ライフルのカッティング法いろいろ  

フックカッティング

フック状の刃先を銃身内面に押し当てライフルを刻む方法。一般に砲身等の大型火器のライフリングを切るのに使う。2〜30回に分けて刻むので手間と時間がかかる

ブローチング

全てのライフルを一気に引っかく。軍用銃身・リボルバーに多用される。WWU時に完成。

ボタン・カッティング
(競技用銃身の大多数)

タングステンカーバイトのライフルボタン(実は残ったところがライフリングになる)を銃腔内に通す。押して使用しても引いて使用しても良い。テフロン粉を潤滑剤に使用し、銃身材を回転させる。ピッチのずれが出やすい。ボタンを押す際ストレスで刃先が大きくなりがちで銃口側は暖めながらライフルを切る。550-570℃

ロータリー・
フォージング

冷管鍛造。1930年代ドイツで開発。タングステンカーバイトの銃身の型(マンドレル)を太いパイプに入れ、回しながら周りを叩いて細くする。端のほうから叩いてゆくとマンドレルはライフルを形作りながら前進して最後にポトンと出てくる。フィニッシングはほとんど不要だが銃口内のサイズぶれが出やすい。5分程度で銃身が完成し効率が良い。64式の銃身などはこの方法で作られる。現在では薬室も同時に叩き出している。

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ガンドリル刃先(下穴あけドリル)
かつてガンドリルは、銃身の穴加工などの限られた範囲でしか利用されていなかったが、これは円筒状の被削物を回転させ、ガンドリルは固定して使用されていたためである。
給油装置装置の発展により、ガンドリルを回転させ、被削物を固定した状態で使用できるようになり被削物の形状に制限なく、広範囲にガンドリルを利用できるようになった。
ガンドリルは工具内部を貫通する油穴をもち、切削油が工具の後端より送り込まれて先端部より切削点に流失し、切り屑と共にシャンクV溝を通って外部に流出される。
このV字の刃先がセンター出しに最適だそうである。