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Q1 お散歩デビューはいつがいい?                       一番上の目次に戻る
  普通であれば,生後約3ヶ月目ごろに行うワクチン注射が済むと,いよいよお散歩デビューになる。
  ただ,最初のワクチンが済むまで子犬を外で歩かせたらいけないという本,獣医に対しては,私は疑問がある。ま,そのあたりの話は別な機会にするとして,ここでは,一般的な3ヶ月目のお散歩デビューを前提としている。







Q2 いきなりお散歩デビューさせて大丈夫?           一番上の目次に戻る  
 それまで家の中で外敵を知らずに育った子犬を散歩させるには,それなりの準備が必要である。
 個体によって,最初から元気よく走り回る子,初めての臭いに興味深くクンクン臭いを嗅ぐ子,初めての首輪とリードに戸惑って萎縮してしまう子,外の世界に怖じ気づいて一歩も歩けない子など,色々な反応がある。
 何れにせよ,これから10数年間続く散歩の始まりであり,それが楽しいものになるか苦痛になるかの分かれ道でもある。何でもそうだが,やはり散歩も最初が肝心である。
 何の準備もせず,何の想定も立てず,いきなり散歩に連れ出すということは,止めた方がいい。中には問題なく順応する子犬もいるが,万が一,拒否反応を示した場合やぐいぐい引っ張るような場合は,飼い主も面食らってしまうし,問題行動の矯正に時間がかかることになる。
 





 

Q3 お散歩デビューの準備は?                       一番上の目次に戻る
 お散歩デビューをスムーズなものにするには,次の三つのトレーニングを事前にやっておくことをお勧めする。
 1番目は,首輪に慣れさせるトレーニング。
 慣れればどういうこともない首輪だが,首輪に拒否反応を示す子犬がいるので,まず,家の中で首輪に慣れさせる。
 嫌がる子犬の場合,首輪を付けたら直ぐにおやつのご褒美をあげる。あるいはおもちゃで遊んでやってもいい。子犬が一番興味を示すもので褒める,相手をしてあげればいいのだ。これを続けていけば,首輪をはめるとご褒美が貰える,遊んでもらえると覚えていくので,しばらくすると首輪に拒否を示さなくなる。

 2番目は,リードに慣れさせるトレーニング。
 子犬が首輪に慣れたら次はリード(引き綱)に慣れさせる。
 首輪にリードを繋ぎ,あとはそのまま自由にさせる。最初はリードを気にするだろうがほっとく。リードを気にせずに走り回るようになればOK。
 リードに慣れたら,ついでにリードを固定物に繋いで,一か所で待つ練習をさせてもいい。ただし,嫌がるようだったら無理にしなくてもいい。訓練の開始時期は,個体によって早い遅いの差がある。基本的な訓練はどの子犬も早い時期からした方がいいが,やや高度な訓練はもう少し後からでもいい。この一か所に繋ぐ訓練は,買い物などに連れて行ったとき,外で待たせておくときに役立つ。
 やり方はヒジョーに簡単だ。固定物に繋いだ子犬が一瞬動きを止めたときに,すかさずおやつのご褒美をあげて褒めるだけ。その静止の時間を徐々に延ばしていく。座れが出来れば,座れで待たせる。

 3番目は,室内や庭でリードを引いて実際に歩いてみるトレーニング。
 リードにも慣れてきたら,次は実際にリードを引いて,実内を子犬と歩く練習だ。
 最初から飼い主のスピードや方向に合わせてうまく歩ける子犬はいない。あっち行き,こっち行きではしゃぐだけだ。
 この練習は,飼い主に合わせて歩くのを少しでも覚えてもらうことは当然だが,もう一つ,リードをつけて飼い主と散歩することは楽しい,ということを覚えてもらうことも重要な目的だ。子犬が飼い主に合わせて歩いてくれないからといって,怒ったり,叱ったりすると,子犬は散歩は不快なものと考えてしまう。最初はうまく出来なくても構わないのだ。誰だって最初からうまく出来るハズがない。
 散歩は楽しいと思わせるためには,やはりおやつが大きな武器になる。おやつを見せながら歩くと,たいていはおやつに興味を示す。おやつを自分のあごの下あたりで見せて,子犬が自分の顔の方向を見たら,褒めながらおやつを与える。そうすると,子犬は,飼い主との散歩は楽しいということを覚えていくし,この方法はアイコンタクトの練習でもある。ただし,このおやつのやり方には注意が必要。おやつが欲しくて立ち上がっているようなときに与えてはいけない。じゃれるとおやつが貰えると覚えてしまう。普通に歩いているときにすかさず与えるのがコツだ。
 そうこうしているうちに,室内のトレーニングで脚側歩行を覚えてしまうわんこもいる。スタンダード・プードルという犬種は,訓練がかなりやりやすいわんこではあるが,リリーはこの生後3か月までの室内トレーニングで脚側歩行がちょっとできるようになっていた。

 訓練は何でもそうだが,決して焦らないこと。根気強くやることが訓練のコツである。
 それと,1回当たりの訓練時間は短く切り上げること。訓練の種別,個体によっても違うが,子犬が飽きる前に止める。まだおやつを欲しがる,見せているおもちゃで遊びたがっているときに訓練は,ハイ終了。訓練の回数は,1日に2,3回程度だろうか。簡単で子犬も喜ぶようなものは回数をもっと増やしていいのかもしれない。
   







Q4 初めて外に出たときはどうすればいい?               一番上の目次に戻る
 いよいよお散歩デビューだ。
 初めて外の地面に子犬を置くと,その反応がいろいろで面白い。
 我が家のスタンダード・プードルのリリーは,好奇心旺盛で直ぐにクンクン臭いをかぎ始めた。
 ドーベルマンのセーラは,外に出した途端,いきなり走り出した。そのまま行けば迷子になってしまうだろうし,車に撥ねられることもある。向こう見ずな性格は御幼少の頃からなのだ。しかし,リードは私がしっかり持っていたもんだから,勢いよく走り出したセーラは後ろにひっくり返らんばかりに大きな衝撃を受けて止まった。ガッツーンだ。これにはセーラもびっくりし,以後,1週間ほど,外にせっかく出してもがっちり固まってその場から一歩たりとも動かなかった。ホントにおばかさんなわんこだ。
 
 このようなおばかさんなわんことは逆の慎重派の子犬だったら,取りあえず外の雰囲気に慣れてもらうだけでいい。飼い主は無理に歩こうとせず,その場に立ったままでいい。名前を呼んでおやつを与えてもいい。要は,外の散歩だからと言って,無理にリーダー・ウォークを始めないことだ。
 セーラのような暴走指向のやんちゃ犬だったら,最初からリーダー・ウォークに入る。ただし,子犬がひっくり返るような余りにも大きなショックを与えないように気をつけながら,飼い主の主導で歩き,子犬もそれに従わせる。繰り返し書くが,最初からうまく出来るわんこはいない。リーダー・ウォークを意識するあまり,強烈な衝撃を与えないようにする。徐々に,徐々に訓練していく。
 わんこも色々な性格があるから,早く覚えるのもいるし,遅いのもいる。飼い主の中には自分のことは棚に上げ,子犬がなかなかしつけを覚えてくれないと文句を言う人がいる。犬は飼い主に似る,というのに。
 リリーは直ぐに脚側歩行を覚え,生後5ヶ月ごろにはリード無しでも完全に脚側歩行が出来ていた。
 しかし,おばかさんのセーラは,脚側歩行を覚えさせるのに一苦労もふた苦労もした。我が家のわんこ達の散歩は,わんこの頭が人の腰の位置にくるように訓練したが,セーラはどうしても前に出たがり,人よりも頭二つ分ほど前に出ていた。ま,その状態でも大した支障はないのだが,頭が腰の位置に来るように修正を加えるに1年位かかった。
 セーラは,散歩中は私の横から離れようとしないが,しかし,猫ちゃんがいるときにリードを外せばきっと一目散に突進していくに違いない。猫ちゃんは自分に気があるいいお友達と勝手に考えているようだ。

 ちなみに,警察犬は,一般的には人の腰より頭一つ前に出る,つまり,わんこの首,肩当たりが人の腰に来るように訓練するのが一般的だ。その方が,わんこが訓練士の顔を確認し易いからだ。真横では人の肩が邪魔になって顔がやや見づらくなる。








Q5 散歩中に臭いを嗅ぎ始めたらどうすればいい?              一番上の目次に戻る
 何回か外に出ているうちに,子犬も散歩慣れてくる。そうすると,余裕が出てきて活発に臭いを嗅ぎたがり,そこをクンクン,あそこをクンクン始める。「お〜,そうかそうか,お前は好奇心旺盛で頭が良くなりそうだ。」なんて感動していたら,その将来には暗〜い散歩が待っている。散歩のときは,全ては飼い主の御心のままに行動しなければならない,ことを子犬のときに覚えてもらわなければならない。
 子犬の気の向くままに悠長にクンクンさせれば,高い確率でアルファ犬の誕生だ。散歩中,自分の好きな方向へ行こうとし,飼い主をグイグイ引っ張り始めるようになる。そうならないように,散歩中は飼い主のリードに合わせて歩かなければならないことを教える。極めて重要なことだ。多くの訓練士がアルファ・シンドロームの矯正にリーダー・ウォークを勧めるのは,リーダー・ウォークは,人がリーダーであることをわんこに認識させるのに大きな効果があるからだ。逆に言えば,きちんとリーダー・ウォークをしないと,わんこにアルファ・シンドロームを出させてしまい,人にもわんこにも不幸な結果が訪れるということだ。








Q6 子犬の自主性を尊重し散歩中は自由にさせたい   一番上の目次に戻る
 わんこの飼い主は,わんこに好き勝手に行動させることは,決してわんこのためにならない,それは愛情でも何でもなく飼い主のわんこに対する本質の認識不足,怠慢,愛情不足であると自覚すべきである。
 何故ならば,好きなようにさせることで,わんこは自分がリーダーであると認識し,アルファが出やすくなる。そして,アルファが出たわんこは,飼い主から疎まれ,誰からも嫌われてしまうし,わんこ自身の精神的な緊張が高くなり,不安定な状態になる。それは飼い主にとっても,わんこにとっても不幸なことだからだ。
 アルファ・シンドロームのわんこは,リーダーとしての使命感に燃え,自分より下位にある飼い主を守るために外敵に備えた警戒を常に続け,お客さんが来れば吠えまくり,また,飼い主やそのほかの家族が自分のリーダーとしての立場を脅かすようなことをすれば,唸って威嚇しなければならない。こんなんだから,アルファ犬はいつも神経がきりきり張りつめた緊張状態にあり,攻撃的だから心身とも疲弊するのだ。
 このようなことにならないように,子犬にリーダー・ウォークをやってあげて,家族の中で一番下の位置にあることを教えてあげるのだ。
 リーダー・ウォークと言っても,子犬に苦痛を強いる訳ではない。子犬が人よりも先に歩いたり,別な方向に歩いて行こうとしたときに,人が歩く方向を変えるだけである。そのときに,子犬の首に軽いショックが加わるが,子犬はこのショックに不快感を覚える。これを繰り返していると,飼い主と同じ方向に同じ速度で歩かないと嫌なことが起きる,と子犬は理解を始める。そうすれば飼い主を引っ張るマンガの絵のようなことは起きない。
 わんこの一生は生後半年で決まる,と言っている学者もいるぐらいだから,子犬へのトレーニングはマコトに大切である。
   







Q7 子犬の散歩はノー・リードでいい?                 一番上の目次に戻る
 子犬であろうが,成犬であろうが,散歩の時はオン・リードが原則。
 特に子犬の場合は,リードを必ずすべきである。
 まだ,脚側歩行さえ出来ない子犬にリードをつけないというのは,私に言わせれば,殺人(犬)行為と同じだ。車道に飛び出して車に轢かれたり,歩行者に気づかれずに踏まれたり,あるいは気性の激しいわんこのところにのこのこ行って噛まれたりするなど,危険な目に遭う可能性が極めて高い。しかも,食べてはいけないものを拾い食いすることもある。
 リードを付けずに,子犬をそのような危険な目に遭わせるのは,愛情ある飼い主とは言えない。何も知らない,何も出来ない無防備な子犬を守ることができるのは,飼い主だけである。
 また,躾の面でも,子犬のノー・リードは好ましくない。上の方にも書いたが,散歩中に子犬を好き勝手にさせたら問題犬になるおそれが非常に高い。
 さらには,他人にとっても迷惑な行為である。もしも,間違って子犬を踏んだらどうなるのか。踏もうとして踏んだわけではないが,過失の責任を問われるし,過失がないとしても道義的な責任を感じるし,飼い主がリードをしていなかったばかりに,とんだ迷惑を受けるのである。








Q8 子犬をほかのわんこと遊ばせたい              一番上の目次に戻る   
 子犬に社会性を学習させるために,大変良い機会である。
 相性さえよければ,それと相手の飼い主の承諾があれば,遊ばせてもらおう。
 相性の良し悪しは慎重に見極めよう。相手のわんこにいきなりガブリとされたら大変だ。
 我が家のドーベルマンのセーラは,子犬も大好きで遊びたくて仕方がないのだが,上から手で叩く癖があり,これに以前飼っていたウサギもやられたことがる。こんなわんこもいるので,ご注意を。

  






Q9 子犬を子ども達が触りたがる                    一番上の目次に戻る
 これまた,子犬の社会化の学習のためには,願ってもない機会である。
 多くの子どもに触ってもらおう。
 我が家でも,わんこが子犬のころは,家に遊びに来た娘の友達にどんどん触ってもらったし,公園で遊んでいる子どもにも触ってもらった。
 ただ,子ども達には,触り方の手順を教えておこう。いきなり手を出して触ってはだめ,ゆっくり近づいて手をそーと出し,手の臭いを嗅がせて,それから背中をゆっくり撫でてもらおう。子犬だって知らない人間が突然手を出してくれば驚くし,ストレスが起きる。それに,変な抱き方をされると,それがトラウマのようになって,他人を嫌いになることもある。
 ちなみに,セーラは生後4か月目頃から,既にみんなに避けられていた・・・。可哀想な宿命である。







 
Q10 子犬を走らせたい                        一番上の目次に戻る
 自分の子犬が元気に走り回る姿を見るのは,あ〜,わんこを飼ってよかったな〜と大きな喜びを感じるときでもある。
 散歩の途中,公園などで一時的に遊ばせるときに,うんと走り回らせてあげたい,誰でも思うことである。しかし,このときもリードは必ず付け,いつでもコントロールできるようにしておく。散歩用とは別に,運動用のロングリードも売っているので,それに換えて遊ばせよう。
 ただ,成長期の子犬は骨格が弱いので,激しい遊び,運動は避ける必要がある。特に大型犬の子犬は,高い場所から飛び降りたり,激しく走ったりすると,股関節脱臼にもなりかねないので,飼い主が十分注意する。股関節脱臼は,痛みに強いわんこでも強烈に痛い怪我である。







Q1 お散歩デビューはいつがいい?
Q2 いきなりお散歩デビューさせて大丈夫?
Q3 お散歩デビューの準備は何をすればいい?
Q4 初めて外に出たときはどうすればいい?
Q5 散歩中に臭いを嗅ぎ始めたらどうすればいい?
Q6 子犬の自主性を尊重し散歩中は自由にさせたい
Q7 子犬の散歩はノー・リードでいい?
Q8 子犬をほかのわんこと遊ばせたい
Q9 子犬を子ども達が触りたがる
Q10 子犬を走らせたい
わんこQ&A
わんこのお食事