成績(記録)の評価
成績を記録しておくことは技術解析にはそれほど重要ではないが、多くの射手は数字に技術の評価を頼っていることも明らかな事実である。まぐれ当たりでも1度国体で上位に入ればそのレッテルが暫くは付いて回るし、自分もその気になる。これは良いことであるが、仮に技術の進歩の進捗状態を数字に頼るならばより正確な指数を用いたい。
自己新記録は重要な目標であり、自己の動機づけには大いに使用すべきであるが、実は自己記録は技術を評価する指数としては役に立たない。永年塾長は選手(自分)の成績を評価する際、平均点のみをそのよりどころとし、シーズンを通しての評価は全試合中それまでの平均点を何回上回ったかを基準としてきた。統計学的にはよりどころがないが、統計学が成立するほど多くの競技会に出場できるはずもなく、結構正確にシーズンの評価が可能になってくる。3姿勢の場合各姿勢の得点の標準偏差の大小でその安定性がはっきりうかがえるし、次シーズンの重点強化対象の決定には大きな資料となる。我々の時代と違い現在では機械が勝手に計算してくれ、グラフまで作成してくれる。射撃部の部員の記録評価には適していると思われるが…。
例として、得点の生グラフと平均点グラフ、各試合の平均点からの上下棒グラフを掲載するので参考にしてもらいたい。
ぐうたら選手の去年の成績
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記録
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平均点
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平均点との差
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1
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539
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539.0
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0.00
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2
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545
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542.0
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3.00
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3
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544
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542.7
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1.33
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4
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544
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543.0
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1.00
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5
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552
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544.8
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7.20
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6
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556
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546.7
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9.33
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7
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551
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547.3
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3.71
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8
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558
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548.6
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9.38
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9
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539
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547.6
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-8.56
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10
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549
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547.7
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1.30
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11
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550
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547.9
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2.09
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12
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549
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548.0
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1.00
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13
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561
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549.0
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12.00
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14
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555
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549.4
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5.57
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15
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554
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549.7
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4.27
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16
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553
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549.9
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3.06
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記録グラフでは毎回の良し悪しは明瞭である。この例では年に2回ピークが来たことがうかがえる。数年間のグラフが同様であれば上級レベルに達した時の年間計画にその傾向を加味したものを加えることができる。
下の平均点の変化グラフではほぼ常時右肩上がりである。このシーズンが技術的には大成功であったと評価してよい。この例では542-3のレベルから550のレベルに向上したことが明らかである。シーズン最後の成績は561-555-554-553と一見低下傾向を示していると見れるが、実はこの成績で平均点が徐々に上がっている。冷静な技術的判断ではOKを出しても良い。多くの射手はこの絶対得点の低下の現象にうろたえ、射撃に変化を加えることによりせっかく定着傾向にある以前より好ましい技術を崩してしまう。変化を加えるべきかどうかは平均点の推移で判断するほうが安全である。
各試合の記録とそれまでの平均点の差を表示したものが下図である。毎回の得点の上下(良かった悪かったの印象)に反して、初回を除く15試合のうち、14試合でシーズンのその時点での平均を上回っている。このことは非常に肯定的に捉えるべきであり、次のシーズンも同様のトレーニングを繰り返すべきことを示唆している。
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