コラムる

徒然なるままに、愛しのキャラクター達へ思いを馳せる。
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 15     「Pワールドあの人この人」(スティール・ボール・ランとジョジョより)  
「スティール・ボール・ラン」という作品の位置づけは「パラレルに突入したジョジョ世界」なのだそうです。
ここで気になったのは
●「P(パラレル)ワールドって何?」
●「今までのジョジョ世界と何処が違うの?」
●「ジョジョ世界で登場したキャラクター達はどうなったの?」
・・・等です。
今回はこの様な疑問について自分なりに考察してみたいと思います。
 
その1.「Pワールドって何?」
荒木先生のジャンプ後書き「ジョジョはPワールドに突入した」というお言葉から推測するにSBRの世界は6部の最後がそのままスライドし、続いている事を指しているのではないかと思います。
 
今までのジョジョ世界でディオが目指し、その過程にジョースターの意志が介入し、結果作られた世界。
6部のエピローグは新しい荒木先生作品のプロローグでもあったわけです。
SBRはジョジョ世界をベースに作り直された新世界、ワンダフル・ワールド。
キャラクターや世界観を継承しつつ新たな歴史に文字通り「突入」しようとしているのではないでしょうか。
 
その2.「今までのジョジョ世界と何が違うの?」
これは、ぶっちゃけ「DIOとジョースターのジョジョがいない」事が違うと思います。
それ以外は今までと変わらないはずです。
裏を返せばDIOとジョジョが関わった人物、事柄には何かしらの影響があると考えられます。
つまりは地球全体的な歴史に変わりはないがジョジョ歴史には影響アリアリ。かと。
けれど人同士の引力は変わらず、内に秘める魂も似ているはずです。
アナキスがアイリンに魅かれた様に、アイリンが父の存在を大きく感じているように、エルメェス似の彼女があいも変わらず漢らしかったように・・・!
出会いは繰り返され、たどる運命も似ているのではないでしょうか。
 
ただDIOやジョジョ達に出会い、運命を大きく左右された(特に殺された等の関係の)キャラについては人生の成り行きが大きく変化しているかもしれません。
それが吉と出るか凶と出るかは謎ですが・・・(DIOの息子のヴェルサス君とかには今度こそ幸せになって欲しいものです。ホントに。)                        
 
その3.「ジョジョ世界で登場したキャラクター達はどうなったの?」
この項目はキャラクターの数が多いので前世界での「死亡グループ」と「生存グループ」に分けて考えてみようと思います。
 
先ず「死亡グループ」
死亡したキャラクターが生まれ変わりのような形で新世界に登場する可能性がある事は6部ラストで描かれていました。
 
しかし生存グループのエンポリオ少年が唯一前世界の記憶を持ったままPワールドに到達したように、プッチ神父並びにDIOの二人は他の死亡グルーとは異なる扱いを受けるのかと想像していました。
何しろ運命の枠を超え、時間を操る力を持ってしまった二人です。その代償は大きなものになるのではないかと思っていました。
例えば二人のみ、宇宙の輪廻の輪から外れてしまうとか・・・。
しかしSBRの蓋を開けてみれば1話にして堂々ディエゴ・ブランドー君の登場です。
あまり深く考える必要は無かったみたいです。
神父のみがいなくなってしまった?とも考えられますが天国を目指した張本人が真人間(?)になって人生やり直せてるのでプッチ氏もどこかの時代で(多分6部時代)運命や引力に悩まない人生を送っているのではないでしょうか。
 
他の死亡グループですが「引力=すなわち愛」の法則に基づき前と同じような時代に生まれ、出会いを繰り返しているはずです。
なんか一人程、引力パワーから弾き飛ばされて時代を超えて登場してしまったウルムドさんとかいらっしゃいますが、これは新たな引力が発生しているのか、はたまた承太郎やジョセフとよりもディオとの引力が強かったのかもしれません。(え
(ウルムドさんはモハメドさんの先祖に当たるという考え方もできますが、作者様的には“アブドゥルのキャラ枠”としてウルムドさんを登場させたと思うのでモハメド≒ウルムドと解釈する事にしました。)
 
次に「生存グループ」はどうか、です。
一般人も命ある人はエンポリオと同じく新世界にそのまま到達しているはずです。
ただ最初の「一巡目の世界」で持っていたはずの「運命の記憶」がプッチが死ぬ事によって2巡目以降失われてしまう、と神父は話していました。
この事象に準じてジョジョやDIOに関わった人々も2巡目以降の記憶が変化している可能性があります。
 
DIOと戦闘し危険にさらされた人々は「出会わなかった人生」を送っているはずです。DIOの配下によって被害をこうむった大勢の一般市民や脇役キャラも同じではないでしょうか。
ジョースターに関係した人々については違う形で出会いを繰り返しているかもしれません。ジョースターは「ジョジョ」でなくなっただけで彼らも新世界で新しい人生を生きているはずなので・・・。
 
その4.「まとめ」
Pワールドでは「運命」より「引力」が優先されているような気がします。
前世界とは違う事柄も全ては引力パワー!!ということであまり深く考えない方がSBRを楽しめるのかもしれません。
 
繰り返す出会い、変化した出会い、そして新たな登場、全ての引力とSBRワールドにエールを送りつつ、一応の考察を終えたいと思います。
 
                                                  2004.1.24
■追記■
1月26日に発売された集英社リミックスの「SBR広告ページ」で荒木先生で話されていたコメント
マニアック読者の人達には深読みをしないで欲しいです。
これまで描いてきたものとは全然別の話、ここから始まる物語だと考えて下さい。」
・・・だそうです!
荒木先生のおっしゃるとおりです・・・。
新作は四の五の言わず素直に楽しむべき作品でした。
 
でも思わずディオとかアブさん出しておいてそりゃないよ・・・!
と言いたくな・・・ゴホゴホンッッ
 
「SBR」は荒木先生が今まで描いてきた作品(主にジョジョシリーズ)を一旦リセットし、再構築した世界。
前世界の面影を残すキャラクター達も「サービス」の範囲であって深い因縁や特に前世界との繋がり等は皆無なのでしょう。
ジョニー・ジョースターも前世界から続いた<ジョジョ>の「7代目」とは呼ばれないような気がします。
正しく彼を呼ぶなら「新世界のジョジョ1代目」なのではないでしょうか。
 
とはいえ、個人的にはサービスの一環、ネタの端くれであっても懐かしいキャラクター達を今の荒木先生の絵で見れるのを大変嬉しく感じていますし、新キャラたちにも愛着を覚えています。念頭にあまり深く考えない事を肝に命じつつSBRを楽しみたいと思います。
 
これからも描き続けられるであろう荒木先生の作品世界に敬意とエールを送っています。
                                                  2004.2.20
 
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