し、承太郎もアナスイの切実な想い、徐倫に対しての気持ちの真実、・・・・もしかしたら徐倫自身も少なからずアナスイの心を受け入れている事はわかっていたのではないかと思います。
ただ自分自身が父親として思うところが多々あったであろう承太郎にとっては再会してまもない、更に絶望的な戦いの最中では状況を受け止める余裕がなかったのではないでしょうか。
 
物語の最後では新世界の徐倫とアナスイが登場しますが承太郎の姿は描写されません。ただ徐倫・・アイリンが「これから二人で父さんに会いにいく」と言うのみです。
 
果たしてこの「父親」が新世界での承太郎であるのかは現段階では知る由もありません。
でももし承太郎であったなら、彼は今二人の訪れを複雑な気持ちを抱きつつ待っているはずです。
娘を愛する父親なら誰もが思うであろう「一番来てほしくない瞬間」を。
遠い日の記憶のようなデジャブのような感覚で「お嬢さんとの結婚をお許し下さい」と“彼”が現れる瞬間を。
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