スモールボア・ライフルの銃身交換

ボーダーバレル社の方法

このページは射手として銃身交換がどのように行われるかの概念を得るためのものです。絶対に真似しないでください。様々なノウハウや安全性についての問題が多々あります。塾長の大先輩で自分で調整して銃身を飛ばした人がいます。

文書ソースはボーダーバレルHP、http://www.border-barrels.com/です。

1;ピンの除去

ボルト、トリガーブロックを外した後、銃身をアクションに固定する2本のピンを抜きます。ピンはアクションの上部側からたたき出します。



2;銃身をアクションから外す

ピンが外れたらアクションの内径より僅かに細く削られた心棒をアクションに差し込み、アクションをグローブでつかんで2ポンドハンマーを使用して銃身をアクションからたたき出す。なかなか抜けない場合もあり、またカーンカーンと大きな音がするのでイヤープロテクターが必要。飛び出した銃身が人に当たらないように注意。



3;ボルトから撃針とエキストラクターを外す

ボルトのキャップを外して撃針アッセンブリーをボルトから外す。精密ドライバーを使用してエキストラクターをこじ出す。スプリングが飛んで無くならないように注意。その後、ボルトハンドルとキャップをボルト本体に再び組み付ける。



4;銃身に接着剤を塗布

銃身をアクションに固定するには22口径では接着剤の使用で事足りる。硬化すれば銃身を再び外すために5.5トンの圧力(火薬による負荷の何倍も大きい)を要する接着力を発揮するロックタイト601を使用する。エキストラクターと銃身側のエキストラクターポケットの位置決めはネジ止めの場合より簡単であり、ネジ止めによる銃身やアクションにかかる応力の心配もない。

アクション前部の内面にごみや油のない状態にし、そこをペーパーで擦って接着剤の強度が出るようにする。糊付けの前には銃身にセンターマークを付けておくと良い。
    

ロックタイト601をアクションの内部と銃身に少量塗布し、アクションと銃身の接触面に接着剤が行き渡るように銃身をゆっくりと回転させながらアクションの一番奥まで差し込む。その後銃床固定ネジをアクションに軽く底あたりする程度にねじ込む。

5;ヘッドスペース調整

銃身を万力で固定し、ヘッドスペースゲージを薬室に挿入する。A.042ゲージが最も良い結果が得られる。(ヘッドスペース1.07mm)

ゲージを入れたまま撃針の抜かれたボルト徐々におろすと、銃身がゆっくりと前進してヘッドスペースが調整される。ねじ込んである銃床固定ネジがきついとボルトがおりない。この作業にかんしては接着剤をつける前ネジの締め具合をにテストしておくと良い。
ヘッドスペースが決まるとボルトとゲージを抜き接着剤を乾かす。
   


6;ピンの打ち込み

接着剤が乾いた後、ピンを上方より打ち込む。ピンと銃身に刻まれたピンスロットには隙間があり、ピンそのものは銃身を固定する仕事には関与しない。ピンを交換するのは外見を綺麗に見せるだけのものである。

あとはボルトにエキストラクターと撃針を組み込んで射撃準備完了である。


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